悪い夢
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『テレビに手が入った』
そんな悠のオカルトじみた現象を確認するべく、悠達は放課後ジュネスのテレビコーナーに来ていた。
千枝や陽介が手を触れても何の反応も示さなかったが、悠がもう一度と確かめると、徐々にその手がテレビの中へと入っていく。
「ちょ、それどんな仕掛け!?つかすげー!!」
「こら、早まるなー!!」
陽介と千枝が止めようと彼の足を掴むも、逆に2人とも中へと入り込んでいった。
「……どこ……ココ?」
落ちていった先。霧の漂う異様な場所で、千枝が不安げな声を上げる。
そこは霧に覆われた、黄色い空間で、俺らはひとまず出口を探すため散策することにした。
階段を上る、下りる、扉を開けて、また閉める。
そうしてたどり着いた先には、沢山のポスターが貼られた、異様な部屋があった。
「……何、コレ……」
「なあ、アレって……もしかして、」
陽介がそう指差したのは、天井に吊り下げられた紐だった。
それは丁度人一人の首が入りそうな大きさの輪っかがあり、「ちょ、やめてよ!」と千枝が焦ったような声をあげる。
「と、とりあえずさ、さっさと別の道から帰る方法探そうよ!ココ、気味悪いしさ……」
「そ、そうだな!」
三人はそこから抜け、一度元の場所に戻る事にした。
すると元の場所に何かがいることに気づき、悠が足を止める。
「何かいる……」
「何か?何かって何!!」
―少なくとも、人ではない。
見るからに怪しいシルエットのそれに陽介が後ずさり、「里中、お前行けよ」と口をひくつかせながら言った。
「なんでアンタこういうときは逃げ腰なのよ……いいけどさ」
千枝は助走をつけ、思い切りその物体にとび蹴りをかます。
すると「ぐえー!!!」と声がして、その物体は倒れた。
「何これ……着ぐるみ?……サル?クマ?」
「んもー!キミらみたいな無礼、ユキサンは働かなかったクマよ!ぷんすか!」
「わ!しゃ、しゃべったあ!?」
「ユキサンだあ?」
起き上がった着ぐるみの言葉に千枝は驚き陽介は首を傾げ、だがその着ぐるみの背後からの雰囲気に飲まれる。
―強靭な、殺気。
次の瞬間、悠の首を何かが掴んで倒し、ダンと横に剣が突き刺さった。
「ぐあっ!!?」
「鳴上!?」
「鳴上君!?」
「……あれ、鳴上君?犯人……にしては、弱いし、無計画だな?」
淡々とした、涼やかな、聞いたことのある声。
薄ら目を開けると、真っ白な髪と赤い瞳が目に入り、「ユキ、さ……?」と掠れた声を出した。
―力が強い。このまま、首がへし折られそうだ。
「が、ぐぅ……」
「鳴上!」
「あ、ごめん、力加減してない」
彼はパッと手を離し、そして剣を抜いて鞘にしまった。
そして三人を見て、「あんた等も此処に来たの?ふうん…」と目を細める。
「どっかのテレビから入って、迷い込んだ。合ってる?」
「は、はあ……それで、ここって……?それに、あなたは……?」
「ここは……まあ要約すれば、力の無い人間がいちゃいけない場所。
弱かったり、シャドウが見えないなら帰ったほうがいい」
ユキはそう言いながら、悠達とはまた違うほうを向いてクマに訊ねた。
「それでクマさん。本当に、他の人ってコレ、見えてないわけ?」
「霧が見えないなんて言ったの、ユキサンが初めてクマよ!」
「だって見えないし……あ、ちょっとそこの人、しゃがむか避けて」
「へ?」
陽介が咄嗟に屈むと、ユキはそこに向けて思い切り蹴りを入れた。
何も無いはずのその空間は彼の蹴りでぐにゃりと歪み、そしてそれが壁まで打ち付けられたのか、ボコッと跡が出来た。
ユキは双剣をブーメランのような形に変化させると、上に向けて思い切り投げ、そしてそこにもまたひずみが出来る。
「な、何が起こってるの!?」
「わかるか!それより鳴上、あの人、昼に弁当持ってきた人だよな!?」
「そうだけど……、俺も、何がなんだか……!」
「……というわけで、見えてないなら早く戻れば?此処は、見えないヤツが居ていい場所じゃない」
呆れたような声。気づけば彼は先ほどと同じ位置で剣を納めていて、クマに視線を向けた。
「クマ君、出口出してあげて」
「ほいさっさー!」
クマは頷き、踵で地面を叩く。
そうすると何台ものテレビが現れ、クマはそこに悠達を押し込んだ。
「うわっ……ちょっと!」
「いいから、早く帰りな。悪い夢でも見ていたと思えばいいから」
その声を最後に、悠達は元の世界へと戻っていった。
そんな悠のオカルトじみた現象を確認するべく、悠達は放課後ジュネスのテレビコーナーに来ていた。
千枝や陽介が手を触れても何の反応も示さなかったが、悠がもう一度と確かめると、徐々にその手がテレビの中へと入っていく。
「ちょ、それどんな仕掛け!?つかすげー!!」
「こら、早まるなー!!」
陽介と千枝が止めようと彼の足を掴むも、逆に2人とも中へと入り込んでいった。
「……どこ……ココ?」
落ちていった先。霧の漂う異様な場所で、千枝が不安げな声を上げる。
そこは霧に覆われた、黄色い空間で、俺らはひとまず出口を探すため散策することにした。
階段を上る、下りる、扉を開けて、また閉める。
そうしてたどり着いた先には、沢山のポスターが貼られた、異様な部屋があった。
「……何、コレ……」
「なあ、アレって……もしかして、」
陽介がそう指差したのは、天井に吊り下げられた紐だった。
それは丁度人一人の首が入りそうな大きさの輪っかがあり、「ちょ、やめてよ!」と千枝が焦ったような声をあげる。
「と、とりあえずさ、さっさと別の道から帰る方法探そうよ!ココ、気味悪いしさ……」
「そ、そうだな!」
三人はそこから抜け、一度元の場所に戻る事にした。
すると元の場所に何かがいることに気づき、悠が足を止める。
「何かいる……」
「何か?何かって何!!」
―少なくとも、人ではない。
見るからに怪しいシルエットのそれに陽介が後ずさり、「里中、お前行けよ」と口をひくつかせながら言った。
「なんでアンタこういうときは逃げ腰なのよ……いいけどさ」
千枝は助走をつけ、思い切りその物体にとび蹴りをかます。
すると「ぐえー!!!」と声がして、その物体は倒れた。
「何これ……着ぐるみ?……サル?クマ?」
「んもー!キミらみたいな無礼、ユキサンは働かなかったクマよ!ぷんすか!」
「わ!しゃ、しゃべったあ!?」
「ユキサンだあ?」
起き上がった着ぐるみの言葉に千枝は驚き陽介は首を傾げ、だがその着ぐるみの背後からの雰囲気に飲まれる。
―強靭な、殺気。
次の瞬間、悠の首を何かが掴んで倒し、ダンと横に剣が突き刺さった。
「ぐあっ!!?」
「鳴上!?」
「鳴上君!?」
「……あれ、鳴上君?犯人……にしては、弱いし、無計画だな?」
淡々とした、涼やかな、聞いたことのある声。
薄ら目を開けると、真っ白な髪と赤い瞳が目に入り、「ユキ、さ……?」と掠れた声を出した。
―力が強い。このまま、首がへし折られそうだ。
「が、ぐぅ……」
「鳴上!」
「あ、ごめん、力加減してない」
彼はパッと手を離し、そして剣を抜いて鞘にしまった。
そして三人を見て、「あんた等も此処に来たの?ふうん…」と目を細める。
「どっかのテレビから入って、迷い込んだ。合ってる?」
「は、はあ……それで、ここって……?それに、あなたは……?」
「ここは……まあ要約すれば、力の無い人間がいちゃいけない場所。
弱かったり、シャドウが見えないなら帰ったほうがいい」
ユキはそう言いながら、悠達とはまた違うほうを向いてクマに訊ねた。
「それでクマさん。本当に、他の人ってコレ、見えてないわけ?」
「霧が見えないなんて言ったの、ユキサンが初めてクマよ!」
「だって見えないし……あ、ちょっとそこの人、しゃがむか避けて」
「へ?」
陽介が咄嗟に屈むと、ユキはそこに向けて思い切り蹴りを入れた。
何も無いはずのその空間は彼の蹴りでぐにゃりと歪み、そしてそれが壁まで打ち付けられたのか、ボコッと跡が出来た。
ユキは双剣をブーメランのような形に変化させると、上に向けて思い切り投げ、そしてそこにもまたひずみが出来る。
「な、何が起こってるの!?」
「わかるか!それより鳴上、あの人、昼に弁当持ってきた人だよな!?」
「そうだけど……、俺も、何がなんだか……!」
「……というわけで、見えてないなら早く戻れば?此処は、見えないヤツが居ていい場所じゃない」
呆れたような声。気づけば彼は先ほどと同じ位置で剣を納めていて、クマに視線を向けた。
「クマ君、出口出してあげて」
「ほいさっさー!」
クマは頷き、踵で地面を叩く。
そうすると何台ものテレビが現れ、クマはそこに悠達を押し込んだ。
「うわっ……ちょっと!」
「いいから、早く帰りな。悪い夢でも見ていたと思えばいいから」
その声を最後に、悠達は元の世界へと戻っていった。