門の前
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早朝。
「……先生、外出許可をください」
いつも通りのパーカーとズボン姿になった彼は、主治医にそう言った。
腰ほどまで届くようになった白髪はそのままに、ふわと漂っている。
「全て、終わらせてきます」
それを医者は見て、そして頷く。
「……そう、気をつけてね」
「はい」
いってらっしゃい。
いってきます。
部屋を出ていく桜木の背中は、此処で初めて会った時のように見えた。
自分の家で、有里達と準備するものを確認して。
一応湊達に連絡を入れると、「すぐ行きます」と返事が来た。
昨日、殆どの話は彼らにしてくれたらしい。前より情けなくはない表情に安心して、桜木は口を開いた。
「俺は、足立さんと話を付けに行く。だから、悠達は基本何もしなくていい」
「……」
「もし戦闘になっても、まぁそんなに苦しい戦いじゃないと思う。いつも通り回復に気を付けて」
「……ユキ、さん」
「何?」
どこか、いつも通りじゃない所でもあっただろうか。
花村はしかし、それ以上は何も言わずに押し黙った。
「何でもないならいい。じゃあ、行くよ」
この何もない家に不釣り合いな、大きなテレビ。
俺はそれに、ゆっくりと手を入れた。
「……先生、外出許可をください」
いつも通りのパーカーとズボン姿になった彼は、主治医にそう言った。
腰ほどまで届くようになった白髪はそのままに、ふわと漂っている。
「全て、終わらせてきます」
それを医者は見て、そして頷く。
「……そう、気をつけてね」
「はい」
いってらっしゃい。
いってきます。
部屋を出ていく桜木の背中は、此処で初めて会った時のように見えた。
自分の家で、有里達と準備するものを確認して。
一応湊達に連絡を入れると、「すぐ行きます」と返事が来た。
昨日、殆どの話は彼らにしてくれたらしい。前より情けなくはない表情に安心して、桜木は口を開いた。
「俺は、足立さんと話を付けに行く。だから、悠達は基本何もしなくていい」
「……」
「もし戦闘になっても、まぁそんなに苦しい戦いじゃないと思う。いつも通り回復に気を付けて」
「……ユキ、さん」
「何?」
どこか、いつも通りじゃない所でもあっただろうか。
花村はしかし、それ以上は何も言わずに押し黙った。
「何でもないならいい。じゃあ、行くよ」
この何もない家に不釣り合いな、大きなテレビ。
俺はそれに、ゆっくりと手を入れた。