指きり
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彼女?
亜姫が?
昨日初めて会った女だぜ?
彼女なわけないだろうが…。
昨日初めて…
本当に…
そうだったか…?
「跡部…お前はズルイんや…現実からずっと逃げて…そんなん亜姫が喜ぶはずないやろ…?」
「何言ってんだ?意味分かんねぇこと言ってんじゃ…っ」
「忘れるなんてヒドイやろ!!!」
「………っ!!!」
「何もかも忘れて辛い現実から逃げるなんて最低や!!!」
忍足は俺の肩から手を離すとその場に座り込んで顔を手で覆った。
辛いことから逃げ出す…?
何のことだ…?
何で忍足が泣き出すんだ…?
辛いことって何だ?
《オモイダシテハイケナイ》
「………っ!!!」
《イケナイ》
そうだ…
俺は思い出しちゃいけないんだ
いけなかったんだ
亜姫のことなんて思い出しちゃいけなかった…!!!
「痛っ!!!」
頭がわれるように痛い
クソッ!!!
『やっぱり皆でパーティーすると楽しいね』
「アーン?俺は二人きりのが良かったけどな」
『じゃぁ来年のイヴは二人で過ごそう?』
「当たり前だろうが。来年もアイツ等に邪魔されてたまるか」
『あはは』
テニス部の連中と亜姫と…
俺の家で過ごしたイヴ…。
『星がキレイだね』
「あぁ…」
『クリスマスに雪が降るのもロマンチックでいいけど、こうやって星が見える方があたしは好き』
「今度もっと星がキレイに見える場所に連れてってやるよ」
『本当?』
「あぁ…」
『約束ね』
「アーン?何だそれ?」
『知らないの?指きりだよ。こうやって小指を重ねて…』
あぁ…そういえば
そんな約束したな…
『ねぇ!!聖歌隊が見たいんだけど!!』
「アーン?」
『教会まで見に行こうよ!!皆も行こう!!』
「あ、おい待て!!亜姫!!!」
ダメだ…
行くな
行ったらダメだ…
行くな!!!!
-------キキーッ!!!
ドンッ!!!
そう…
車のブレーキ音と鈍い音。
一瞬だった。
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