おかしなお茶会 前
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大きな円型のテーブルには既に誰かが腰かけていて、久慈川が「その人がシャドウ…みたい」と呟く。
「だけど……やっぱり、解析不可能って出てる。……気を付けてね」
「……ああ」
頷いてその人影を見れば、パッとライトが付いたようにその人物が姿を示した。
兎の耳と白いリボンがついたミニハットに、第二ボタンまで開けられたシャツ、ベストタイプの燕尾服。
首にチェーンでかけられた時計は液晶が割れていて、右手に持っている欠けたティーカップを少しだけ傾けている。
白い髪に金色の目、桜木にとてもよく似たその青年は、此方に気づいて柔らかく笑む。
『おや、やっぱり君たちか』
彼はくるくるとティーカップを指先で回して、そしてふわりとテーブルに着地させた。
『ようこそ、俺の謎だらけのお茶会へ。俺は君達を歓迎するよ!』
「なんか…カッコ可愛い!!」
『え?……あ、ありがと…なんか、本体じゃないとはいえ恥ずかしいね』
キョトンと目を丸くした後照れくさそうにはにかむその表情は、普段から想像つかない分可愛らしくて破壊力があって、しかも少しその頬に朱が入っているのがいじらしい。
思わず全員が、勢いをつけて顔をそむける。
『?皆、どうしたの?』
青年は困ったように笑いながら、不安げにこちらを見る。
―それは、反則だ。ちょっとこのシャドウいいかもとか思っただろ。
「えっと……君はユキさんの影……なのか?」
『んー、確かに、俺はアイツの影、アイツの人格だよ。ただ少しイレギュラーでね、完全な”今の”本人の姿は取れないんだ』
鳴上の問いに彼はそう返し、そしてにっこりと笑って見せた。
『それは何故か。俺の”本当の俺”と”本当の影”は今、何処にいるのか。
俺に勝ったら俺が持っているアイツの情報と、僅かな記憶を教えてあげる』
「え……戦うの?ちょっと待て本気で負ける気しかしないんだけど」
『流石にハンデはつけるよ…こっちは万能攻撃、バステは使わないであげるからさ。
それに、完全に倒そうとはしなくていい。んー……俺が満足するまで死ななければ君らの勝ちって事で』
じゃないと君達、勝てないだろう?と。
青年は苦笑しながらそう言って、バラバラとトランプを周囲に撒き散らした。
『記憶と命、大切なのはどっち?』
―瞬間、鮮烈な炎が、鳴上達を包み込む。
『皆から嫌われるもの、なーんだ?』
今度は、氷。立て続けの強大な攻撃に、鳴上達は呻く。
「っこの……!!」
里中が勢いそのままペルソナを向けると、青年はひょいと跳んで避けた。
「あ、ズル!」
『……攻撃は避けないとは言ってないよ。ただ、見えるから避けてるだけだしね』
ハァと肩を竦めながら彼は攻撃を中断し、そして鳴上達の攻撃を回避だけで受け流す。
『シャドウといい君達といい、遅いんだもん、攻撃。そんなんじゃ、俺にダメージ与えられないんじゃない?』
「それは……とっくに理解してんだ、よ!」
巽が彼に殴りかかれば、青年は『いいや、分かっていないよ』と首を傾げながら屈んで避けた。
『俺に1ダメージも与えられないなら、この先の真実にさえ、君達は気づけないようなものなんだから』
そうつぶやいた声は悲しげで、遠くから童話を読む子供の無邪気な声が聞こえてきた。
「だけど……やっぱり、解析不可能って出てる。……気を付けてね」
「……ああ」
頷いてその人影を見れば、パッとライトが付いたようにその人物が姿を示した。
兎の耳と白いリボンがついたミニハットに、第二ボタンまで開けられたシャツ、ベストタイプの燕尾服。
首にチェーンでかけられた時計は液晶が割れていて、右手に持っている欠けたティーカップを少しだけ傾けている。
白い髪に金色の目、桜木にとてもよく似たその青年は、此方に気づいて柔らかく笑む。
『おや、やっぱり君たちか』
彼はくるくるとティーカップを指先で回して、そしてふわりとテーブルに着地させた。
『ようこそ、俺の謎だらけのお茶会へ。俺は君達を歓迎するよ!』
「なんか…カッコ可愛い!!」
『え?……あ、ありがと…なんか、本体じゃないとはいえ恥ずかしいね』
キョトンと目を丸くした後照れくさそうにはにかむその表情は、普段から想像つかない分可愛らしくて破壊力があって、しかも少しその頬に朱が入っているのがいじらしい。
思わず全員が、勢いをつけて顔をそむける。
『?皆、どうしたの?』
青年は困ったように笑いながら、不安げにこちらを見る。
―それは、反則だ。ちょっとこのシャドウいいかもとか思っただろ。
「えっと……君はユキさんの影……なのか?」
『んー、確かに、俺はアイツの影、アイツの人格だよ。ただ少しイレギュラーでね、完全な”今の”本人の姿は取れないんだ』
鳴上の問いに彼はそう返し、そしてにっこりと笑って見せた。
『それは何故か。俺の”本当の俺”と”本当の影”は今、何処にいるのか。
俺に勝ったら俺が持っているアイツの情報と、僅かな記憶を教えてあげる』
「え……戦うの?ちょっと待て本気で負ける気しかしないんだけど」
『流石にハンデはつけるよ…こっちは万能攻撃、バステは使わないであげるからさ。
それに、完全に倒そうとはしなくていい。んー……俺が満足するまで死ななければ君らの勝ちって事で』
じゃないと君達、勝てないだろう?と。
青年は苦笑しながらそう言って、バラバラとトランプを周囲に撒き散らした。
『記憶と命、大切なのはどっち?』
―瞬間、鮮烈な炎が、鳴上達を包み込む。
『皆から嫌われるもの、なーんだ?』
今度は、氷。立て続けの強大な攻撃に、鳴上達は呻く。
「っこの……!!」
里中が勢いそのままペルソナを向けると、青年はひょいと跳んで避けた。
「あ、ズル!」
『……攻撃は避けないとは言ってないよ。ただ、見えるから避けてるだけだしね』
ハァと肩を竦めながら彼は攻撃を中断し、そして鳴上達の攻撃を回避だけで受け流す。
『シャドウといい君達といい、遅いんだもん、攻撃。そんなんじゃ、俺にダメージ与えられないんじゃない?』
「それは……とっくに理解してんだ、よ!」
巽が彼に殴りかかれば、青年は『いいや、分かっていないよ』と首を傾げながら屈んで避けた。
『俺に1ダメージも与えられないなら、この先の真実にさえ、君達は気づけないようなものなんだから』
そうつぶやいた声は悲しげで、遠くから童話を読む子供の無邪気な声が聞こえてきた。