早朝の焦り
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天国のような場所の、その頂上で。
菜々子ちゃんと一緒にいる、男性がいた。
「生田目太郎!」
悠が、力の限り叫ぶ。
生田目はこちらに気づき、手をつないでいた菜々子ちゃんを翻し自分の胸元に寄せた。
「ち……近づくなぁぁああ!」
「お……お兄ちゃん!」
菜々子ちゃんが叫ぶ。助けようと身を乗り出す悠を腕で制止し、そして尋ねた。
「何がしたい?」
「この子を、僕が救うんだ……」
「救う?どうやって?」
「ここで、もう一人のこの子を出して、それで……!」
腕の力が強くなったのか、小さく菜々子ちゃんが呻いた。
それでも気にせず、彼はしゃべり続ける。
「救いを求めている人が映る……だから、僕がその人をテレビに入れる。
みんな……救いを求めてる……」
「……」
「雨の夜の……テレビ……
僕に助けてほしいと……”合図”だ……」
「……」
「もう……真由美やあの子のような思いはさせたくないッ!」
「……そう。大体分かった」
「……ユキさん、何が分かったんですか……?」
そう聞かれ、口を開こうとする。けれど彼が、それを遮った。
「僕がテレビに入れなかったら、キミの友人たちはどうしてた……?」
「どうって……」
「自分と向き合えずにいた」
仕方なく、彼の言葉を続ける。
「本当の自分の心を騙し続けてた。……そう、言いたいんだろ?」
「そうだ、それを、こんなところまで追いかけてきやがって……」
ゆらり、シャドウが揺れて、彼に集約していく。
「……知ってるよ、おまえらがやったんだ……」
「ッ、菜々子を離せ!」
「ここは素晴らしい世界だ……心地よい霧、見つからない場所」
もう、こちら側の声はまともに届いていない。
シャドウに飲まれかかっているのか、このマヨナカテレビの影響か。
「げほっ……くふっ……くる……しいよ……
おにい……ちゃん……」
「菜々子ちゃんを、放せ」
悠に重ねもう一度、念押しして。
全員、戦闘態勢になるように、合図した。
「僕は救世主だ……”あっち”には汚い悪いやつらがたくさんいる……
だから僕が救うんだ……」
「僕は救世主……
正義の……ヒーローだ……!」
「悠!」
「イザナギ!」
名前を呼んだのと同時に、悠がペルソナを召喚し肩を狙って攻撃した。
「!?」
生田目の腕が弾かれたように後方にいき、菜々子ちゃんが一瞬解放される。
「ハッター!」
その隙を掴んでペルソナを呼び出すと、それはしっかりと彼女を抱きとめて後方にいるクマ達の方へ受け渡した。
「その子はオレ……オレが、救うんだ……!
ジャマすんなぁぁぁ!」
生田目は叫び、周りのシャドウの渦が濃くなっていく。
「な……なんだありゃあ」
「シャドウとひとつになって……同化してく……!?
力がどんどん強まって……!」
りせが焦ったような声を出した直後。
<その子を……かえせ……
その子は……オレが……>
<オレがすくううううううううう!!>
生田目はシャドウの渦に吞み込まれ、そして全く違う何かへと姿を変えた。
菜々子ちゃんと一緒にいる、男性がいた。
「生田目太郎!」
悠が、力の限り叫ぶ。
生田目はこちらに気づき、手をつないでいた菜々子ちゃんを翻し自分の胸元に寄せた。
「ち……近づくなぁぁああ!」
「お……お兄ちゃん!」
菜々子ちゃんが叫ぶ。助けようと身を乗り出す悠を腕で制止し、そして尋ねた。
「何がしたい?」
「この子を、僕が救うんだ……」
「救う?どうやって?」
「ここで、もう一人のこの子を出して、それで……!」
腕の力が強くなったのか、小さく菜々子ちゃんが呻いた。
それでも気にせず、彼はしゃべり続ける。
「救いを求めている人が映る……だから、僕がその人をテレビに入れる。
みんな……救いを求めてる……」
「……」
「雨の夜の……テレビ……
僕に助けてほしいと……”合図”だ……」
「……」
「もう……真由美やあの子のような思いはさせたくないッ!」
「……そう。大体分かった」
「……ユキさん、何が分かったんですか……?」
そう聞かれ、口を開こうとする。けれど彼が、それを遮った。
「僕がテレビに入れなかったら、キミの友人たちはどうしてた……?」
「どうって……」
「自分と向き合えずにいた」
仕方なく、彼の言葉を続ける。
「本当の自分の心を騙し続けてた。……そう、言いたいんだろ?」
「そうだ、それを、こんなところまで追いかけてきやがって……」
ゆらり、シャドウが揺れて、彼に集約していく。
「……知ってるよ、おまえらがやったんだ……」
「ッ、菜々子を離せ!」
「ここは素晴らしい世界だ……心地よい霧、見つからない場所」
もう、こちら側の声はまともに届いていない。
シャドウに飲まれかかっているのか、このマヨナカテレビの影響か。
「げほっ……くふっ……くる……しいよ……
おにい……ちゃん……」
「菜々子ちゃんを、放せ」
悠に重ねもう一度、念押しして。
全員、戦闘態勢になるように、合図した。
「僕は救世主だ……”あっち”には汚い悪いやつらがたくさんいる……
だから僕が救うんだ……」
「僕は救世主……
正義の……ヒーローだ……!」
「悠!」
「イザナギ!」
名前を呼んだのと同時に、悠がペルソナを召喚し肩を狙って攻撃した。
「!?」
生田目の腕が弾かれたように後方にいき、菜々子ちゃんが一瞬解放される。
「ハッター!」
その隙を掴んでペルソナを呼び出すと、それはしっかりと彼女を抱きとめて後方にいるクマ達の方へ受け渡した。
「その子はオレ……オレが、救うんだ……!
ジャマすんなぁぁぁ!」
生田目は叫び、周りのシャドウの渦が濃くなっていく。
「な……なんだありゃあ」
「シャドウとひとつになって……同化してく……!?
力がどんどん強まって……!」
りせが焦ったような声を出した直後。
<その子を……かえせ……
その子は……オレが……>
<オレがすくううううううううう!!>
生田目はシャドウの渦に吞み込まれ、そして全く違う何かへと姿を変えた。