助けたいと思うもの
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「重要参考人、ねぇ……」
足立は乾いた音を立てる紙を煽りながら、ハアとため息をついた。
―二度にわたる、第一発見者。
表沙汰にはされていないが、一番の発見者はどちらも、同じ青年だったのだ。
「でもボク、彼が犯人だとは思えないなあ……だって彼、あんなふうに死体を扱う子じゃないし」
「そりゃ、俺だってそう言ったさ……でもお偉いさんが、話だけでも聞きたいんだとよ」
堂島はタバコを灰皿に入れて、頭をかく。
ユキは恐らく、菜々子たちの朝食を作ってからこっちに来るだろう。
『バイト休みたくないから、二時間で終わるならいいよ』
警察に呼ばれたとあっても平然とそう返してきた彼を思い出し、また苦笑した。
「ま、アイツなら大丈夫だろ。……それより、その書類さっさと終わらせろ」
「へ?これ、午前中までですよ?なんで…
…あー、分かりました分かりました。さっさと終わらせてユキ君の取調べ、いけるようにすればいいんですよねー?」
足立は肩を竦めながら、書類の空欄を埋めにかかる。
「わかりゃいいんだよ」と堂島は笑って、灰色の空を見上げていた。