不参加の文化祭
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結局、あれから女子達が男子達に謝りに行って、お詫びにとそのままカードゲームをすることになった。
自分は特に乗り気ではなかったので外を眺めていたが存外盛り上がったらしく、何度もやらないかと誘ってきた時ははしゃぎすぎとつい釘を刺してしまったけれど。
時間はもう2時。悠達は遊び疲れてすっかり寝てしまって、自分はゆっくりと風呂に入らせて貰った後廊下を歩いていた。
自分達の部屋の近くまで来ると、ふと、小さい人影が目に入る。
「……菜々子ちゃん?」
「あ……お兄ちゃん」
「……眠れないの?」
「……うん」
菜々子ちゃんは指先をいじりながら、下を向いた。
近寄ってしゃがむと、彼女の冷たくなった頬に手を添える。
起きてしまってから、どのくらいここにいたのだろう。
女子部屋から、わざわざこっちに移動してきて。そうなると、用は一つに絞られる。
「ユキ、おにいちゃん……一緒に、寝てほしい……」
「……別に、いいけど」
布団、温かくないよ。言いながら、ゆっくりと男子部屋へ導く。
寝床に2人で入り込むと、菜々子ちゃんは俺を見上げて小さな声で言った。
「……お兄ちゃん、お父さんのかわりに、授業参観に来れる?」
「行こうと思えば行けるけど……でも、俺は行くべきじゃないよ」
「どうして?」
「君にはまだ、家族がいるだろ?」
え、と声がする。俺はその顔を見ずに言葉を続けた。
「今いる家族は、大切にするべきだと俺は思う。
俺も頼んでみるから、聞いてみよう?」
「……うん」
聞き分けのいい、わがままを言うのが苦手な彼女の頭を、ゆっくり、ゆっくり撫でた。
君はまだ、大丈夫。
家族も、友達も、仲間だっている。
(……あの時の俺とは、違う)
閉じた瞼の裏に見えたのは、闇の中で戦う幼い自分の姿。
―あんな風にはさせない。
―この子は絶対、守ってみせる。
自分は特に乗り気ではなかったので外を眺めていたが存外盛り上がったらしく、何度もやらないかと誘ってきた時ははしゃぎすぎとつい釘を刺してしまったけれど。
時間はもう2時。悠達は遊び疲れてすっかり寝てしまって、自分はゆっくりと風呂に入らせて貰った後廊下を歩いていた。
自分達の部屋の近くまで来ると、ふと、小さい人影が目に入る。
「……菜々子ちゃん?」
「あ……お兄ちゃん」
「……眠れないの?」
「……うん」
菜々子ちゃんは指先をいじりながら、下を向いた。
近寄ってしゃがむと、彼女の冷たくなった頬に手を添える。
起きてしまってから、どのくらいここにいたのだろう。
女子部屋から、わざわざこっちに移動してきて。そうなると、用は一つに絞られる。
「ユキ、おにいちゃん……一緒に、寝てほしい……」
「……別に、いいけど」
布団、温かくないよ。言いながら、ゆっくりと男子部屋へ導く。
寝床に2人で入り込むと、菜々子ちゃんは俺を見上げて小さな声で言った。
「……お兄ちゃん、お父さんのかわりに、授業参観に来れる?」
「行こうと思えば行けるけど……でも、俺は行くべきじゃないよ」
「どうして?」
「君にはまだ、家族がいるだろ?」
え、と声がする。俺はその顔を見ずに言葉を続けた。
「今いる家族は、大切にするべきだと俺は思う。
俺も頼んでみるから、聞いてみよう?」
「……うん」
聞き分けのいい、わがままを言うのが苦手な彼女の頭を、ゆっくり、ゆっくり撫でた。
君はまだ、大丈夫。
家族も、友達も、仲間だっている。
(……あの時の俺とは、違う)
閉じた瞼の裏に見えたのは、闇の中で戦う幼い自分の姿。
―あんな風にはさせない。
―この子は絶対、守ってみせる。