可能性の光
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マヨナカテレビで、桜木が先頭を歩く。
この一年で、鳴上ほどに伸びた背を、綺麗に伸びた白髪が覆う。
相変わらず、眼鏡はかけていない。その代わり、出会った頃のパーカー姿ではなく、黒の大きめのカーディガンを白シャツの上に羽織っていた。
「ユキさん、なんだか嬉しそうですね?」
鳴上が少し後ろについて、言う。桜木は少し振り返って、「そうだね」と返した。
「予想、大体は当たってたし。後は俺達の可能性を示せば、万事解決でしょ?」
「可能性って、そう簡単じゃないと思うんですけど……」
そう苦笑したのは、白鐘だ。
「何せ、大勢の人間が望んでいることを『そうじゃない』と言いに行くんですからね」
「あー……それに関しては、慣れてるからさ」
桜木は前を向いたまま言う。
「誰かと違うこと。誰かの否定した道を進むこと。何度も何度もあったから。
だから、これくらいは怖くないよ」
今は、皆もいるし。
その言葉に、全員が顔を見合わせて笑顔になった。
「終わったら、また打ち上げします?」
「いや、流石にやらなくていいよ……卒業式もあるし、それに、悠だって荷造りがある」
「そっかぁ……」
「あと、俺も卒業式が終わったら、磐戸台に帰るから」
「そうですよね……って、え?」
「向こうの大学、受かったんだ。実家をずっとそのままにはできないし、最初から、こっちの家は一年いるだけのつもりだったし」
決して振り返らず、彼は言う。
「遼太郎さんと菜々子ちゃんには、もう言ってある。君達には、こういう形で言おうって決めてた」
「……そう、でしたか」
「まあ、長期休みには顔を出すからさ。その時まで、覚えていてくれればいいよ」
さ、着いたよ。
長い鳥居の列を抜けた先で、イザナミがいた。
桜木は鳴上の手を引いてイザナミに近づき、「眼鏡をはずして」と言う。
「今の悠になら、見えるはずだよ」
そう言われ、鳴上はゆっくりと眼鏡を取った。
すると見えていたイザナミの姿が歪み、ぼんやりと別のものへと変わっていく。
「真実を見たくないのは、一つの答えで、多くの答えだ。でも、多くの答えだからって、全ての答えというわけじゃない」
ハンプティ・ダンプティ。桜木がカードを包み、ペルソナを召喚する。
それに続いて、鳴上もカードを砕いてイザナギを召喚した。
「……準備はいい?」
「はい」
「ハンプティ・ダンプティ、”総ての答えを照らして”」
言葉に応じて、彼のペルソナが掌から光を零した。
それは空間を覆うように行き渡り、そしてイザナミの黒手を晴らしていく。
「……俺は、俺達は、きっと何度も真実を見間違う。でも、真実を掴む事を諦めることはしない!」
「”幾万の真言を、世界に示す”!!」
この一年で、鳴上ほどに伸びた背を、綺麗に伸びた白髪が覆う。
相変わらず、眼鏡はかけていない。その代わり、出会った頃のパーカー姿ではなく、黒の大きめのカーディガンを白シャツの上に羽織っていた。
「ユキさん、なんだか嬉しそうですね?」
鳴上が少し後ろについて、言う。桜木は少し振り返って、「そうだね」と返した。
「予想、大体は当たってたし。後は俺達の可能性を示せば、万事解決でしょ?」
「可能性って、そう簡単じゃないと思うんですけど……」
そう苦笑したのは、白鐘だ。
「何せ、大勢の人間が望んでいることを『そうじゃない』と言いに行くんですからね」
「あー……それに関しては、慣れてるからさ」
桜木は前を向いたまま言う。
「誰かと違うこと。誰かの否定した道を進むこと。何度も何度もあったから。
だから、これくらいは怖くないよ」
今は、皆もいるし。
その言葉に、全員が顔を見合わせて笑顔になった。
「終わったら、また打ち上げします?」
「いや、流石にやらなくていいよ……卒業式もあるし、それに、悠だって荷造りがある」
「そっかぁ……」
「あと、俺も卒業式が終わったら、磐戸台に帰るから」
「そうですよね……って、え?」
「向こうの大学、受かったんだ。実家をずっとそのままにはできないし、最初から、こっちの家は一年いるだけのつもりだったし」
決して振り返らず、彼は言う。
「遼太郎さんと菜々子ちゃんには、もう言ってある。君達には、こういう形で言おうって決めてた」
「……そう、でしたか」
「まあ、長期休みには顔を出すからさ。その時まで、覚えていてくれればいいよ」
さ、着いたよ。
長い鳥居の列を抜けた先で、イザナミがいた。
桜木は鳴上の手を引いてイザナミに近づき、「眼鏡をはずして」と言う。
「今の悠になら、見えるはずだよ」
そう言われ、鳴上はゆっくりと眼鏡を取った。
すると見えていたイザナミの姿が歪み、ぼんやりと別のものへと変わっていく。
「真実を見たくないのは、一つの答えで、多くの答えだ。でも、多くの答えだからって、全ての答えというわけじゃない」
ハンプティ・ダンプティ。桜木がカードを包み、ペルソナを召喚する。
それに続いて、鳴上もカードを砕いてイザナギを召喚した。
「……準備はいい?」
「はい」
「ハンプティ・ダンプティ、”総ての答えを照らして”」
言葉に応じて、彼のペルソナが掌から光を零した。
それは空間を覆うように行き渡り、そしてイザナミの黒手を晴らしていく。
「……俺は、俺達は、きっと何度も真実を見間違う。でも、真実を掴む事を諦めることはしない!」
「”幾万の真言を、世界に示す”!!」