覚醒
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二日経って、面会が許可された。
鳴上達が向かうとそこには既に有里がいて、桜木と何やら談笑しているようだった。
「……ユキ、君の髪は綺麗だよ」
「湊……」
「真っ白で、サラサラで……目だって、宝石みたいにキラキラしてて、初めて会ったときから惹かれてた。
なんて綺麗な人なんだろうって、隠すの勿体無いなってそう思うくらい」
「ぇ……あの……」
桜木の指に自分を指を絡めて、有里は笑う。
「あ、あの、それ以上言わなくても、あの、」
「淡々としてるように見えて、結構抜けてて、でも優しくて気が回って、そんなユキが、僕は好きだ」
そう言うと湊は彼の額にキスを落とし、にっこりと微笑んだ。
彼はボンッと音を立てて顔を真っ赤にしたかと思えば、両手で額を隠し距離を取ろうとする。
「も、もうわかったから!顔熱いし、なんかすごいむずがゆいし、やめて!」
「へえ、そんな顔もできるようになったんだ。可愛い」
「……~~湊!」
「愛してる、ユキ。初めて会った時から、ずっと一緒にいたいと思ってた」
……どうやら、ここぞとばかりに口説いているようだ。
桜木も桜木で、それを真正面から受け取り、キャパを超えて慌てふためいている。
鳴上達は扉の前で固まっていたが、何を考えたのか、鳴上がすっと中に入り桜木を背後から抱きしめた。
「あ、湊さんズルい。俺だってユキさんの事ずっと好きなのに」
「わぷっ……悠まで、何言ってるの…?」
「ねえユキさん、俺も会った時から好きだったんですよ?」
「ちょっと先輩!なに抜けがけしてるんですか~!!」
「わ、私たちだって大好きなんですけどぉ!?」
久慈川や里中達もこぞって入り、次々に口を開く。
「あの、その……あ、……ありがとう……」
桜木は、そう小さく答えた。
「胸のあたりが、すごい熱い……心臓もバクバクいってるし、死んじゃいそうだ……」
フウと息を吐いて、彼は眉尻を下げる。
これが、本来の桜木の姿。
より「人間らしく」なった彼に、鳴上達は顔を見合わせて笑った。
「夕方には、菜々子ちゃんと堂島さんも来るそうです」
「え?だ、大丈夫かな……俺、こんな感じだけど……驚かない?」
「驚きはするでしょうね。でも、大丈夫ですよ」
「そうっすよ!オレ達だって平気なんスから!」
鳴上と巽の言葉に、桜木は目を丸くしてから「そうだね」と目を細める。
「あ、そうだ!ユキさん、クリスマスは空いてますか?」
「?空いてるけど……何もなかったら、有里とケーキ作ろうかなって話してた」
「菜々子ちゃんの快復と、ユキさんの快復を祝して、盛大に打ち上げようかと思ってて。
もし今回の事件のことで、まだ気になる事があったりしたら、無理にとは言わないんですけど」
彼は有里をちらりと見る。「良いと思うよ」と答えが返ってくると、小さく頷いた。
「湊も参加していいなら、俺の家使えるし。向こうで調べたい事は、調べ終わってるから」
「勿論!……ってか、ユキさんと湊さんってもしかしてそういう関係だったり……?」
花村が尋ねると、有里は桜木の肩を掴んで引き寄せる。
「告白は、もうしてるよ。あとはユキ次第だけどね」
「、湊……っ」
「返事はいつだっていい。何日でも、何年でも待つから」
そう言って手を離すと、彼の顔はまた真っ赤になった。
もう返事は分かりきっているとは思ったが、何せ桜木の感情は戻ったばかりなのだ。
流されて、にならないようにしている有里に気づいて、それ以上の詮索はされなかった。
桜木はあれから、よく笑うようになった。
面会が可能になったその日から少しずつリハビリも始まり、バイト先にもいつ頃復帰するかの連絡を入れたらしい。
それでも昔の記憶を整理しきれていないのか、時折、ふと思い出したように涙を零していた。
鳴上達が向かうとそこには既に有里がいて、桜木と何やら談笑しているようだった。
「……ユキ、君の髪は綺麗だよ」
「湊……」
「真っ白で、サラサラで……目だって、宝石みたいにキラキラしてて、初めて会ったときから惹かれてた。
なんて綺麗な人なんだろうって、隠すの勿体無いなってそう思うくらい」
「ぇ……あの……」
桜木の指に自分を指を絡めて、有里は笑う。
「あ、あの、それ以上言わなくても、あの、」
「淡々としてるように見えて、結構抜けてて、でも優しくて気が回って、そんなユキが、僕は好きだ」
そう言うと湊は彼の額にキスを落とし、にっこりと微笑んだ。
彼はボンッと音を立てて顔を真っ赤にしたかと思えば、両手で額を隠し距離を取ろうとする。
「も、もうわかったから!顔熱いし、なんかすごいむずがゆいし、やめて!」
「へえ、そんな顔もできるようになったんだ。可愛い」
「……~~湊!」
「愛してる、ユキ。初めて会った時から、ずっと一緒にいたいと思ってた」
……どうやら、ここぞとばかりに口説いているようだ。
桜木も桜木で、それを真正面から受け取り、キャパを超えて慌てふためいている。
鳴上達は扉の前で固まっていたが、何を考えたのか、鳴上がすっと中に入り桜木を背後から抱きしめた。
「あ、湊さんズルい。俺だってユキさんの事ずっと好きなのに」
「わぷっ……悠まで、何言ってるの…?」
「ねえユキさん、俺も会った時から好きだったんですよ?」
「ちょっと先輩!なに抜けがけしてるんですか~!!」
「わ、私たちだって大好きなんですけどぉ!?」
久慈川や里中達もこぞって入り、次々に口を開く。
「あの、その……あ、……ありがとう……」
桜木は、そう小さく答えた。
「胸のあたりが、すごい熱い……心臓もバクバクいってるし、死んじゃいそうだ……」
フウと息を吐いて、彼は眉尻を下げる。
これが、本来の桜木の姿。
より「人間らしく」なった彼に、鳴上達は顔を見合わせて笑った。
「夕方には、菜々子ちゃんと堂島さんも来るそうです」
「え?だ、大丈夫かな……俺、こんな感じだけど……驚かない?」
「驚きはするでしょうね。でも、大丈夫ですよ」
「そうっすよ!オレ達だって平気なんスから!」
鳴上と巽の言葉に、桜木は目を丸くしてから「そうだね」と目を細める。
「あ、そうだ!ユキさん、クリスマスは空いてますか?」
「?空いてるけど……何もなかったら、有里とケーキ作ろうかなって話してた」
「菜々子ちゃんの快復と、ユキさんの快復を祝して、盛大に打ち上げようかと思ってて。
もし今回の事件のことで、まだ気になる事があったりしたら、無理にとは言わないんですけど」
彼は有里をちらりと見る。「良いと思うよ」と答えが返ってくると、小さく頷いた。
「湊も参加していいなら、俺の家使えるし。向こうで調べたい事は、調べ終わってるから」
「勿論!……ってか、ユキさんと湊さんってもしかしてそういう関係だったり……?」
花村が尋ねると、有里は桜木の肩を掴んで引き寄せる。
「告白は、もうしてるよ。あとはユキ次第だけどね」
「、湊……っ」
「返事はいつだっていい。何日でも、何年でも待つから」
そう言って手を離すと、彼の顔はまた真っ赤になった。
もう返事は分かりきっているとは思ったが、何せ桜木の感情は戻ったばかりなのだ。
流されて、にならないようにしている有里に気づいて、それ以上の詮索はされなかった。
桜木はあれから、よく笑うようになった。
面会が可能になったその日から少しずつリハビリも始まり、バイト先にもいつ頃復帰するかの連絡を入れたらしい。
それでも昔の記憶を整理しきれていないのか、時折、ふと思い出したように涙を零していた。