新たな事件
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「助けてくれて、ありがとね!」
りせは、自分がマヨナカテレビに連れて行かれた経緯がおぼろげな事を語ってそう締めくくった。
その一番の功労者であるユキさんはキツネを抱きその頭を撫でながら、「久慈川さんは自分自身の力であそこから抜け出したんだよ」と目を細める。
「俺は少し手助けをしただけ。久慈川さんが受け入れなければ、そもそも根本的な解決はできなかっただろうし」
「……」
「…どうしたの、久慈川さん?」
りせが何か言いたげなのに気付き、ユキさんは首を傾げる。
すると彼女はずいっと彼の目の前に近づき、にっこりと笑った。
「ユキさん!アタシの事、りせって呼んでください!」
「…何で?」
「久慈川さん、ってなんか堅苦っしいカンジするじゃないですか!アタシ、りせって呼ばれたいです!」
その言葉にユキさんは目を瞬かせ、そしてまたキツネを撫でながら口を開く。
「じゃあ……りせさん」
「りーせー!」
「…りせ。これでいい?」
「はい!」
呼び捨て、慣れないんだけど。
彼はそうひとりごち、目をすっと細めた。
そこに千枝、クマ、完二らがドッと押し寄せ、自分もとねだり出す。
「あ、ずるーい!ユキさん、私達も!」
「クマもー!!」
「お、俺も……」
「え………わかったよ、えっと……悠、千枝、雪子、陽平、完二、クマ」
ひとりひとりを見ながらユキさんは口ずさむように名前を呼び、そして「そういえば」と顔を戻した。
「そろそろ、定期試験の時期だろ?校長先生が、いつも通りやるからって」
途端、彼等の顔が一気に曇る。
「げっ……」
「一番忘れておきたかったのに……」
「てか、何でユキさんが知ってるんですか……?」
「学校の生徒だから」
「へー…………はい!?」
「生徒だから。まあ、事情を汲んでもらってるし、職員室か校長室にしか行ってないけどね」
言ってなかったっけ。彼は俺に向かってそう訊ね、俺は首を縦に下ろした。
「初耳です。何時から生徒に?」
「一番最初に悠が弁当を忘れた時に声かけられてね」
それから、まあ色々あって。堂島さんにはこの前伝えたし、学費とかで迷惑はかけないから。
ユキさんは目を細め、キツネを撫でる。
「えっと……それじゃあ、ユキさんはユキ先輩ってこと?」
「どっちでもいいよ。学校で会うことなんて、滅多にないだろうけど」
千枝の問いかけに肩を竦めると「ひとまず勉強くらい、ちゃんとしなよ」と頭を軽く叩いた。
「じゃあ、俺行くから。何かあったら連絡して」
「はい」
「ユキサン、バイバイだクマー!」
クマが後ろ姿に手を振り、そしてユキさんはそれに応えるように、小さく手をひらと振り返した。
りせは、自分がマヨナカテレビに連れて行かれた経緯がおぼろげな事を語ってそう締めくくった。
その一番の功労者であるユキさんはキツネを抱きその頭を撫でながら、「久慈川さんは自分自身の力であそこから抜け出したんだよ」と目を細める。
「俺は少し手助けをしただけ。久慈川さんが受け入れなければ、そもそも根本的な解決はできなかっただろうし」
「……」
「…どうしたの、久慈川さん?」
りせが何か言いたげなのに気付き、ユキさんは首を傾げる。
すると彼女はずいっと彼の目の前に近づき、にっこりと笑った。
「ユキさん!アタシの事、りせって呼んでください!」
「…何で?」
「久慈川さん、ってなんか堅苦っしいカンジするじゃないですか!アタシ、りせって呼ばれたいです!」
その言葉にユキさんは目を瞬かせ、そしてまたキツネを撫でながら口を開く。
「じゃあ……りせさん」
「りーせー!」
「…りせ。これでいい?」
「はい!」
呼び捨て、慣れないんだけど。
彼はそうひとりごち、目をすっと細めた。
そこに千枝、クマ、完二らがドッと押し寄せ、自分もとねだり出す。
「あ、ずるーい!ユキさん、私達も!」
「クマもー!!」
「お、俺も……」
「え………わかったよ、えっと……悠、千枝、雪子、陽平、完二、クマ」
ひとりひとりを見ながらユキさんは口ずさむように名前を呼び、そして「そういえば」と顔を戻した。
「そろそろ、定期試験の時期だろ?校長先生が、いつも通りやるからって」
途端、彼等の顔が一気に曇る。
「げっ……」
「一番忘れておきたかったのに……」
「てか、何でユキさんが知ってるんですか……?」
「学校の生徒だから」
「へー…………はい!?」
「生徒だから。まあ、事情を汲んでもらってるし、職員室か校長室にしか行ってないけどね」
言ってなかったっけ。彼は俺に向かってそう訊ね、俺は首を縦に下ろした。
「初耳です。何時から生徒に?」
「一番最初に悠が弁当を忘れた時に声かけられてね」
それから、まあ色々あって。堂島さんにはこの前伝えたし、学費とかで迷惑はかけないから。
ユキさんは目を細め、キツネを撫でる。
「えっと……それじゃあ、ユキさんはユキ先輩ってこと?」
「どっちでもいいよ。学校で会うことなんて、滅多にないだろうけど」
千枝の問いかけに肩を竦めると「ひとまず勉強くらい、ちゃんとしなよ」と頭を軽く叩いた。
「じゃあ、俺行くから。何かあったら連絡して」
「はい」
「ユキサン、バイバイだクマー!」
クマが後ろ姿に手を振り、そしてユキさんはそれに応えるように、小さく手をひらと振り返した。