助けたいと思うもの
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『人がいなくなった?』
鳴上の携帯電話の向こうから、騒音に紛れてそんな声が聞こえてくる。
スピーカーモードにしてる為それが花村や里中にも聞こえ、鳴上は頷いた。
「はい、クラスの天城雪子っていう女子生徒が」
「……てか、ユキさん今どこにいるんすか?」
『どこって……ジュネスだけど?今バイト中だし。
それより、その女子生徒についての情報、分かってるだけ全部教えて』
今丁度、ピークが終わったから。
その声に口火を切ったのが里中だ。彼女は稲羽署を出た外で良かったと思えるくらいに大きな声で捲し立てる。
「雪子はアタシの大事な友達で、でも一昨日のマヨナカテレビに映ってて、この前山野アナに関するインタビューでセクハラっぽい発言されてて、昨日は団体さんが入ったから休んでたんだけど、今日聞いたらいなくなってて、警察行ったら犯人だから消えたんじゃないかって……!!」
「里中、それじゃユキさんわかんねえって……」
花村が苦笑すると、少し経って桜木から『確認するけど』と声がかかった。
『その、今話したのは里中さんって人でいいんだよね?
前鳴上君達とマヨナカテレビに迷い込んでた女の子で合ってる?』
「はい、そうです」
『で、里中さんの友人の天城さんが、自殺した山野アナが泊まっていた天城屋旅館の子で、それ関連でテレビでインタビューされてた。真夜中テレビに映ったのは一昨日からで、昨日は忙しかったから会えなかっただけ。最後の犯人説は警察から出ただけで、確証は薄い。間違いはある?』
「い、いえ、合ってます……つか、天城屋旅館ってよく分かったっすね……?」
『山野アナの事件に関する新聞欄に載っていたから、それくらい容易だ。
じゃあ、ちょっと待ってて。クマ君に誰かテレビに入ってるか聞いてくるから』
『今日はこれで上がります』という声と暫くの騒音が混じり、三人は顔を見合わせる。
「……誰かさ、雪子がテレビの中入ってるかもって言った?」
「……言ってねーけど……俺らが掛けて来る話題、それ以外ねえからじゃね?」
鳴上だけならまだしも、俺らまで話に入ってたし。
花村がそう肩を竦めれば、『クマ君、新しい気配は感じてるって』と唐突に声が戻って来た。
「ほ、本当ですか!?」
『それが天城さんなのかは、俺もクマ君も分からないけど。
一応探っておいてほしいとは言っておいたし、俺も夜行ってみる事にするから』
「なら、今からアタシ達だけでも……!」
『それは無謀だと言ってもいいかな?』
サラリ。
桜木の言葉に、里中は「何でですか!?」と声を荒げる。
『……里中さんだけじゃなくて、花村君も、鳴上君も、まだマヨナカテレビに慣れてない。
そんな人が無闇にあの広い場所を探してご覧よ。どちらにしろきっと、今日は収穫無しでただ疲れて終わっちゃうと思う』
「でも……!」
『戦うのは花村君達だ、君じゃない。
もっとも、君がシャドウと戦う力を持っているか、天城さんとは無関係な俺が勝手に助けていいなら別だけど』
「……それ、は……」
『嫌でしょ?君達だって、犯人を捜したいと思ってるんだから』
ハアとため息が聞こえ、『念のため、言っておくけど』と桜木の声が響く。
『今日雨だけど、明日からしばらく晴れ続きだろ?
それなら、マヨナカテレビの霧は晴れない。天城さんもその間に助ければいい。
分かる?』
「え、と……向こうの霧が晴れたら、シャドウっていうのが、暴れて……」
『そう。危ないのは、こっちで雨が降る時。
でも、今日は何も事件は起こらなかった』
「……じゃあ、雪子はその間に助けられる……?」
『多分ね。推測の域を出なくて申し訳ないけど、君達の探索は出来たら明日以降からやってほしい。
今日は雨だから、シャドウも多いし。全員を守りきれると断言できるほど、俺も強いわけではないから』
「…………」
里中は、彼の言葉になんとか落ち着いたようだった。
小さく「はい」と言うと、携帯を鳴上に戻す。
『鳴上君達は、今夜も真夜中テレビを確認する事と、体力を温存しておく事。
あと、明日行くとしても学校にはちゃんと行ってから、放課後来る事。いい?』
「はい」
「りょーかいっす!」
「……はい」
『異変があったらまた連絡して。あと、……本当にサボるなよ。俺、午前中はバイト入ってて助けられないからな?』
桜木はそう念押しして、携帯を切った。
鳴上と花村は顔を見合わせてから、ジッと里中を見る。
「うっ……な、なによー……」
「いや、こん中で一番サボってでも助けに行きそーだからさあ……」
「……俺達も、ちゃんと里中を守れるかは……」
「わ、分かってるって!何があっても学校には来るし!ちゃんと授業も受けるから!」
里中はぶんぶんと手を振って、「そ、そういえばさ!武器ほしくない!?」と話題を変えた。
「だいだらってトコで、なんか武器らしいの売ってるんだって!これから行ってみよ!」
「…それはいい案だな」
「ま、ジュネス行って確認する手間も省けたし、行ってみますかー」
花村の賛同もあって、三人はだいだらという金属細工屋に行く事にした。
鳴上の携帯電話の向こうから、騒音に紛れてそんな声が聞こえてくる。
スピーカーモードにしてる為それが花村や里中にも聞こえ、鳴上は頷いた。
「はい、クラスの天城雪子っていう女子生徒が」
「……てか、ユキさん今どこにいるんすか?」
『どこって……ジュネスだけど?今バイト中だし。
それより、その女子生徒についての情報、分かってるだけ全部教えて』
今丁度、ピークが終わったから。
その声に口火を切ったのが里中だ。彼女は稲羽署を出た外で良かったと思えるくらいに大きな声で捲し立てる。
「雪子はアタシの大事な友達で、でも一昨日のマヨナカテレビに映ってて、この前山野アナに関するインタビューでセクハラっぽい発言されてて、昨日は団体さんが入ったから休んでたんだけど、今日聞いたらいなくなってて、警察行ったら犯人だから消えたんじゃないかって……!!」
「里中、それじゃユキさんわかんねえって……」
花村が苦笑すると、少し経って桜木から『確認するけど』と声がかかった。
『その、今話したのは里中さんって人でいいんだよね?
前鳴上君達とマヨナカテレビに迷い込んでた女の子で合ってる?』
「はい、そうです」
『で、里中さんの友人の天城さんが、自殺した山野アナが泊まっていた天城屋旅館の子で、それ関連でテレビでインタビューされてた。真夜中テレビに映ったのは一昨日からで、昨日は忙しかったから会えなかっただけ。最後の犯人説は警察から出ただけで、確証は薄い。間違いはある?』
「い、いえ、合ってます……つか、天城屋旅館ってよく分かったっすね……?」
『山野アナの事件に関する新聞欄に載っていたから、それくらい容易だ。
じゃあ、ちょっと待ってて。クマ君に誰かテレビに入ってるか聞いてくるから』
『今日はこれで上がります』という声と暫くの騒音が混じり、三人は顔を見合わせる。
「……誰かさ、雪子がテレビの中入ってるかもって言った?」
「……言ってねーけど……俺らが掛けて来る話題、それ以外ねえからじゃね?」
鳴上だけならまだしも、俺らまで話に入ってたし。
花村がそう肩を竦めれば、『クマ君、新しい気配は感じてるって』と唐突に声が戻って来た。
「ほ、本当ですか!?」
『それが天城さんなのかは、俺もクマ君も分からないけど。
一応探っておいてほしいとは言っておいたし、俺も夜行ってみる事にするから』
「なら、今からアタシ達だけでも……!」
『それは無謀だと言ってもいいかな?』
サラリ。
桜木の言葉に、里中は「何でですか!?」と声を荒げる。
『……里中さんだけじゃなくて、花村君も、鳴上君も、まだマヨナカテレビに慣れてない。
そんな人が無闇にあの広い場所を探してご覧よ。どちらにしろきっと、今日は収穫無しでただ疲れて終わっちゃうと思う』
「でも……!」
『戦うのは花村君達だ、君じゃない。
もっとも、君がシャドウと戦う力を持っているか、天城さんとは無関係な俺が勝手に助けていいなら別だけど』
「……それ、は……」
『嫌でしょ?君達だって、犯人を捜したいと思ってるんだから』
ハアとため息が聞こえ、『念のため、言っておくけど』と桜木の声が響く。
『今日雨だけど、明日からしばらく晴れ続きだろ?
それなら、マヨナカテレビの霧は晴れない。天城さんもその間に助ければいい。
分かる?』
「え、と……向こうの霧が晴れたら、シャドウっていうのが、暴れて……」
『そう。危ないのは、こっちで雨が降る時。
でも、今日は何も事件は起こらなかった』
「……じゃあ、雪子はその間に助けられる……?」
『多分ね。推測の域を出なくて申し訳ないけど、君達の探索は出来たら明日以降からやってほしい。
今日は雨だから、シャドウも多いし。全員を守りきれると断言できるほど、俺も強いわけではないから』
「…………」
里中は、彼の言葉になんとか落ち着いたようだった。
小さく「はい」と言うと、携帯を鳴上に戻す。
『鳴上君達は、今夜も真夜中テレビを確認する事と、体力を温存しておく事。
あと、明日行くとしても学校にはちゃんと行ってから、放課後来る事。いい?』
「はい」
「りょーかいっす!」
「……はい」
『異変があったらまた連絡して。あと、……本当にサボるなよ。俺、午前中はバイト入ってて助けられないからな?』
桜木はそう念押しして、携帯を切った。
鳴上と花村は顔を見合わせてから、ジッと里中を見る。
「うっ……な、なによー……」
「いや、こん中で一番サボってでも助けに行きそーだからさあ……」
「……俺達も、ちゃんと里中を守れるかは……」
「わ、分かってるって!何があっても学校には来るし!ちゃんと授業も受けるから!」
里中はぶんぶんと手を振って、「そ、そういえばさ!武器ほしくない!?」と話題を変えた。
「だいだらってトコで、なんか武器らしいの売ってるんだって!これから行ってみよ!」
「…それはいい案だな」
「ま、ジュネス行って確認する手間も省けたし、行ってみますかー」
花村の賛同もあって、三人はだいだらという金属細工屋に行く事にした。