アンラッキー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「痛い?しみる?」
水道の水でティッシュを濡らして肘についた土を落とす彼女。
「全然痛くなんかないよ」
さっきから顔は近いし髪からはシャンプーの甘い香りはするしで、そっちのが気になってますから。
それにしてもこんなに可愛くて気も利いて優しい子がいるなんて…氷帝万歳!!!
「えっと…キティちゃんなんだけど…いい…?」
「ん?何が?」
「バンソーコ…」
かーわーいーいー!!!
「全然OK!!!俺キティちゃん大好き!!!いつも地方に行くとご当地ストラップ買ってるくらいだよ」
俺がそう言うと笑いながら「良かった」と言って鞄からバンソーコを取り出して張ってくれた。
そうだ!!俺ってば肝心なことを聞くのを忘れてた!!!
名前!!!
「あ、俺…」
「その制服…山吹中だよね…?」
「知ってる!?いやぁ光栄だなぁ~」
「珍しいデザインだから。カッコイイよね」
「それは制服が?俺が?」
「ふふ。どっちも」
かーわーいーいー!!!
(そればっかだな)
あ、いかん!!
自己紹介のタイミングを逃してしまう!!
「あ、俺…」
と、言いかけた瞬間テニスコートから凄まじい声援…もとい黄色い歓声が聞こえた。
「さすが凄いねー‥。氷帝テニス部は」
俺が関心したように言うと彼女はそっけなさそうに説明しだした。
「今日は跡部と忍足が練習試合するって言ってたからね。特に歓声が凄いのかも。今の歓声はきっと試合が終わったんだと思うよ。もしくは跡部が“俺様の美技に酔いな”って言ったか」
この子淡々と話すなー。
跡部くんや忍足くんに興味がないのかな。
いい!!いいよ!!この子!!!
ミーハーじゃないこの子に益々ときめいた!!!
「俺、千石清純って言うんだ。キミは?」
「え?あたしは…」
彼女が俺を見て名前を口にしようとした瞬間。
「おいマネ。お前こんなところで何してんだ?」
と、聞き覚えのある声が俺達の後ろからした。
.