背中合わせ
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自分の心臓がうるさい中、耳を澄まして2人の会話を盗聴する。
あぁ…丸井くんの美声がこんなに近くで聞けるなんて…!!!
携帯の写メを見ながら声を聞き、想像力を掻き立てる。
「それにしてもブン太。これから真田達と会って幸村の見舞いに行くって、ちゃんと分かってるか?そんなに食って…」
「大丈夫だって!!ちゃんと幸村用のケーキも食えっから。俺の腹はブラックホールだぜい」
「や…。俺は苦しくて歩けなくなるなよ…って言いたかったんだが…」
丸井くん達これから幸村くんのお見舞いに行くんだ…。
ってゆーか桑原くんの言う通り食べすぎでしょ!!
凄い…。
「しかも飲み物はLLサイズのコーラだしよ。よく炭酸をそれだけ飲めるよな…(ってか太るぞ)」
コーラ!!?
今私が飲んでいるモノと同じじゃない!!!
幸せ…。
「ブン太!!!何俺のポテトつまんでんだよ!!!そんなにハンバーガーあるくせに!!!」
「いいじゃねーかよ。ケチケチすんな」
「Sサイズなんだぞ!!お前に食われたらあっという間になくなっちまう!!なけなしの金で買ったんだぞ!!」
「仕方ねーなぁ…俺のピクルス1個やるからよ」
「いるかぁ!!!」
食べ物でケンカしだした…。
可愛いんだけど!!!
「はぁー‥あっという間にポテトが空だ…」
「Sサイズなんかにするからだろい」
「お前が食ったからだろ…つーか自分で買って来いよ!!」
「自分で買うポテトより誰かが買ったポテトをつまむ方が美味いんだよな。アレ何でだ?」
「知らねぇよ!!どんな理屈だ!!!」
食べ物の会話で盛り上がってる。
さすが丸井くん。
「はぁー、うるせぇなジャッカルは」
「オイ!!何だその言い草は!!!」
「仕方ねぇ。コレやるから大人しくしてろって」
「あぁ!!?」
コレって何?
気になるー!!!
でも絶対後ろなんて振り向けません!!!
「…ブン太…コレって単にお前がいらないってだけで俺にくれるんだろう…?」
「はぁ!!?」
「だってコレ…抹茶味の飴だろ?」
!!!?
抹茶味の飴!!?
私があげたヤツ!!?
そ、そんな…
丸井くん…
………。
そっか…そりゃ…そうだよね…
いらないよね…
アレをあげたのは2週間も前…。
あれからずっと食べずにいたんだ…。
本当は捨てたかったんだね…。
こんなふうに知っちゃうくらいなら
あの時いらないって言ってほしかった…。
ヤダ…涙出てきそう…。
「おい、ジャッカル!!お前勘違いすんなよ?」
「え?」
…え?
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