覚醒
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『……我は汝、汝は我、我は汝の象徴より出てし者なり』
彼の背後に立つ帽子屋が姿を消し、三つの”影”になる。
『汝、臆せず進み、約束を違えず』
白い兎耳の出たシルクハットを被り、大きな懐中時計を提げた”彼”が言う。
『汝、幸せを知り、絶望を受け入れ』
黒く、艶やかな兎耳を生やし、赤い衣装を纏った”彼”が言う。
『汝、友を信じ、記憶を戻せし者なり』
ミニハットを被り、古びた杖をついた”彼”が言う。
『今、我々は汝に総てを肯定され、新たなる汝の”人格”を形成する』
”影”はそれぞれの手を合わせ、それは白い光を編み出した。
”ハンプティ・ダンプティ”。
『我は汝、汝は我……我、汝の心より出てし解、”ハンプティ・ダンプティ”なり……』
『はー……なんとか成功したみてえだな』
彼の後ろに立っていたイーターが影へと姿を変え、ため息をつく。
『記憶と一緒に感情を全部返した。晴れてコイツは普通のガキだ。俺らも人格を手に入れたしな』
ハッターはカップに注がれたお茶を飲み、ニヤリと笑った。
「……いいのか?俺達を信用しないんじゃ……」
『……別に、もう気にしていない』
そう答えたのは、今まで静かだったクロッカーだ。
『俺は、俺のカナシミを受け継ぐ。イーターは怒り、ハッターは苦しみ。ハンプティは俺達とは少し違くて、影にはなれないけど』
『ハンプティは俺達と違って、アイツと完全に同化できる』
『表に出ることも、まあ出来るだろうな。一応アイツも俺だし』
『いーんだよ、もう。湊のことも全部思い出したみてえだし、どうせしばらくはあのセンセーのところに通院生活だろうけどコイツならすぐ乗り越える。
もし乗り越えられずに俺が暴走したら、今度こそ絶対お前らに勝目ないしな』
「……それは、無いことを祈るよ……」
『冗談だよ。今、アイツはちゃんと泣いてる。俺達の声を、ちゃんと受け止めてる。それだけで充分だ』
イーターは懐かしそうな、泣きそうな顔で笑った。
『それより、早く運んであげて。きっと感情で戸惑って、倒れちゃうから』
「運ぶ、って、どこに……」
『決まってるだろ!病院だ!』
彼の背後に立つ帽子屋が姿を消し、三つの”影”になる。
『汝、臆せず進み、約束を違えず』
白い兎耳の出たシルクハットを被り、大きな懐中時計を提げた”彼”が言う。
『汝、幸せを知り、絶望を受け入れ』
黒く、艶やかな兎耳を生やし、赤い衣装を纏った”彼”が言う。
『汝、友を信じ、記憶を戻せし者なり』
ミニハットを被り、古びた杖をついた”彼”が言う。
『今、我々は汝に総てを肯定され、新たなる汝の”人格”を形成する』
”影”はそれぞれの手を合わせ、それは白い光を編み出した。
”ハンプティ・ダンプティ”。
『我は汝、汝は我……我、汝の心より出てし解、”ハンプティ・ダンプティ”なり……』
『はー……なんとか成功したみてえだな』
彼の後ろに立っていたイーターが影へと姿を変え、ため息をつく。
『記憶と一緒に感情を全部返した。晴れてコイツは普通のガキだ。俺らも人格を手に入れたしな』
ハッターはカップに注がれたお茶を飲み、ニヤリと笑った。
「……いいのか?俺達を信用しないんじゃ……」
『……別に、もう気にしていない』
そう答えたのは、今まで静かだったクロッカーだ。
『俺は、俺のカナシミを受け継ぐ。イーターは怒り、ハッターは苦しみ。ハンプティは俺達とは少し違くて、影にはなれないけど』
『ハンプティは俺達と違って、アイツと完全に同化できる』
『表に出ることも、まあ出来るだろうな。一応アイツも俺だし』
『いーんだよ、もう。湊のことも全部思い出したみてえだし、どうせしばらくはあのセンセーのところに通院生活だろうけどコイツならすぐ乗り越える。
もし乗り越えられずに俺が暴走したら、今度こそ絶対お前らに勝目ないしな』
「……それは、無いことを祈るよ……」
『冗談だよ。今、アイツはちゃんと泣いてる。俺達の声を、ちゃんと受け止めてる。それだけで充分だ』
イーターは懐かしそうな、泣きそうな顔で笑った。
『それより、早く運んであげて。きっと感情で戸惑って、倒れちゃうから』
「運ぶ、って、どこに……」
『決まってるだろ!病院だ!』