おかしなお茶会 後
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌朝。
朝ごはんの準備を早々に終えた俺は、やはり昨日のことが気になってユキさんの家の前にいた。
コンコンとノックするとしばらくして扉が開き、やや顔に赤みのさしたシャツにズボン姿の青年が顔を出す。
「……悠?あ、待って、お茶入れてくるから…けほっ」
「あ、いえ、お茶は大丈夫です」
「……そう?」
けほ、こほ。一昨日の夜よりは少し軽くなった咳を聞きながら、体調はどうですかと尋ねる。すると彼は自分の額に手を当ててから口を開いた。
「久しぶりにずっと寝てたからね。少し治ったとは思う」
「そう、ですか」
上がって。そう言われ、冷房もかけてないのに涼し気な廊下を歩く。
ぺたり、ぺたりと歩いていくと居間があり、そこに2人、向かい合って腰を下ろした。
「それで、何の用?」
「えっと、……昨日のこと、なんですけど」
昨日は色々疲れて、とりあえず問題はなかったとしかメールしていなかったから。
訥々と帽子屋の言っていたことを話すと、ユキさんは頷いて目を細めた。
「…そう。まあ、何となくは分かってた。記憶が消えても、何処かで感覚的に覚えてたのかも」
「……あの、記憶は」
「戦ってた記憶なら、少しは戻ってきたよ」
「……」
「多分、ペルソナ達が持ってた記憶だと思うけどね。お陰でそこまで混乱してないかな」
ありがとう。そう言ってユキさんは、立ち上がりこちら側に座り直す。
そしてとすんと、俺に寄りかかってきた。
「……ユキさん?」
「……少しだけ、そばにいて」
少しだけで、いいから。
その声はとても小さくて、か細くて、弱々しくて。
頷けば、その肩の重みがもう少しだけ増した気がした。
「…ごめん、我が儘言って」
「……いえ…」
眠かった、のかもしれない。
もしくは、ひとりで寂しかったのかもしれない。
「……湊……、」
掠れた声が、夢うつつな声が、誰かの名を呼ぶ。
それが誰かを聞く前に、彼の意識は深く落ちていった。
朝ごはんの準備を早々に終えた俺は、やはり昨日のことが気になってユキさんの家の前にいた。
コンコンとノックするとしばらくして扉が開き、やや顔に赤みのさしたシャツにズボン姿の青年が顔を出す。
「……悠?あ、待って、お茶入れてくるから…けほっ」
「あ、いえ、お茶は大丈夫です」
「……そう?」
けほ、こほ。一昨日の夜よりは少し軽くなった咳を聞きながら、体調はどうですかと尋ねる。すると彼は自分の額に手を当ててから口を開いた。
「久しぶりにずっと寝てたからね。少し治ったとは思う」
「そう、ですか」
上がって。そう言われ、冷房もかけてないのに涼し気な廊下を歩く。
ぺたり、ぺたりと歩いていくと居間があり、そこに2人、向かい合って腰を下ろした。
「それで、何の用?」
「えっと、……昨日のこと、なんですけど」
昨日は色々疲れて、とりあえず問題はなかったとしかメールしていなかったから。
訥々と帽子屋の言っていたことを話すと、ユキさんは頷いて目を細めた。
「…そう。まあ、何となくは分かってた。記憶が消えても、何処かで感覚的に覚えてたのかも」
「……あの、記憶は」
「戦ってた記憶なら、少しは戻ってきたよ」
「……」
「多分、ペルソナ達が持ってた記憶だと思うけどね。お陰でそこまで混乱してないかな」
ありがとう。そう言ってユキさんは、立ち上がりこちら側に座り直す。
そしてとすんと、俺に寄りかかってきた。
「……ユキさん?」
「……少しだけ、そばにいて」
少しだけで、いいから。
その声はとても小さくて、か細くて、弱々しくて。
頷けば、その肩の重みがもう少しだけ増した気がした。
「…ごめん、我が儘言って」
「……いえ…」
眠かった、のかもしれない。
もしくは、ひとりで寂しかったのかもしれない。
「……湊……、」
掠れた声が、夢うつつな声が、誰かの名を呼ぶ。
それが誰かを聞く前に、彼の意識は深く落ちていった。