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彼と医者しかいなくなった空間で、鳴上は頭を下げる。
「……お願いします」
許されなくてもいい。これはもう、エゴでしかない。
「……俺の、せいなんです」
これで駄目だったら、もう一生、俺はあの人に会えない。
そんな気がした。そんな確信があった。
だから、食い下がるしかなかった。
何分経っただろう。医者の息を吐く音が聞こえて、そして「顔を上げてください」と声がかけられた。
「…………まだ、彼の精神は不安定です。大丈夫だと判断でき次第連絡するので、それまでは……」
「!」
「今彼に謝っても、彼は困惑するだけです」
見たでしょう?そう言われ、俯きながら頷く。
「それと、大勢に話しかけられることを、彼は得意としていません。来るならあなた一人で、お願いします」
「おお、ぜい……?」
「ええ。昔から、苦手だったようです。
……奇異の目で見られているみたいだったから、と」
そう言って、医者は視線を桜木に戻す。
鳴上は「ありがとうございます」と頭を下げて、そして病室を後にした。
「……お願いします」
許されなくてもいい。これはもう、エゴでしかない。
「……俺の、せいなんです」
これで駄目だったら、もう一生、俺はあの人に会えない。
そんな気がした。そんな確信があった。
だから、食い下がるしかなかった。
何分経っただろう。医者の息を吐く音が聞こえて、そして「顔を上げてください」と声がかけられた。
「…………まだ、彼の精神は不安定です。大丈夫だと判断でき次第連絡するので、それまでは……」
「!」
「今彼に謝っても、彼は困惑するだけです」
見たでしょう?そう言われ、俯きながら頷く。
「それと、大勢に話しかけられることを、彼は得意としていません。来るならあなた一人で、お願いします」
「おお、ぜい……?」
「ええ。昔から、苦手だったようです。
……奇異の目で見られているみたいだったから、と」
そう言って、医者は視線を桜木に戻す。
鳴上は「ありがとうございます」と頭を下げて、そして病室を後にした。