月光館学園
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「修学旅行、楽しんできて」
なんて事ないように開かれたその言葉に、遠くのヒグラシの声が止んだ。
夏休みも明けた休日。俺達はまたジュネスにいつものように集まって、来たる修学旅行に話を弾ませている最中だった。
楽しんできてと言った張本人はいつも通りのシャツにGパン姿で、ジュネスのエプロンがもう馴染み深くなっている。
「え……?」
「ユキさんも、うちの学校の生徒……なんですよね?」
「そうだけど、3年だから、俺」
1、2年の合同だろう?桜木は立ち上がった里中を諌め、座るように目だけで促す。
「あ……そ、そうでしたっけ?」
「うん」
「残念。……でも確かに、ユキさんって同級生のイメージ薄いかも」
恥ずかしそうに座った里中の横で、天城がそう口を開く。
それに頷いたのは全員で、「同じ学年だったらどう話したらいいのか分かんないっス」と巽が言った。
「……まぁ実際、元いた学校で修学旅行は行ったみたいだし。湊に教えてもらったけど」
「あれ、そうなんすか?」
「うん。だから今回はクマと残ってるよ」
「お土産、期待してるクマー!」
ひょっこりと顔を出したクマの頭を撫で、彼はまた、仕事へと戻っていく。
相変わらずの、決まった動き。無駄が無くて、優しくて、強い人。
だからこそ、絶対気のせいだ。そう思った。
その目がほんの少しだけ、翳りを見せたのなんて。
なんて事ないように開かれたその言葉に、遠くのヒグラシの声が止んだ。
夏休みも明けた休日。俺達はまたジュネスにいつものように集まって、来たる修学旅行に話を弾ませている最中だった。
楽しんできてと言った張本人はいつも通りのシャツにGパン姿で、ジュネスのエプロンがもう馴染み深くなっている。
「え……?」
「ユキさんも、うちの学校の生徒……なんですよね?」
「そうだけど、3年だから、俺」
1、2年の合同だろう?桜木は立ち上がった里中を諌め、座るように目だけで促す。
「あ……そ、そうでしたっけ?」
「うん」
「残念。……でも確かに、ユキさんって同級生のイメージ薄いかも」
恥ずかしそうに座った里中の横で、天城がそう口を開く。
それに頷いたのは全員で、「同じ学年だったらどう話したらいいのか分かんないっス」と巽が言った。
「……まぁ実際、元いた学校で修学旅行は行ったみたいだし。湊に教えてもらったけど」
「あれ、そうなんすか?」
「うん。だから今回はクマと残ってるよ」
「お土産、期待してるクマー!」
ひょっこりと顔を出したクマの頭を撫で、彼はまた、仕事へと戻っていく。
相変わらずの、決まった動き。無駄が無くて、優しくて、強い人。
だからこそ、絶対気のせいだ。そう思った。
その目がほんの少しだけ、翳りを見せたのなんて。