"結婚しような！"


"うん！しようね！"



ふと記憶が蘇る。


もしかして結婚の約束って


あの昔のーーーーーーーーーーー？



「で、でもあれは、私達まだ小さかった時だし・・・」


「・・でも俺は本気だったんだよ・・」



今も



「・・気持ちは変わってないよ・・」


「パスカル・・///」


パスカルはギュッと私の手を握り締めると、そして優しく私の身体を抱き寄せた。パスカルの身体と密着する。胸がドキドキする。私はずっとパスカルの事は幼馴染みとして好きだった。今も変わらず好き。でも、パスカルの本当の気持ちを知って、今までとは違うドキドキをしている。ダメ。ダメ。

ここで私とパスカルが結ばれてしまったら。


あの時のようにはもう。



「で、でもディアスがっ・・・」


「・・・！」


ディアスーーーーーーーーーーー！？



「・・・」
「・・・」


パスカルはその瞬間、顔を俯かせ私の手を離した。そしてふっと顔を横にし、そして小さく呟いた。


「・・やっぱり・・かなは」


「・・パスカル？」


「・・ディアスの方が・・好きなんだよね」


「え？」


ディアスは俺とは違う。


ディアスは俺とはサッカーのレベルは遥かに上で、ディアスがいなかったら俺はあのチームにはいない。100年に一人と呼ばれる天才サッカー選手で、俺は足元にも及ばない。顔もいいし、性格もあの通り積極的だし。ディアスも勿論かなの事が好きだ。俺達の関係が壊れてしまうと思ってずっと気持ちや不安を隠していたけど、今日はついに言ってしまった。


"ディアスとパスカル！あの子はどっちを選ぶんだかなぁ！"


かなが


ディアスを選んでしまったらーーーーーーーーーー・・・・。


やだ


やだ



いくら親友とはいえ



かなだけは取られたくないよーーーーーーーーー・・・。



「パスカル・・・私は・・・」