早朝の焦り
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無機質なコールが、三回。
『もしもし、悠?』
聞こえてきたのは、ややノイズ交じりの、いつもの声だった。
「ユキさん、今、いいですか」
『急用でしょ。気にしないで話して』
「……菜々子が、失踪しました。
マヨナカテレビに、姿が映って……」
『……そう。菜々子ちゃんが』
「堂島さんが今、パトカーで向かってて、それで……えっと、」
冷静に話そうとすればするほど、言葉が詰まる。
それを察してか、声はいつも通りに、こちらの思いを受け取った。
『……取り敢えず、悠は遼太郎さん達を追って。俺は先にこっちで場所を探すから。
目印も置いとくから、クマならわかると思う』
「ユキさ……」
『死なない。大丈夫』
大丈夫。大丈夫。繰り返される声に、息を吐く。
「……すみません」
『気にするな。皆同じように慌ててるだろうから、落ち着いてから来いよ』
「はい」
じゃあね、と言って、通話は切られた。
(ユキさんは、相変わらず落ち着いてるな)
自分より慌てている人を見ると冷静になる、とは言うけれど。
この人はどんなことがあっても冷静でいそうな、そんな気がした。
『もしもし、悠?』
聞こえてきたのは、ややノイズ交じりの、いつもの声だった。
「ユキさん、今、いいですか」
『急用でしょ。気にしないで話して』
「……菜々子が、失踪しました。
マヨナカテレビに、姿が映って……」
『……そう。菜々子ちゃんが』
「堂島さんが今、パトカーで向かってて、それで……えっと、」
冷静に話そうとすればするほど、言葉が詰まる。
それを察してか、声はいつも通りに、こちらの思いを受け取った。
『……取り敢えず、悠は遼太郎さん達を追って。俺は先にこっちで場所を探すから。
目印も置いとくから、クマならわかると思う』
「ユキさ……」
『死なない。大丈夫』
大丈夫。大丈夫。繰り返される声に、息を吐く。
「……すみません」
『気にするな。皆同じように慌ててるだろうから、落ち着いてから来いよ』
「はい」
じゃあね、と言って、通話は切られた。
(ユキさんは、相変わらず落ち着いてるな)
自分より慌てている人を見ると冷静になる、とは言うけれど。
この人はどんなことがあっても冷静でいそうな、そんな気がした。