暗転
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「今すぐ来てください。菜々子が……っ!」
そんな連絡を受けて、病院の暗い廊下をひたすらに走る。
マヨナカテレビからここは少し遠くて、だからこそ、道中何度も夢じゃないかと思った。
突き当りの部屋。少しドアが開いていて、何か話し声が聞こえてくる。
息を整えて入ると、こちらに背を向けている彼に「悠」と声をかけた。
「……菜々子ちゃんは」
「……死にました」
冷たい声だった。
それが確かに耳に届いて、自分の動きを止める。
「し、んだ……」
―自分が、ころした?
ドクン。
心臓が、痛い。
ざわざわと、胸騒ぎがする。ぐるぐると渦巻く感情があちらこちらを行き交い、息が詰まる。
いやだ、嫌だ。
何が間違っていた?何が足りなかった?
落ちつか、なきゃ。
ほんのわずか、吸った息。それが頭をほんの少しだけクリアにして、ぁ、と小さな声が漏れた。
―そうだ、おれが、親をころした
―親を、菜々子ちゃんを、…………俺が、見殺しにした
身体が冷たくなる。じわりじわりと、息がまた詰まっていく。
「証拠不十分で、司法で罰することはできない。
でもこいつを、マヨナカテレビに入れれば……」
悠の言葉に、首を振った。
違う、違う違う、違う。
殺したのは俺だ。何も言わなかったのは俺だ。
罰を受けるのは、俺だ。
声を、声を出さなきゃ。
生田目と彼らの間に立ち、通せんぼをするように腕を伸ばす。
「……やめろ」
今までに見たことがないような、冷たい瞳をして。
その行為全てを否定するような声に、それでも鳴上は止まって重く口を開いた。
「なんで、止めるんですか」
「そいつが殺したんですよ?なら、相応の罰を受けるべきだ」
「……落ちつけ」
「落ち着いてなんて、いられるわけないじゃないですか!!菜々子ちゃんが、コイツのせいで……!!」
「オレ達なら、こいつを裁ける!その力がある!」
「違う」
彼の顔に、影がさす。
どんな表情をしているかはわからない。でも、もう溢れた言葉は止められない。
花村が桜木に近づいて、睨みつけた。
「じゃあ、アンタお得意の推理の中では、もう犯人が分かってんの?」
「……」
「……ユキさんさぁ、そうやって、いっつも隠し事してんじゃん。
アンタがそうやって黙ってなかったら、菜々子ちゃんだって死ななかったんじゃないのかよ!」
「……それは、」
「どうせアンタはオレらの仲間じゃないんだろ!オレらの気持ちなんて理解できねえ部外者は引っ込んでろよ!」
花村に殴られ、彼は後ろに後ずさった。
その時。
――ガシャン。
何かが、切れた。
いや、壊された、と言ったほうが、正確だったのかもしれない。
―それなら、俺は、―――
そんな連絡を受けて、病院の暗い廊下をひたすらに走る。
マヨナカテレビからここは少し遠くて、だからこそ、道中何度も夢じゃないかと思った。
突き当りの部屋。少しドアが開いていて、何か話し声が聞こえてくる。
息を整えて入ると、こちらに背を向けている彼に「悠」と声をかけた。
「……菜々子ちゃんは」
「……死にました」
冷たい声だった。
それが確かに耳に届いて、自分の動きを止める。
「し、んだ……」
―自分が、ころした?
ドクン。
心臓が、痛い。
ざわざわと、胸騒ぎがする。ぐるぐると渦巻く感情があちらこちらを行き交い、息が詰まる。
いやだ、嫌だ。
何が間違っていた?何が足りなかった?
落ちつか、なきゃ。
ほんのわずか、吸った息。それが頭をほんの少しだけクリアにして、ぁ、と小さな声が漏れた。
―そうだ、おれが、親をころした
―親を、菜々子ちゃんを、…………俺が、見殺しにした
身体が冷たくなる。じわりじわりと、息がまた詰まっていく。
「証拠不十分で、司法で罰することはできない。
でもこいつを、マヨナカテレビに入れれば……」
悠の言葉に、首を振った。
違う、違う違う、違う。
殺したのは俺だ。何も言わなかったのは俺だ。
罰を受けるのは、俺だ。
声を、声を出さなきゃ。
生田目と彼らの間に立ち、通せんぼをするように腕を伸ばす。
「……やめろ」
今までに見たことがないような、冷たい瞳をして。
その行為全てを否定するような声に、それでも鳴上は止まって重く口を開いた。
「なんで、止めるんですか」
「そいつが殺したんですよ?なら、相応の罰を受けるべきだ」
「……落ちつけ」
「落ち着いてなんて、いられるわけないじゃないですか!!菜々子ちゃんが、コイツのせいで……!!」
「オレ達なら、こいつを裁ける!その力がある!」
「違う」
彼の顔に、影がさす。
どんな表情をしているかはわからない。でも、もう溢れた言葉は止められない。
花村が桜木に近づいて、睨みつけた。
「じゃあ、アンタお得意の推理の中では、もう犯人が分かってんの?」
「……」
「……ユキさんさぁ、そうやって、いっつも隠し事してんじゃん。
アンタがそうやって黙ってなかったら、菜々子ちゃんだって死ななかったんじゃないのかよ!」
「……それは、」
「どうせアンタはオレらの仲間じゃないんだろ!オレらの気持ちなんて理解できねえ部外者は引っ込んでろよ!」
花村に殴られ、彼は後ろに後ずさった。
その時。
――ガシャン。
何かが、切れた。
いや、壊された、と言ったほうが、正確だったのかもしれない。
―それなら、俺は、―――