順応力というもの
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一時間後。
パチリと目を覚ましたユキはそれ以上自分に眠気が訪れない事を確認し、布団を被らず寝てしまっている悠に布団をかけた。
そして階段を下りると、昨日より静かな居間につく。
時計を見ると、まだ12時。テレビは変に色付いているものの、それ自体に違和感は感じない。
(……外、今のうちに散策するか)
既に乾いた、綺麗に折りたたまれた自分の服を着て、荷物の中から青色のカラコンを取り出し、それをつける。
靴は持っていなかったようなので、長いこと放置されていたらしいサンダルを足にかけた。
そして音を立てないように静かに外を出ると、サアサアと小雨が降っていた。
まだ外は暗く、少し身体が寒気もしないのに震えた。念のため持ってきていた錠剤を飲み込むと、少しだけ収まりホッと息を吐く。
「……ここが商店街で、こっちへ行くと学校、で、少し離れたところにスーパー……」
河川敷や、殆どの店が看板を下ろしてしまった商店街を歩き、自分が倒れた神社を通る。
(…うん。此処で過ごした記憶はない)
看板や景色を見、そしてそう結論がついた。
行きすがりに小さな空家とバイトの募集をしている掲示板があったから、午前中にはそこにいけばいいだろう。
もし計算通りに進んだらというのも考えて、挨拶代わりの何かを作っておいた方がいいかもしれない。
(…………?)
不自然な影を見つけ、ゆっくりと顔を上げる。
「……ああ、死体だ」
古びた家のアンテナに、吊り下がっている女性の死体。
その姿はタロットカードの”刑死者”のようで、ユキはどうしようかと首を傾げる。
「…冥福を、祈るだけにしよう」
この土地の情報が少ない今、下手に動くと怪しまれる。
彼は両手を合わせて祈り、そして来た道に踵を返した。
パチリと目を覚ましたユキはそれ以上自分に眠気が訪れない事を確認し、布団を被らず寝てしまっている悠に布団をかけた。
そして階段を下りると、昨日より静かな居間につく。
時計を見ると、まだ12時。テレビは変に色付いているものの、それ自体に違和感は感じない。
(……外、今のうちに散策するか)
既に乾いた、綺麗に折りたたまれた自分の服を着て、荷物の中から青色のカラコンを取り出し、それをつける。
靴は持っていなかったようなので、長いこと放置されていたらしいサンダルを足にかけた。
そして音を立てないように静かに外を出ると、サアサアと小雨が降っていた。
まだ外は暗く、少し身体が寒気もしないのに震えた。念のため持ってきていた錠剤を飲み込むと、少しだけ収まりホッと息を吐く。
「……ここが商店街で、こっちへ行くと学校、で、少し離れたところにスーパー……」
河川敷や、殆どの店が看板を下ろしてしまった商店街を歩き、自分が倒れた神社を通る。
(…うん。此処で過ごした記憶はない)
看板や景色を見、そしてそう結論がついた。
行きすがりに小さな空家とバイトの募集をしている掲示板があったから、午前中にはそこにいけばいいだろう。
もし計算通りに進んだらというのも考えて、挨拶代わりの何かを作っておいた方がいいかもしれない。
(…………?)
不自然な影を見つけ、ゆっくりと顔を上げる。
「……ああ、死体だ」
古びた家のアンテナに、吊り下がっている女性の死体。
その姿はタロットカードの”刑死者”のようで、ユキはどうしようかと首を傾げる。
「…冥福を、祈るだけにしよう」
この土地の情報が少ない今、下手に動くと怪しまれる。
彼は両手を合わせて祈り、そして来た道に踵を返した。