凛として、何より美しい花だった。

スッと前を見据える立ち姿も、瞳の中に稲光のように見え隠れする闘志も、全てがオレの心を沸き立たせた。
全部好きだった。

ただ触れたかった。
その香りを胸いっぱいに吸いたかった。

けれど、その花を手折ったのはオレだった。
折るつもりなんて無かった。
オレは彼女と戦うのが本当に楽しかったから。
もっと一緒にバトルをしたかった。
もっと一緒に遊びたかっただけ。
無邪気な子供の純粋な、一方的で残酷な願いが、彼女の夢への志を折った。
折れるなんて、思わなかったんだ。

もう、強いポケモントレーナーを目指すソニアはどこにも居ない。
オレの手で手折った花を、オレが一番惜しんでいる。
みっともなく追い縋りたくなるようなこの気持ちは、終わってしまった恋にも似て、未練がましく燻っている。

そうして子どもが大人になるくらいの時間が過ぎて、やがて折れた茎から新しい花が咲いた。
前と同じ花は二度とは咲かなかった。

けれど、新しく咲いた花は、白衣の裾を花弁のようにひらめかせる彼女は、やはり何よりも美しいから。

嗚呼、麗しのサンダーソニア



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(補足的なもの)
ソニアは恐らくでんきタイプ使いのトレーナーだったことを踏まえて、サンダーソニアって肩書きで通ってたんじゃないかって説が好き。
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