早朝の焦り
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「さて……こいつをどうするか……
置き去るわけにはいかねーし……」
「手だけ拘束して、警察に渡した方がいいだろうね。……菜々子ちゃんは?」
「目を覚まさないよ……。
苦しそう……ケガはなさそうなのに……」
りせが菜々子ちゃんの額に手を当てて、熱がないのを確認しながら言う。
確かに、呼吸がおかしい。
「きっと、この妙な霧のせいクマ……場所が悪いクマよ……」
「早く外に運ばないと!」
それを聞いて、それまで糸を切った反動で座り込んでいた悠がピクリと動く。
(……無理に背負うつもりかな)
なんとなく結果が予想出来て、先に菜々子ちゃんを抱えて立ち上がった。
「とりあえず、生田目も連れて病院行くぞ。陽介は、悠の肩支えてあげて」
「うす。……ほら、無理して立つなって」
「……ごめん」
「生田目の拘束は僕がやりますね。運ぶのは完二君、お願いします」
「おう」
分担して、この場所を一通り見てから、撤収する。
(……あとは、どう動くか……)
全員で静かに、歩きながら。
菜々子ちゃんを抱えるその手が、震えていた。
(……早く慣れて、しまわないと)
何度も何度も、自分の頭に言い聞かせて。
敵じゃない、怖くないと、思い続けて。
(……それでも、まだ、無理なのかな)
皆といるのが。
皆に嫌われるのが。
(せめて、菜々子ちゃんには)
今、抱えている彼女が、このまま病院まで寝てくれますように。
この心の弱さが、バレてしまいませんように。
バレなければ、俺はまだ……まだ、立っていられるから。
置き去るわけにはいかねーし……」
「手だけ拘束して、警察に渡した方がいいだろうね。……菜々子ちゃんは?」
「目を覚まさないよ……。
苦しそう……ケガはなさそうなのに……」
りせが菜々子ちゃんの額に手を当てて、熱がないのを確認しながら言う。
確かに、呼吸がおかしい。
「きっと、この妙な霧のせいクマ……場所が悪いクマよ……」
「早く外に運ばないと!」
それを聞いて、それまで糸を切った反動で座り込んでいた悠がピクリと動く。
(……無理に背負うつもりかな)
なんとなく結果が予想出来て、先に菜々子ちゃんを抱えて立ち上がった。
「とりあえず、生田目も連れて病院行くぞ。陽介は、悠の肩支えてあげて」
「うす。……ほら、無理して立つなって」
「……ごめん」
「生田目の拘束は僕がやりますね。運ぶのは完二君、お願いします」
「おう」
分担して、この場所を一通り見てから、撤収する。
(……あとは、どう動くか……)
全員で静かに、歩きながら。
菜々子ちゃんを抱えるその手が、震えていた。
(……早く慣れて、しまわないと)
何度も何度も、自分の頭に言い聞かせて。
敵じゃない、怖くないと、思い続けて。
(……それでも、まだ、無理なのかな)
皆といるのが。
皆に嫌われるのが。
(せめて、菜々子ちゃんには)
今、抱えている彼女が、このまま病院まで寝てくれますように。
この心の弱さが、バレてしまいませんように。
バレなければ、俺はまだ……まだ、立っていられるから。