部活動後半は全く身が入ってなかった。
ん？後半と言わず全部か。



チョタが私にキレてることが発覚して気まずいまま今日の部活は終わった。




皆が部室で着替えだしたけど私は中々入ることができず一人コートに座り込み、どうしたらチョタの機嫌が治るかを考えていた。




（さすがに犬扱いはヤバかったか…）




でもよく考えると私はいつでもチョタを宍戸のワンコと言っていた気がする。




（なにも今更キレなくても…）





長太郎Side


「おい長太郎！オマエいい加減にマネのこと許してやれよ」



宍戸さんが小声で着替えてる俺に話しかけてきた。



「宍戸さん気がついてたんですか？」

「当たり前だろ！あんなにあからさまに不機嫌になってりゃフツー気付くだろが！！」



意外だ、なんて思ったら失礼だよな。




「許すとかそういう問題じゃないんです」


「あぁ？」


「俺、前からマネ先輩に“忠犬”とか“宍戸の犬”とか“ワンコ”とか言われたい放題されてましたど…」



なんか自分で言ってて情けなくなってきた。
宍戸さんが同情してるように見えるし。




「“可愛い”ってのにちょっとムカついたんです」


「は！？」


「マネ先輩にとって“可愛い犬”なんてイヤなんです」




俺は着替え終わってロッカーを閉めた。



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