頼れる存在
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「あの、この薬ってもらえますか…?」
稲羽市立病院。
受付をしていた女性に薬手帳を見せながらそう訊ねると、「少しお待ちください」と手帳を持って奥に消えた。
―薬手帳。
薬を持っているくらいだから、あるだろうと思って服の裏側を探ったら案の定見つかったものだ。
ちなみに服の裏にはそれ以外にも、通帳、現金など、貴重品が至る所にばらばらに入っていた。
(どれだけ隠しポケットを作ってるんだ、俺。
まあ、便利なんだけど)
バッグなどを持つ必要もないし、外見から分かりにくく盗まれる危険性も低い。
しばらく経って、窓口に戻ってきた女性から薬の入った袋を渡される。
「一ヶ月分で、こちらの金額になります。
……あなたの主治医が丁度今この病院に赴任しておりますが、今度時間がある時に診療しますか?」
「え、…あ、はい」
「では、ご希望の日付がありましたら……」
「ええと……28日の午前、だったら」
「わかりました。ではその日に、お待ちしております」
薬代を渡し、診察券を発行してもらって、病院から出る。
(……主治医、か……)
その人だったら、自分の事を知っているのだろうか。
彼はまだ明るい空を見ながら、家へと踵を返した。
稲羽市立病院。
受付をしていた女性に薬手帳を見せながらそう訊ねると、「少しお待ちください」と手帳を持って奥に消えた。
―薬手帳。
薬を持っているくらいだから、あるだろうと思って服の裏側を探ったら案の定見つかったものだ。
ちなみに服の裏にはそれ以外にも、通帳、現金など、貴重品が至る所にばらばらに入っていた。
(どれだけ隠しポケットを作ってるんだ、俺。
まあ、便利なんだけど)
バッグなどを持つ必要もないし、外見から分かりにくく盗まれる危険性も低い。
しばらく経って、窓口に戻ってきた女性から薬の入った袋を渡される。
「一ヶ月分で、こちらの金額になります。
……あなたの主治医が丁度今この病院に赴任しておりますが、今度時間がある時に診療しますか?」
「え、…あ、はい」
「では、ご希望の日付がありましたら……」
「ええと……28日の午前、だったら」
「わかりました。ではその日に、お待ちしております」
薬代を渡し、診察券を発行してもらって、病院から出る。
(……主治医、か……)
その人だったら、自分の事を知っているのだろうか。
彼はまだ明るい空を見ながら、家へと踵を返した。