一目ぼれ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それで、あたし突き飛ばされて“引ったくりーっ!!誰か捕まえてーー!!”って叫んだのよ。そしたらね…」
「「「…そしたら?」」」
声が5人揃ってる。
ちょっとウケるんですけど。
「…そしたらね…あたしの後ろから凄い全速力で男の子が走って来て、引ったくりを捕まえたの」
あぁ…あの笑顔、思い出しただけでも胸がキューンとなる!!
「もちろん周りにいたギャラリーからは拍手喝采。私はスーパーマンのような彼にウットリ」
なんか話してて、だんだんテンションが上がってきたわ。
「警察が来るまで待っててくれればよかったのに彼は私の頭を撫でて“大丈夫?気ぃつけや”って一言残して行ってしまったの!!!もう、まるで王子様だから!!ヒーローだから!!!」
一通り話し終わった私のハイテンションぶり。
隣にいるチョタをバシバシ叩いてしまうほど。
これはいわゆるオバチャンのよくする現象“ちょっと聞いてよ~”みたいなモノ。
さっきから「イテテテ」って聞こえる。
「へー、カッコイイ男もいるもんだな」
関心してる宍戸。
「すぐその場を去るってのがカッコイイよな」
ヒーローとか好きそうな岳人。
こうゆうタイプの同性に憧れそう。
「かっちょA--!!!俺もそういうヒーローになりたE--!!!」
あー、慈郎も好きそう。
「先輩が無事で何よりです」
さっき私が叩いていた腕をさすりながら言うチョタ。
「っつーか関西弁なのが気に入らねぇな」
腕を組んで益々偉そうな跡部。
確かに彼は関西弁だったけど何が気に入らないっていうの!!?
「忍足を思い出す」
そう続けて言った跡部の言葉に納得。
そういえば忍足って関西弁だわな。
「でもカレは忍足なんかと比べ物にならないくらいカッコイイもん!!一緒にしないで!!」
私が跡部を睨むと
「お前まさか名前も知らない通りすがりの男に恋したとか言うんじゃねぇだろうな!!?アーン?」
と言ってきた。
続いて皆がそれぞれ発言する。
「はぁ!!?そりゃ、助けられたら多少そんな気になったりするかもしんねぇけどよぉ…!!」
「マネ先輩!!それは気のせいです!!目を覚ましてください!!!」
「き、気のせいってゆうのか?俺は一目惚れしてもおかしくないと思うんだけど…」
「マネに好きな人ができたら俺ヘコむ~」
「何の話をしてるんや?」
背後から聞こえた声に振り向くと、いつの間にか忍足が立っていた。
「お、侑士!!今日は遅いじゃんか何してたんだよ」
「さっきイトコから電話がきてな…」
そう言いながら忍足は携帯をいじっている。
「イトコ?」
「ああ…。もうすぐ全国大会やん?アイツの学校も出場するしな、もうこっち来てんねん」
「そういやお前、昨日何かの自慢大会してたなアイツか」
跡部は知ってるみたいだけど。
まぁいいや。
「でな、なんかアイツ昨日引ったくり犯捕まえたんやて。で、そん時助けた女の子がメッチャタイプやってんけど急いでて名前も連絡先も聞かへんまま終わってヘコんどる~って話を延々と聞かされてなぁ…」
「「「………」」」
………。
えっ。
まさか…
マジで…
そんなことって…
「ん?なんや?何で皆黙っとん?」
全国大会まであと3日。
運命の再会まであと3日。
おわり