自分の影
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「……イザナギ!!」
鳴上は手のひらのカードを握りつぶし、”ペルソナ”の名を叫ぶ。
桜木はほんの少しだけ目を見開いて、「簡単な援護だけ、お願い」と肩を叩いた。
「はい!」
「ええと……そこの人、名前は?」
「え……は、花村陽介っす……」
「花村君。君は、今のこのシャドウが言っていた感情が君の中になかったって断言できる?」
剣で攻撃を避けながら、桜木は問う。
花村は言葉に詰まり、「え、と……」と顔をうつむかせた。
「じゃあ質問を変える。今言ってた感情って、強いと思う?弱いと思う?」
「そ、そりゃあ、弱いでしょ……」
「うん。弱いね。周りが変わってほしいって、自分から動こうとしてないもの」
ズキリ。
その言葉は、花村の心を的確に抉った。
「で、どうしたい?」
「……え?」
「強くなりたい?自分から動けるようになりたい?
……なりたくないなら否定して。手加減するの、結構大変なんだから」
桜木はため息をつきながら、ずっと攻撃をかわすか打ち消すだけにとどめている。
花村はそれを見て、「俺、は……」と口を開いた。
「花村君。アイツは、誰?」
「……お前は、俺だ……」
その瞬間、シャドウは少しだけ怯み、花村の手のひらには鳴上と同じようなカードが形成された。
それとほぼ同タイミングで桜木はシャドウの懐に潜り込み、そしてカードを作り包み込む。
「お疲れ様。
……ハッター、お茶会の時間だよ。『メギドラオン』、いっちゃえ」
ドゴオッ!!!
「!?」
あたり一面が煙に包まれ、鳴上と花村は思わず目を閉じた。
しばらく経って恐る恐る目を開けると、クマや彼等を粉塵から庇うように桜木が双剣を盾に変化させて立っている姿があった。
「はあ……やっぱり、人に当たらないようにするのは難しいな」
彼はそう呟くと、双剣を元に戻し鞘に入れる。
「じゃ、俺こっちだから」
「え……」
「あ、あと、それ発動させた後すごく疲れるらしいから、さっさと戻ったほうがいいよ」
スタスタとさっきとは別の方向に去っていく桜木を、2人とクマはぽかんとしながら見送る。
そして暫くして、「すっかり忘れてたクマ!」とクマが大きな声を出した。
「な、なんだよ、クマ!」
「ヨースケのシャドウ、さっき”見殺しにした”って言ってたクマね!あれ、違うクマよ!」
「……はあ?って、ああ、さっきの……」
「クマ、ユキサンの様子が気になってこっそり後をつけたクマ!
ユキサンがココに着いた頃には……もう、そのヒト、助けられない状況だったクマよ……」
クマは声を落ち込ませて、そしてシャドウについて付け足した。
「今みたいに、完全に離れてる状態ならまだ助けられるクマ。
でも、もしヨースケがずっと否定し続けてたら……ヨースケはユキサンが言ってた通り、ココで消滅するんだクマ」
「……じゃあ、小西先輩も……」
「多分、ユキサンが来るまでずっと否定してたんだクマ……それで、もう助けられないギリギリの状況だったクマね……」
およよ……と泣くように手で目を押さえれば、花村はバッと立ち上がる。
「……なあ、俺ちょっと用事できたから」
「ああ」
鳴上もすぐに察したようで、コクリと頷いた。
「行って来い」
「……おう!じゃあまた、学校でな!」
花村は走って、ジュネスへ繋がるテレビへと戻っていった。
鳴上は手のひらのカードを握りつぶし、”ペルソナ”の名を叫ぶ。
桜木はほんの少しだけ目を見開いて、「簡単な援護だけ、お願い」と肩を叩いた。
「はい!」
「ええと……そこの人、名前は?」
「え……は、花村陽介っす……」
「花村君。君は、今のこのシャドウが言っていた感情が君の中になかったって断言できる?」
剣で攻撃を避けながら、桜木は問う。
花村は言葉に詰まり、「え、と……」と顔をうつむかせた。
「じゃあ質問を変える。今言ってた感情って、強いと思う?弱いと思う?」
「そ、そりゃあ、弱いでしょ……」
「うん。弱いね。周りが変わってほしいって、自分から動こうとしてないもの」
ズキリ。
その言葉は、花村の心を的確に抉った。
「で、どうしたい?」
「……え?」
「強くなりたい?自分から動けるようになりたい?
……なりたくないなら否定して。手加減するの、結構大変なんだから」
桜木はため息をつきながら、ずっと攻撃をかわすか打ち消すだけにとどめている。
花村はそれを見て、「俺、は……」と口を開いた。
「花村君。アイツは、誰?」
「……お前は、俺だ……」
その瞬間、シャドウは少しだけ怯み、花村の手のひらには鳴上と同じようなカードが形成された。
それとほぼ同タイミングで桜木はシャドウの懐に潜り込み、そしてカードを作り包み込む。
「お疲れ様。
……ハッター、お茶会の時間だよ。『メギドラオン』、いっちゃえ」
ドゴオッ!!!
「!?」
あたり一面が煙に包まれ、鳴上と花村は思わず目を閉じた。
しばらく経って恐る恐る目を開けると、クマや彼等を粉塵から庇うように桜木が双剣を盾に変化させて立っている姿があった。
「はあ……やっぱり、人に当たらないようにするのは難しいな」
彼はそう呟くと、双剣を元に戻し鞘に入れる。
「じゃ、俺こっちだから」
「え……」
「あ、あと、それ発動させた後すごく疲れるらしいから、さっさと戻ったほうがいいよ」
スタスタとさっきとは別の方向に去っていく桜木を、2人とクマはぽかんとしながら見送る。
そして暫くして、「すっかり忘れてたクマ!」とクマが大きな声を出した。
「な、なんだよ、クマ!」
「ヨースケのシャドウ、さっき”見殺しにした”って言ってたクマね!あれ、違うクマよ!」
「……はあ?って、ああ、さっきの……」
「クマ、ユキサンの様子が気になってこっそり後をつけたクマ!
ユキサンがココに着いた頃には……もう、そのヒト、助けられない状況だったクマよ……」
クマは声を落ち込ませて、そしてシャドウについて付け足した。
「今みたいに、完全に離れてる状態ならまだ助けられるクマ。
でも、もしヨースケがずっと否定し続けてたら……ヨースケはユキサンが言ってた通り、ココで消滅するんだクマ」
「……じゃあ、小西先輩も……」
「多分、ユキサンが来るまでずっと否定してたんだクマ……それで、もう助けられないギリギリの状況だったクマね……」
およよ……と泣くように手で目を押さえれば、花村はバッと立ち上がる。
「……なあ、俺ちょっと用事できたから」
「ああ」
鳴上もすぐに察したようで、コクリと頷いた。
「行って来い」
「……おう!じゃあまた、学校でな!」
花村は走って、ジュネスへ繋がるテレビへと戻っていった。