自分の影
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白く、どこまでも真っ白な空間。
大きな扉の前で2人、地面に座って遊んでいる。
一人は五歳ほどの姿をした白い髪の少年で、なにやら熱心に折り紙を折っていた。
もう一人の、17歳ほどの少年はそれを眺めながら、青い瞳を細める。
「~~~♪」
「……ユキ君、楽しい?」
「うん!ほら、つるさんが折れた!」
ユキと呼ばれた少年は頷き、青年のほうに折り紙を見せた。
すると青年は「すごいすごい!」と手を叩いて褒める。
そしてまた折り紙を折り始める少年を見、ボソリと訊ねた。
「………ねえ、どうして、ユキ君がいなくなった後湊君達のところへ行ったの?」
「んん……あのね、黒うさぎさんにたのまれたの」
「?」
「いつかひつような時がくるから、きおくの一部をもったぬいぐるみをわたしておいてって。
ユキはね、自分のきおくを、ものにやどすことができるから。
でも、ちょっとこんらん?しちゃって、さいしょきおくとどうかしちゃったけど」
ユキがそう言うと、青年は目を丸くし、そして細めた。
「……そうだね、君は、”彼”の記憶そのものだもんね」
―桜木ユキの、”いのちのこたえ”。
その”記憶”を宿した媒体こそ目の前にいる少年であり、青年―ニュクスを守っている番人でもあった。
「皆といられなくて、寂しい?」
「ううん。りょーじおにいちゃがいるから、さびしくないよ!」
彼はふるふると首を振り、「でもね、」と繋げる。
「……でもね、黒うさぎさんも、ユキじしんも、そろそろつかれてきちゃったと思うんだ。
だからね、今ユキがいるとこが、ユキたちをたすけてくれたらいいなあって」
「……そっか」
「ユキは、きおくしかもってないし、かわりの子こないと、ここからかんぜんに出るのはむりだけど……でも、もしきかいがあったら、おねがいしに行くんだ。ユキをたすけてくださいって」
彼の記憶は、そう言って笑顔を向けた。
「ユキに、もう苦しまなくていいんだよって、言ってあげたい!」
「そうだね。……きっと言えるよ!だって、また湊君みたいな能力の子がいるんだし!」
綾時がそう言うと、彼は「そだよね!」とまた頷き、大きな大きな扉を見上げていた。
大きな扉の前で2人、地面に座って遊んでいる。
一人は五歳ほどの姿をした白い髪の少年で、なにやら熱心に折り紙を折っていた。
もう一人の、17歳ほどの少年はそれを眺めながら、青い瞳を細める。
「~~~♪」
「……ユキ君、楽しい?」
「うん!ほら、つるさんが折れた!」
ユキと呼ばれた少年は頷き、青年のほうに折り紙を見せた。
すると青年は「すごいすごい!」と手を叩いて褒める。
そしてまた折り紙を折り始める少年を見、ボソリと訊ねた。
「………ねえ、どうして、ユキ君がいなくなった後湊君達のところへ行ったの?」
「んん……あのね、黒うさぎさんにたのまれたの」
「?」
「いつかひつような時がくるから、きおくの一部をもったぬいぐるみをわたしておいてって。
ユキはね、自分のきおくを、ものにやどすことができるから。
でも、ちょっとこんらん?しちゃって、さいしょきおくとどうかしちゃったけど」
ユキがそう言うと、青年は目を丸くし、そして細めた。
「……そうだね、君は、”彼”の記憶そのものだもんね」
―桜木ユキの、”いのちのこたえ”。
その”記憶”を宿した媒体こそ目の前にいる少年であり、青年―ニュクスを守っている番人でもあった。
「皆といられなくて、寂しい?」
「ううん。りょーじおにいちゃがいるから、さびしくないよ!」
彼はふるふると首を振り、「でもね、」と繋げる。
「……でもね、黒うさぎさんも、ユキじしんも、そろそろつかれてきちゃったと思うんだ。
だからね、今ユキがいるとこが、ユキたちをたすけてくれたらいいなあって」
「……そっか」
「ユキは、きおくしかもってないし、かわりの子こないと、ここからかんぜんに出るのはむりだけど……でも、もしきかいがあったら、おねがいしに行くんだ。ユキをたすけてくださいって」
彼の記憶は、そう言って笑顔を向けた。
「ユキに、もう苦しまなくていいんだよって、言ってあげたい!」
「そうだね。……きっと言えるよ!だって、また湊君みたいな能力の子がいるんだし!」
綾時がそう言うと、彼は「そだよね!」とまた頷き、大きな大きな扉を見上げていた。