ある朝、生田目太郎のことが新聞の一面を飾った。
”警察の事情聴取に対しすまないことをした怖かったなどと供述。”
”警察は今後容疑者の供述をもとに事件の全貌解明を進める方針。”
――これで終わったんだ。

「あ、来た来た！これ見た？生田目のこと載ってるの」
「知ってる。みたよ」
「そっか」
「ついに終わったんだな……」
「うん……ほんと……ほんとにようやくだよね……」
「わっ。う～さむっ！今日はなんか一段と霧が濃いねえ」
「11月でこんなに冷え込むなんて珍しいよね……」
「そうだ。今日から菜々子の面会大丈夫みたいだから」
「ほんと！？少しよくなったんだ。よかった」
「……ユキさんは、まだ帰ってきてない？」
「……バイトとかにも、休みの連絡入れてるみたいで。
　……朝ごはん晩ごはんは、作りに帰ってきてるみたいなんだけど」
「クマが、一人にしてほしいって頼まれたんだと。一人で今までのダンジョン行って、敵を倒してるって。
　……大丈夫なのに、なんか気にしすぎだよな？」
「……ああ」