月光館学園
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深夜、マヨナカテレビ。
「ガビーン!ユキサン、シュウガクリョコーに行っちゃうクマかーー!?」
「……く、くま…離して……」
ぶんぶんと肩を掴まれ、俺は屈んだまま大きく揺らされる。
「厳密には、修学旅行ではないけどね。向こうで少し用事があって」
「用事?リーダー達といないクマ?」
「うん。秘密の用事だから、悠達とは別。泊まる場所も、少し離れたホテルだし」
嘘をついた。
本当はホテルなんて予約してないし、学校にも「向こうの自宅に泊まる」と言っている。
でもそれを言うと、クマはきっと優しいから、こっちに着いてきてしまうだろう。
それは、何か、嫌だった。
「クマが着いてっちゃだめクマ?」
「一人部屋なんだ。狭くて、多分クマは入らないよ」
「そうクマかー……」
落ち込むクマの頭を、撫でる。
クマの気持ちは分かる。1人で、皆と話せなくて、きっと心が寒くて仕方がなくなる事も。
「ごめんね、クマ」
「秘密なら仕方がないクマよ!クマ、ユキサンが困る事はしないクマ!」
行ってらっしゃいクマ!そう手を振る彼に、ありがとうと少しだけ目を細めた。
荷物を準備して、仕事先に断りの連絡をして、少しだけ寝付いて。
堂島さんや菜々子ちゃんに事情を話し数日分のおかずを作って軽い荷物を手に家を出ると、もう昼頃だった。
悠達は既に出ていて、閑散とした駅から電車を乗り継ぐ。
「………見たことある、かも。この景色…」
田舎の景色から徐々に現代的な建物が増えて、少しだけ海も見えて。
すっかり晴れた空がもし、月が異様に大きくて緑がかった夜の空だったら、俺はハッキリと見覚えがあると言えただろう。
でも、自分の知ってる1番大きな塔なんてものはなくて、それがある辺りには代わりに学校のようなものが見えた。
「……あれが、月光館学園」
無理に行かなくてもいいとは、言われている。
でも、行った方が自分にとっていいことは、なんとなく感じている。
「俺って、結構悩むんだな……」
意外だ、と考えればいいんだろうか。それとも、致命的だ、と思えばいいんだろうか。
「……ま、アイツらに迷惑さえかからなければいいか」
行けるだけ、行ってみよう。
こういった小さな問題点は、大きくなる前に整理して片付けるに限る。
終着と乗り換えを告げるアナウンスに、ショルダーバッグを肩に掛け直し息を吐いた。
「ガビーン!ユキサン、シュウガクリョコーに行っちゃうクマかーー!?」
「……く、くま…離して……」
ぶんぶんと肩を掴まれ、俺は屈んだまま大きく揺らされる。
「厳密には、修学旅行ではないけどね。向こうで少し用事があって」
「用事?リーダー達といないクマ?」
「うん。秘密の用事だから、悠達とは別。泊まる場所も、少し離れたホテルだし」
嘘をついた。
本当はホテルなんて予約してないし、学校にも「向こうの自宅に泊まる」と言っている。
でもそれを言うと、クマはきっと優しいから、こっちに着いてきてしまうだろう。
それは、何か、嫌だった。
「クマが着いてっちゃだめクマ?」
「一人部屋なんだ。狭くて、多分クマは入らないよ」
「そうクマかー……」
落ち込むクマの頭を、撫でる。
クマの気持ちは分かる。1人で、皆と話せなくて、きっと心が寒くて仕方がなくなる事も。
「ごめんね、クマ」
「秘密なら仕方がないクマよ!クマ、ユキサンが困る事はしないクマ!」
行ってらっしゃいクマ!そう手を振る彼に、ありがとうと少しだけ目を細めた。
荷物を準備して、仕事先に断りの連絡をして、少しだけ寝付いて。
堂島さんや菜々子ちゃんに事情を話し数日分のおかずを作って軽い荷物を手に家を出ると、もう昼頃だった。
悠達は既に出ていて、閑散とした駅から電車を乗り継ぐ。
「………見たことある、かも。この景色…」
田舎の景色から徐々に現代的な建物が増えて、少しだけ海も見えて。
すっかり晴れた空がもし、月が異様に大きくて緑がかった夜の空だったら、俺はハッキリと見覚えがあると言えただろう。
でも、自分の知ってる1番大きな塔なんてものはなくて、それがある辺りには代わりに学校のようなものが見えた。
「……あれが、月光館学園」
無理に行かなくてもいいとは、言われている。
でも、行った方が自分にとっていいことは、なんとなく感じている。
「俺って、結構悩むんだな……」
意外だ、と考えればいいんだろうか。それとも、致命的だ、と思えばいいんだろうか。
「……ま、アイツらに迷惑さえかからなければいいか」
行けるだけ、行ってみよう。
こういった小さな問題点は、大きくなる前に整理して片付けるに限る。
終着と乗り換えを告げるアナウンスに、ショルダーバッグを肩に掛け直し息を吐いた。