”終わり”の始まり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……チドリに、来るなって言われた?」
淡々としたウサギさんの言葉に、俺はコクリと頷く。
夜のラウンジ。ウサギさんは今日も湊に呼ばれていたらしく、お茶を飲んでは「なんでまた…」と口を開いた。
「それが、俺っちにもわかんなくて……なんか嫌われる事したかな……」
「……考えるより、聞いてみた方が早いと思うけど」
「それが出来たら苦労しねーっすよ……」
ガクリと項垂れると、ウサギさんはふむと口元に手を当てて考え込む。
「今まで、別に嫌われてる様子はなかったんだよな?」
「ハイ……そりゃもう、俺っちが行ったら話してくれたくらいですし」
「で、順平君は諦めたいの?」
「んなわけ……!」
「じゃあ、それでいいだろ」
即答。サラリとした返しに、俺は思わず肩の力が抜けた。
彼は相変わらず表情を一切変えず、ただ「どうした?」と首を傾げている。
「いや、それでいいだろって……」
「アンタは、自ら後悔したい道を選ぶのか?」
なんてことないように、当たり前のように。
そう尋ねた赤色の瞳は、ただただ眉を下げた情けない俺の顔を映していた。
「……」
「後悔しそうな道を選んで、それで後悔しないのならいい。
……今の順平君を見てると、とてもそうは思えないけどな」
ひんやりとした掌が俺の頬を両側から覆い、ジイっと見上げてくる。
俺はしばらく黙ったあと、くはっと情けなく笑ってみせた。
「そっすね。確かに、後悔しそうっスわ」
「……」
「なんでか分かんねーままなのも嫌だし、明日もまた行ってみるッス!」
「そう」
頷くと、ゆっくりと頬から手を離す。
そしてまたお茶を一口飲むと、コロ丸とひとしきり戯れて(というより一方的にじゃれつかれて)からバイトへと向かっていった。
「……やっぱ、異形とは思えねーよなー……」
色々と人間ばなれしているところはあれど、あの髪や目はどうしてもそういう、怖いイメージには捉えられない。
色合いとしてはコロ丸に似てるけど、それとはまた違った、なんというか……
「綺麗……そうだ、綺麗なんだ、あの人」
全然考えてることとか読めないし、湊以上の天然というか、自由人な気はするけど。
その口から出る声は、言葉は、いつでも羨ましいくらい真っ直ぐで心地よくて。
だからこそ、
(いつかそれが失くなったらと思うと、怖くてたまらねーや……)
淡々としたウサギさんの言葉に、俺はコクリと頷く。
夜のラウンジ。ウサギさんは今日も湊に呼ばれていたらしく、お茶を飲んでは「なんでまた…」と口を開いた。
「それが、俺っちにもわかんなくて……なんか嫌われる事したかな……」
「……考えるより、聞いてみた方が早いと思うけど」
「それが出来たら苦労しねーっすよ……」
ガクリと項垂れると、ウサギさんはふむと口元に手を当てて考え込む。
「今まで、別に嫌われてる様子はなかったんだよな?」
「ハイ……そりゃもう、俺っちが行ったら話してくれたくらいですし」
「で、順平君は諦めたいの?」
「んなわけ……!」
「じゃあ、それでいいだろ」
即答。サラリとした返しに、俺は思わず肩の力が抜けた。
彼は相変わらず表情を一切変えず、ただ「どうした?」と首を傾げている。
「いや、それでいいだろって……」
「アンタは、自ら後悔したい道を選ぶのか?」
なんてことないように、当たり前のように。
そう尋ねた赤色の瞳は、ただただ眉を下げた情けない俺の顔を映していた。
「……」
「後悔しそうな道を選んで、それで後悔しないのならいい。
……今の順平君を見てると、とてもそうは思えないけどな」
ひんやりとした掌が俺の頬を両側から覆い、ジイっと見上げてくる。
俺はしばらく黙ったあと、くはっと情けなく笑ってみせた。
「そっすね。確かに、後悔しそうっスわ」
「……」
「なんでか分かんねーままなのも嫌だし、明日もまた行ってみるッス!」
「そう」
頷くと、ゆっくりと頬から手を離す。
そしてまたお茶を一口飲むと、コロ丸とひとしきり戯れて(というより一方的にじゃれつかれて)からバイトへと向かっていった。
「……やっぱ、異形とは思えねーよなー……」
色々と人間ばなれしているところはあれど、あの髪や目はどうしてもそういう、怖いイメージには捉えられない。
色合いとしてはコロ丸に似てるけど、それとはまた違った、なんというか……
「綺麗……そうだ、綺麗なんだ、あの人」
全然考えてることとか読めないし、湊以上の天然というか、自由人な気はするけど。
その口から出る声は、言葉は、いつでも羨ましいくらい真っ直ぐで心地よくて。
だからこそ、
(いつかそれが失くなったらと思うと、怖くてたまらねーや……)