指きり
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺も亜姫も
どれだけの涙を流しただろうか。
「景吾…あたしはもう死んだの。傍にはいられないよ」
「何言ってんだ。こうして触れてるじゃねー‥」
そう言いかけると急に亜姫の身体が透けだした。
「お、おい…っ!!!」
「もうそろそろいく時間なの」
「いくってドコにだよ!!!ココにいろ!!!ずっと俺の傍にいろよ!!!」
「景吾大好き」
「俺もだ!!!俺もずっとずっと亜姫が好きだ…」
どんどん透明になっていく亜姫を必死に抱きしめる。
クソッ!!!
何で亜姫が…っ!!!
「指きりして」
「………っ」
「景吾、小指出して」
指きり
それをしたら別れがくる
そう思うと俺はなかなか手が出せないでいた。
「もうすぐクリスマスだよ」
「………」
「賛美歌聴けなかったから…あたしの代わりに聴いてね」
「………」
「たまにはお墓に顔出してね。景吾に線香もらえないの寂しい…から」
何だよそれ
何なんだよ
勝手に現れて勝手に消えて
せっかく会えたのに何でもうお別れなんだ?
離したくない
離したくねぇ!!!
だけど
それは決して叶わぬ願いだ
そんなことは分かってる
分かってるさ。
亜姫…
俺がもしお前の立場なら
俺も同じことを言う。
“俺の分まで幸せになれ”と…。
「亜姫…」
「うん?」
「もう忘れたりしねぇよ…」
「うん」
「お前の分も…幸せになってやる…」
「うん…」
「愛してる…」
俺達は静かに指切りをした。
小指が離れるともうそこに亜姫の姿はなかった。
俺は空を見上げる。
雲ひとつない今日の空は
亜姫の好きな星がたくさん見えるだろう。
今年のクリスマスは一人で賛美歌を聴きに行こう。
そして
その帰りにお前の墓に寄るよ。
きっとこれからも何度も夢でお前に会うだろう。
その度、涙を流しながら目を覚ますだろう。
だけど忘れねぇよ。
お前との約束
絶対に亜姫の分も幸せになってみせるから。
fin
アトガキ→