出会いと大型シャドウ
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ガタガタ……ゴトンッ!!
外からそんな奇妙な音が聞こえて、有里は目を覚ました。
始業式があってから暫くして、ようやく落ち着いてきた夜。何があったのだろうと体を起こし上着を羽織っていると、岳羽が慌てた様子でノックして入ってきた。
「すごい物音しちゃったから起きちゃったけど、何?」
「っ悪いけど説明している暇はないの!今すぐ此処から出るから!」
グイと腕を掴まれ、有里は彼女が走るままに階段から裏口までついていく。
しかし外側からドンドンと何かが叩くような衝撃が伝わって、二人はまた駆け出した。
「……よし、此処までくれば……」
着いたのは、屋上。岳羽はパスコードで来た道に鍵をかけ、安堵したように息を漏らした。
だが、それも一瞬だけ。ズルズルと音が聞こえて振り返ると、其処には幾つもの手と仮面一つのみの奇妙な物体が姿を現していた。
「……あれが、シャドウ……!!」
岳羽がそう呟いてホルスターから銃を取り出そうとするも、シャドウと呼ばれた手の剣により体ごと弾かれ後ろへ倒れてしまう。
「……!!」
銃なら、倒せるかもしれない。
有里は飛ばされた銃を掴みシャドウへその銃口を向ようとすると、奇妙な違和感に気づく。
(……鍵?)
自分が持っていたのは銃の筈。
だが、右手の中に抱えていたのはどうみても、今朝の夢の中で貰った鍵で。
ふと銃を拾ったところを見ると、其処にはボーダーの少年が右手を銃のように頭に当てている姿があった。
『君には、できる?』
それだけ言うとフッと少年は消え、右手にグリップの感触が戻ってくる。
有里は銃をシャドウに向けず、自分の頭部に銃口を合わせた。
「ペル…ソ……ナ」
ガァンッッ!!!
反対側の頭部から何か光が溢れ、それが集約しては一つの形を形成する。
『我は汝、汝は我……我は汝の心の海より出てし者』
”幽玄の奏者”、オルフェウスなり……
琴を抱えた男性はそう言って、眼前のシャドウに突進していく。
シャドウは最初怯んだものの、すぐに剣を突きたて、オルフェウスの攻撃を阻む。
オルフェウスは琴を振り上げ、そしてシャドウに向かって叩きつけた。するとズカァァァンという大きな音と共に、そのシャドウの仮面が壊れ消滅した。
(倒した…か……?)
有里は急に力が抜け、その場に座り込む。
すると岳羽が「有里君、まだ!」と叫んだ。
目の前には先ほどと比べ小さいものの、シャドウが2体ズルズルと近づいてきている。
「今のシャドウから出たんだわ……逃げて!」
そう言われるも、有里は全く動けない。
もう、終わりか。
どこか他人事のように呟いて、目を閉じる。
「『死んでくれる?』」
聞こえてきたその声に瞼を僅かに上げると、シャドウにトランプのような何かが突き刺さり消滅していくのが見えた。
その奥には、大きな兎と、黒いフードを被った人間らしき姿が確認できる。
兎の頭には大きな帽子、首には大きな時計がかかっていて、まるで不思議の国のアリスの時計兎だな、なんてぼんやり思った。
「……怪我、ない?」
人間からそう声が聞こえ、岳羽も有里も頷く。
「あの……あなたも、ペルソナ使いなの……?」
「うん。ってことは、君たちもか」
人間はそう言うと、ドタドタと聞こえてきた音にため息をついた。
「……そろそろ、お仲間の到着だ。俺は失礼するよ」
「え、ちょっ、名前は……!?」
「教える必要はない。いくよ、クロッカー」
ヒョイと兎の背に乗ると、兎は屋上から向かいの屋上へ、更にその向こうへとあっという間に消えていく。
それからドアが開き桐条達が駆け込んできた時には、有里は意識を失い、岳羽は茫然と人間が居なくなった方を見つめていた。
外からそんな奇妙な音が聞こえて、有里は目を覚ました。
始業式があってから暫くして、ようやく落ち着いてきた夜。何があったのだろうと体を起こし上着を羽織っていると、岳羽が慌てた様子でノックして入ってきた。
「すごい物音しちゃったから起きちゃったけど、何?」
「っ悪いけど説明している暇はないの!今すぐ此処から出るから!」
グイと腕を掴まれ、有里は彼女が走るままに階段から裏口までついていく。
しかし外側からドンドンと何かが叩くような衝撃が伝わって、二人はまた駆け出した。
「……よし、此処までくれば……」
着いたのは、屋上。岳羽はパスコードで来た道に鍵をかけ、安堵したように息を漏らした。
だが、それも一瞬だけ。ズルズルと音が聞こえて振り返ると、其処には幾つもの手と仮面一つのみの奇妙な物体が姿を現していた。
「……あれが、シャドウ……!!」
岳羽がそう呟いてホルスターから銃を取り出そうとするも、シャドウと呼ばれた手の剣により体ごと弾かれ後ろへ倒れてしまう。
「……!!」
銃なら、倒せるかもしれない。
有里は飛ばされた銃を掴みシャドウへその銃口を向ようとすると、奇妙な違和感に気づく。
(……鍵?)
自分が持っていたのは銃の筈。
だが、右手の中に抱えていたのはどうみても、今朝の夢の中で貰った鍵で。
ふと銃を拾ったところを見ると、其処にはボーダーの少年が右手を銃のように頭に当てている姿があった。
『君には、できる?』
それだけ言うとフッと少年は消え、右手にグリップの感触が戻ってくる。
有里は銃をシャドウに向けず、自分の頭部に銃口を合わせた。
「ペル…ソ……ナ」
ガァンッッ!!!
反対側の頭部から何か光が溢れ、それが集約しては一つの形を形成する。
『我は汝、汝は我……我は汝の心の海より出てし者』
”幽玄の奏者”、オルフェウスなり……
琴を抱えた男性はそう言って、眼前のシャドウに突進していく。
シャドウは最初怯んだものの、すぐに剣を突きたて、オルフェウスの攻撃を阻む。
オルフェウスは琴を振り上げ、そしてシャドウに向かって叩きつけた。するとズカァァァンという大きな音と共に、そのシャドウの仮面が壊れ消滅した。
(倒した…か……?)
有里は急に力が抜け、その場に座り込む。
すると岳羽が「有里君、まだ!」と叫んだ。
目の前には先ほどと比べ小さいものの、シャドウが2体ズルズルと近づいてきている。
「今のシャドウから出たんだわ……逃げて!」
そう言われるも、有里は全く動けない。
もう、終わりか。
どこか他人事のように呟いて、目を閉じる。
「『死んでくれる?』」
聞こえてきたその声に瞼を僅かに上げると、シャドウにトランプのような何かが突き刺さり消滅していくのが見えた。
その奥には、大きな兎と、黒いフードを被った人間らしき姿が確認できる。
兎の頭には大きな帽子、首には大きな時計がかかっていて、まるで不思議の国のアリスの時計兎だな、なんてぼんやり思った。
「……怪我、ない?」
人間からそう声が聞こえ、岳羽も有里も頷く。
「あの……あなたも、ペルソナ使いなの……?」
「うん。ってことは、君たちもか」
人間はそう言うと、ドタドタと聞こえてきた音にため息をついた。
「……そろそろ、お仲間の到着だ。俺は失礼するよ」
「え、ちょっ、名前は……!?」
「教える必要はない。いくよ、クロッカー」
ヒョイと兎の背に乗ると、兎は屋上から向かいの屋上へ、更にその向こうへとあっという間に消えていく。
それからドアが開き桐条達が駆け込んできた時には、有里は意識を失い、岳羽は茫然と人間が居なくなった方を見つめていた。