おかしなお茶会 後
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『欠けて戻らないティーカップ。入ってたのはなーんだ?』
『時計兎が忙しそうに時計を見ていたのはどうして?』
『帽子屋の時計がピタリと止まった、それは何故?』
問う。問う。問う。
帽子屋が問いかける度自分達に襲い掛かったのは、今までに受けた事の無い規模の強大な攻撃だった。
火、氷、風、雷、光、闇。無作為に無慈悲に解き放たれるそれは自分達の弱点を的確に突き、後ろ二つに関しては大量のホムンクルスを持っていて助かったとさえ言えた。
それに、こっちがいくら攻撃を仕掛けてもそれはハッターに当たることはなく、華麗に避けられてしまう。
辛うじて誰も戦闘不能になっていないのは、それをペルソナとしていたユキさんの、狐への配慮のお陰。狐は隠れながら自分達を回復し、ハッターもそれに気付いてか狐には一切攻撃をしてこなかった。
(これが、ユキさんの力……)
そう思ったところで、ぶんぶんと首を振る。
彼は手加減している。その気になれば殺せるだろうに、普段ユキさんとしているような連続技は一切せず、こちらからの攻撃だって避けるだけで反射しない。
おそらくハッターは、「測っている」のだ。
自分達の実力を、どれくらい、信じられるかを。
『自分の命と友人の命、ほんとうに尊いのはどっち?』
『冷たいのと、暑いの、慣れるのが早かったのはどっち?』
ハッターは問い続ける。既にこちらが悲鳴を上げる暇さえなく、ひたすら攻撃に歯を食いしばって耐えている事を知った上で。
初めは笑みを浮かべていたその顔も、こちらに対する絶望からか徐々に翳りを見せ始めていた。
『答えなよ、ねぇ』
彼はポツリと言う。
悲しそうに、悔しそうに。
『おにぃちゃ達は、ユキをたすけてくれないの……?』
その声だけはとても幼く、朦朧とした意識の中で川に石を投げ入れるように響いた。
『時計兎が忙しそうに時計を見ていたのはどうして?』
『帽子屋の時計がピタリと止まった、それは何故?』
問う。問う。問う。
帽子屋が問いかける度自分達に襲い掛かったのは、今までに受けた事の無い規模の強大な攻撃だった。
火、氷、風、雷、光、闇。無作為に無慈悲に解き放たれるそれは自分達の弱点を的確に突き、後ろ二つに関しては大量のホムンクルスを持っていて助かったとさえ言えた。
それに、こっちがいくら攻撃を仕掛けてもそれはハッターに当たることはなく、華麗に避けられてしまう。
辛うじて誰も戦闘不能になっていないのは、それをペルソナとしていたユキさんの、狐への配慮のお陰。狐は隠れながら自分達を回復し、ハッターもそれに気付いてか狐には一切攻撃をしてこなかった。
(これが、ユキさんの力……)
そう思ったところで、ぶんぶんと首を振る。
彼は手加減している。その気になれば殺せるだろうに、普段ユキさんとしているような連続技は一切せず、こちらからの攻撃だって避けるだけで反射しない。
おそらくハッターは、「測っている」のだ。
自分達の実力を、どれくらい、信じられるかを。
『自分の命と友人の命、ほんとうに尊いのはどっち?』
『冷たいのと、暑いの、慣れるのが早かったのはどっち?』
ハッターは問い続ける。既にこちらが悲鳴を上げる暇さえなく、ひたすら攻撃に歯を食いしばって耐えている事を知った上で。
初めは笑みを浮かべていたその顔も、こちらに対する絶望からか徐々に翳りを見せ始めていた。
『答えなよ、ねぇ』
彼はポツリと言う。
悲しそうに、悔しそうに。
『おにぃちゃ達は、ユキをたすけてくれないの……?』
その声だけはとても幼く、朦朧とした意識の中で川に石を投げ入れるように響いた。