指きり
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放課後、俺は帰宅する前に屋上へ向かっていた。
ナゼだか無償に風に当たりたくなった。
------ガチャ
屋上のドアを開けると室内と外の気温差に一瞬身体が震える。
さすがに寒いな…
俺はポケットに手を入れて柵へと歩いた。
するといきなり…
「あぁーーーっ!!よけてぇ!!!」
と、後ろから声がしたと思うと上履きが降ってきた。
上履きは俺の頭にぶつかると地面に落ちた。
……何だ…?
今、俺様の頭にこの薄汚れた上履きが…。
「ごっめーん!!!」
片足を上げながら両手を合わせた女が立っていた。
-------ドクンッ
何だこれ…?
この動悸は…
何だ?
「いやぁー、まさか人がいるとは思わなくてさぁー。つい“あーした天気になーれ”ってね!!」
女は片足で跳ねながら俺の足元に落ちた上履き目掛けて寄って来た。
この女…
何かが引っかかる。
誰だ?
「ちょっと景吾!!ボーッとしてないで上履きとってよ!!片足で跳ねるの大変なんだから!!!」
「……は?」
コイツ…今、俺のこと
『景吾』
って言ったか…?
「オイ!!テメェ何馴れ馴れしく俺様を名前で呼んでんだ!!?アーン!!?」
思わず不機嫌に拍車がかかる。
何だコイツ!!ふざけやがって!!!
「何よー、減るモンじゃあるまいし。いいじゃないよ」
俺の隣まで来ると首を傾けて見上げる。
------ドクンッ
また心臓が跳ねた。
どうしたんだ俺……。
「上履き」
「アン?」
「とって」
「自分でとれよ」
「履かせて」
「アーン!!?」
そう言いながら女は俺の肩に手を置いて片足を突き出す。
「シンデレラ。知らないの?王子様が花嫁にガラスの靴を履かせるんだよ?」
「上履きがガラスの靴か?それに誰が誰の花嫁だって?」
「あたしが景吾の花嫁でしょ」
「花嫁にした覚えはない」
「約束したのに忘れないでよ」
「アーン!!?」
約束だと!?
そんなもん知るか!!
こうゆう妄想女は俺が一番嫌いなタイプだ!!!
「早く。足が疲れた」
「知るか」
そう言って俺は女を無視して歩こうとしたが腕を強く掴まれた。
「オイ、はなー‥」
「亜姫」
「…アン?」
「亜姫だよ」
「………」
亜姫…?
亜姫…
どこかで聞いた名前だ…。
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