新たな事件
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―深夜、ベルベッドルーム……
「お待ちしておりました」
イゴールはそう笑い、客人を迎えた。
「こうして私からお呼びするのもずいぶんと久しいですな……
いかがでございましょう……”謎”の解決に徐々に近づいておられますかな……?」
問いかけると、客人は緩く首を横に振る。
「まだ……わからない」
「たしかにかかる霧は濃いですからな……
季節はうつろい……それでも尚お客様はいまだ未来を閉ざされる事なくいらっしゃる……
道はいずれ開けていくことでしょう」
そう言うとイゴールはふと口を止め、「いえ、もしかしたら……」と目を細めた。
「?」
「あのお方が……強く脆きお方が、”あの時”のように貴方がたの道を照らして下さるのかもしれません」
「え……」
客人が聞き返そうとするも、部屋の主はそれ以上何も言うまいと首を振る。
「さて……道のりもやがて佳境に……しかしそれゆえに予想だにせぬことがいくつも待ち構えておりましょう
おもしろくなってまいりますな……フフ」
「……」
「では再びお目にかかりますときまで……ごきげんよう」
客人の目が重くなる。
ゆっくりと閉じられ、そしてその姿が消えるのを見送ると、イゴールはふうと息を吐いた。
「……いえ……きっとあのお方は、お客人の道を真っ直ぐに照らす。
例えそれがどれほど辛く、自分の身を犠牲にする事だとしても」
その声はとても苦しそうで、傍にいたマーガレットは黙って次の言葉を促す。
「しかし……”あの時”と今は違う。あのお方の記憶は閉ざされ、支えは何も無い。
もし、あのお方が今度こそ、ご自身の行く道を見失ってしまったら……」
指先が振るえ、目を細めると、イゴールは指を折って祈るように組んだ。
「どうか……どうかあのお方の道が、困難や苦痛ばかりのものでない事を……」
「お待ちしておりました」
イゴールはそう笑い、客人を迎えた。
「こうして私からお呼びするのもずいぶんと久しいですな……
いかがでございましょう……”謎”の解決に徐々に近づいておられますかな……?」
問いかけると、客人は緩く首を横に振る。
「まだ……わからない」
「たしかにかかる霧は濃いですからな……
季節はうつろい……それでも尚お客様はいまだ未来を閉ざされる事なくいらっしゃる……
道はいずれ開けていくことでしょう」
そう言うとイゴールはふと口を止め、「いえ、もしかしたら……」と目を細めた。
「?」
「あのお方が……強く脆きお方が、”あの時”のように貴方がたの道を照らして下さるのかもしれません」
「え……」
客人が聞き返そうとするも、部屋の主はそれ以上何も言うまいと首を振る。
「さて……道のりもやがて佳境に……しかしそれゆえに予想だにせぬことがいくつも待ち構えておりましょう
おもしろくなってまいりますな……フフ」
「……」
「では再びお目にかかりますときまで……ごきげんよう」
客人の目が重くなる。
ゆっくりと閉じられ、そしてその姿が消えるのを見送ると、イゴールはふうと息を吐いた。
「……いえ……きっとあのお方は、お客人の道を真っ直ぐに照らす。
例えそれがどれほど辛く、自分の身を犠牲にする事だとしても」
その声はとても苦しそうで、傍にいたマーガレットは黙って次の言葉を促す。
「しかし……”あの時”と今は違う。あのお方の記憶は閉ざされ、支えは何も無い。
もし、あのお方が今度こそ、ご自身の行く道を見失ってしまったら……」
指先が振るえ、目を細めると、イゴールは指を折って祈るように組んだ。
「どうか……どうかあのお方の道が、困難や苦痛ばかりのものでない事を……」