アンラッキー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おい!!お前等いい加減にしろよ!!!」
宍戸くん怒鳴ってます。
確かにやりすぎ…かな?
よし…こうなったら…。
「跡部くん…こんな話知ってる?」
「アーン?」
皆俺の話に耳を傾ける。
「1人の子供がいました。その子には2人の母親がいました。ある日子供の取り合いになってしまい、両腕の引っ張り合いになってしまいました」
「アーン?だからなんだ?」
「両腕を引っ張られてる子供は痛さのあまり泣き出してしまいました。さて、最初に離した方はーーー?」
「ふぇ…痛いよぉ…」
俺の話にタイミング良く泣いてしまったマネちゃん。
「!!!」
おっとラッキー!!
跡部くんの力が緩んだ!!
「キャッ」
俺は咄嗟に力を込めてマネちゃんの手を引いて走り出した。
「「「千石!!!」」」
4人の怒鳴り声が聞こえる。
「メンゴメンゴ!!さっきの話ね、先に手を離した方が本当の母親なんだよ~!!俺はマネちゃんの母親希望じゃなくて彼氏希望だから~!!そんなわけでグッバーイ☆」
「え、えぇ!!?千石くん!!?」
「本気だよ」
俺はマネちゃんの手をとってひたすら走る。
だって後ろから凄い勢いで4人が追いかけて来るんだもん。
「千石ーーー!!!テメェ!!!」
「待ちやぁーー!!!マネを離さんかい!!!」
「何で千石なんかにマネをとられなきゃなんないんだよ!!!」
「千石くらい俺が追い抜いてやるよ!!!」
んー‥マネちゃんと一緒に走ってる俺は不利だなぁ…。
そうだ!!
「皆さーん!!男子テニス部と追いかけっこしませんかー!!?捕まえた人とデートできちゃいますよーー!!」
テニスコート付近まで行って男テニ応援団(?)に向かって叫んだ。
「えぇ!!?跡部様を捕まえたらデートできるの!!?」
「ウソ!!あたし忍足くん捕まえる!!」
「きゃぁーっ!!!」
「待ってーー!!!」
す、凄い!!
凄まじい勢いで女の子の集団が跡部くん達目掛けて走って来るよ!!!
「「「せ、千石ーーー!!!!」」」
後ろから俺達を追いかける跡部くん達。
その後ろから追いかけて来る女の子達。
ってゆーか俺を追ってるのに必死なのか逃げるのに必死なのか…。
俺だったら逃げたりせずに整理券配って全員の相手するのになぁ。
「せ、千石く…ん…あ、あたし…もう走れ…な…」
うわ!!!マネちゃんの息切れしてる姿、超セクシーなんだけど!!!
「ご、ごめんね。なんとなく撒けそうだから校舎裏にでも行こうか?」
「…はぁ…はぁ…」
後ろを向くと女の子達にモミクチャにされてる向日くんが見えた。
宍戸くんも忍足くんもいないな。
どっか別の方向に逃げたのかな。
跡部くんは…。
あの女の子しか見えない輪の中にいるんだろうな…。
なんか遠目からだと袋叩きに遭ってる人に見えるよ。
そんなこんなで俺とマネちゃんは校舎裏まで逃げ切った。
.