真実と供養
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「やはり、あなただったんですね」
帰り道。
花村君達と別れた後にそう声をかけてきたのは、黒髪の小柄な人物だった。
帽子を被っているから顔は分からず、「何が?」とだけ返す。
「花を供えていた人物です。これだけこまめに、それに決まった時間に替えられた跡があるので気になって」
「へえ……それで、何か用?」
俺がそう尋ねると、その人は「いいえ、特には」と肩を竦めた。
「ただ、どうして供えているのか、個人的に興味がありまして」
「……死んだ人を供養したいと思った、それだけ」
「…そうですか」
彼―いや、おそらく彼女―は帽子を外し、「申し遅れました」と頭を下げる。
「僕の名前は白鐘直斗。探偵をしています」
「…白鐘君、っていうの?さんじゃなくて?」
首を傾げれば彼女は驚いた顔をして、何故、と小さく呟いた。
「え、……勘、かな。でも別に、どっちでも探偵ってだけで凄いけどね」
「は、はあ……それで、貴方の名前は?」
「桜木ユキ。好きに呼んでいいよ、白鐘さん」
「…わかりました、桜木さん」
白鐘さんは諦めたように笑うと、「それでは、僕はこれで」と通り過ぎる。
そしてふと立ち止まり、「そういえば、最近起こる事件ですけど」とこちらを振り向かず口を開いた。
「被害者の第一発見者、全て同一人物のようですね。確か……貴方みたいな白髪の青年と伺っていますが」
(……カマでもかけに来たのか)
多分、これが本題だったのだろう。
別段隠す気もないから、いいのだけれど。
「貴方ですか?」
「そうだよ」
「……隠さないんですね?」
「警察にはバレてるし、事情聴取も受けてるからね。
これ以上何を隠すのかって感じだ」
「…まあ、それもそうですか」
「疑いたいなら疑っていいよ。
俺、自分が犯人じゃないって確固たる証拠も持ってないし」
記憶ないんだ。そう告げて、俺は歩みを進める。
「捜査頑張って、カッコいい探偵さん」
呟けば、彼女は「ええ」と返して去っていった。
帰り道。
花村君達と別れた後にそう声をかけてきたのは、黒髪の小柄な人物だった。
帽子を被っているから顔は分からず、「何が?」とだけ返す。
「花を供えていた人物です。これだけこまめに、それに決まった時間に替えられた跡があるので気になって」
「へえ……それで、何か用?」
俺がそう尋ねると、その人は「いいえ、特には」と肩を竦めた。
「ただ、どうして供えているのか、個人的に興味がありまして」
「……死んだ人を供養したいと思った、それだけ」
「…そうですか」
彼―いや、おそらく彼女―は帽子を外し、「申し遅れました」と頭を下げる。
「僕の名前は白鐘直斗。探偵をしています」
「…白鐘君、っていうの?さんじゃなくて?」
首を傾げれば彼女は驚いた顔をして、何故、と小さく呟いた。
「え、……勘、かな。でも別に、どっちでも探偵ってだけで凄いけどね」
「は、はあ……それで、貴方の名前は?」
「桜木ユキ。好きに呼んでいいよ、白鐘さん」
「…わかりました、桜木さん」
白鐘さんは諦めたように笑うと、「それでは、僕はこれで」と通り過ぎる。
そしてふと立ち止まり、「そういえば、最近起こる事件ですけど」とこちらを振り向かず口を開いた。
「被害者の第一発見者、全て同一人物のようですね。確か……貴方みたいな白髪の青年と伺っていますが」
(……カマでもかけに来たのか)
多分、これが本題だったのだろう。
別段隠す気もないから、いいのだけれど。
「貴方ですか?」
「そうだよ」
「……隠さないんですね?」
「警察にはバレてるし、事情聴取も受けてるからね。
これ以上何を隠すのかって感じだ」
「…まあ、それもそうですか」
「疑いたいなら疑っていいよ。
俺、自分が犯人じゃないって確固たる証拠も持ってないし」
記憶ないんだ。そう告げて、俺は歩みを進める。
「捜査頑張って、カッコいい探偵さん」
呟けば、彼女は「ええ」と返して去っていった。