復讐の代償
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「君でも風邪引くんだね。びっくりだ」
ユキはポツリとそう言って、湊の額に冷えピタを貼る。
湊は「……煩い」と少しふてくされたように呟いた。
月光学園の寮の一室。
ペラリと本を捲りながらベッドの脇にちょこんと座ったユキに、湊は「ゴメン」と謝る。
「何が?」
「色々……最近、自分が不甲斐ないことが多くて……」
「湊が悪いわけじゃない」
ゴーグルを外した、紅の双眸と目が合う。彼は本を少し閉じて、湊に向き直った。
「……湊は頑張ってる。だから、たまには休め」
「……ユキ……だけど、僕はリーダーだから……」
「……そうだね、でも、一人で抱え込むのはダメ」
ひやりとした感触が、頬を撫でる。
(冷た……)
それが彼の手だと知り、湊はその心地よさに目を細めた。
「リーダーって言ったって、湊もまだ高2だろ?
言いたい事は言ったほうがいい。溜め込むと、体にも悪くなる」
するりと手が離れていきまた読書に戻ったユキに、湊は背中に向かって言葉を発する。
「……最初、なんとなくでリーダーになったんだ」
「うん」
「でも、順平とは意見が食い違うし、岳羽さんはたまに桐条先輩絡みになると空気悪くなるし、それだけで結構疲れるのに、他にも色々あってさ……」
「そっか」
「リーダーなんだから、リーダーの癖にって……僕はそこまで、超人じゃないのに……」
「そうだね」
ペラリ、ペラリと本を捲る音が響く。けれど返ってくる声は何故かひどく安心の出来る声で、湊はホ、と息を吐いた。
「……正直、ユキがいなかったら、もっとギスギスしてた時期とかあったと思う。……ホントに、ユキには敵わないよ」
「……順平君もそう言ってたけど、俺は別に何かしたわけじゃない」
ハアとため息が聞こえ、そんな声が返ってきた。
「変わったのは、アンタ等自身の力だ。俺はそれに関与していない。
俺はそもそもアンタ等の仲間じゃないからな」
読み終わった本をパタリと閉じて、ユキは目を細めた。
そしてまた頬に指を滑らせると、「まだ熱いな」と呟く。
「……ユキの手、冷たい……気持ちい……」
「ん。ならいいんだけど……他に、してほしいこととかあったら言ってね」
熱を冷ますように両手を彼の頬に当てて、少しだけ体を前のめりにすれば、湊はぼんやりとした顔でゆっくりと手を伸ばした。
手はユキの頬に触れて、じんわりと暖かくなる。
「ここも、冷たい……」
「……湊?……わっ」
グイと引っ張られて、ユキは抵抗なく湊の上に覆いかぶさる。
そして頬に置かれた手は、彼の唇を自分の唇に重ねた。
チュッ、とリップ音が響き、湊は角度を変えてキスをする。
舌を滑り込ませ絡ませると、ユキから甘い声が漏れた。
「ん、ふ、……ふぁ、あ、」
「……ユキ、口の中は熱い……なんで?」
「は、ぁ……知らない……」
ユキは口を離して、ゆっくりと湊の上から退いた。
湊は満足したのか、そのまま瞼を下ろす。
「……あ、この行為について調べるの忘れてた」
なんの気なしに呟かれた言葉は、静かな部屋に溶けていった。
ユキはポツリとそう言って、湊の額に冷えピタを貼る。
湊は「……煩い」と少しふてくされたように呟いた。
月光学園の寮の一室。
ペラリと本を捲りながらベッドの脇にちょこんと座ったユキに、湊は「ゴメン」と謝る。
「何が?」
「色々……最近、自分が不甲斐ないことが多くて……」
「湊が悪いわけじゃない」
ゴーグルを外した、紅の双眸と目が合う。彼は本を少し閉じて、湊に向き直った。
「……湊は頑張ってる。だから、たまには休め」
「……ユキ……だけど、僕はリーダーだから……」
「……そうだね、でも、一人で抱え込むのはダメ」
ひやりとした感触が、頬を撫でる。
(冷た……)
それが彼の手だと知り、湊はその心地よさに目を細めた。
「リーダーって言ったって、湊もまだ高2だろ?
言いたい事は言ったほうがいい。溜め込むと、体にも悪くなる」
するりと手が離れていきまた読書に戻ったユキに、湊は背中に向かって言葉を発する。
「……最初、なんとなくでリーダーになったんだ」
「うん」
「でも、順平とは意見が食い違うし、岳羽さんはたまに桐条先輩絡みになると空気悪くなるし、それだけで結構疲れるのに、他にも色々あってさ……」
「そっか」
「リーダーなんだから、リーダーの癖にって……僕はそこまで、超人じゃないのに……」
「そうだね」
ペラリ、ペラリと本を捲る音が響く。けれど返ってくる声は何故かひどく安心の出来る声で、湊はホ、と息を吐いた。
「……正直、ユキがいなかったら、もっとギスギスしてた時期とかあったと思う。……ホントに、ユキには敵わないよ」
「……順平君もそう言ってたけど、俺は別に何かしたわけじゃない」
ハアとため息が聞こえ、そんな声が返ってきた。
「変わったのは、アンタ等自身の力だ。俺はそれに関与していない。
俺はそもそもアンタ等の仲間じゃないからな」
読み終わった本をパタリと閉じて、ユキは目を細めた。
そしてまた頬に指を滑らせると、「まだ熱いな」と呟く。
「……ユキの手、冷たい……気持ちい……」
「ん。ならいいんだけど……他に、してほしいこととかあったら言ってね」
熱を冷ますように両手を彼の頬に当てて、少しだけ体を前のめりにすれば、湊はぼんやりとした顔でゆっくりと手を伸ばした。
手はユキの頬に触れて、じんわりと暖かくなる。
「ここも、冷たい……」
「……湊?……わっ」
グイと引っ張られて、ユキは抵抗なく湊の上に覆いかぶさる。
そして頬に置かれた手は、彼の唇を自分の唇に重ねた。
チュッ、とリップ音が響き、湊は角度を変えてキスをする。
舌を滑り込ませ絡ませると、ユキから甘い声が漏れた。
「ん、ふ、……ふぁ、あ、」
「……ユキ、口の中は熱い……なんで?」
「は、ぁ……知らない……」
ユキは口を離して、ゆっくりと湊の上から退いた。
湊は満足したのか、そのまま瞼を下ろす。
「……あ、この行為について調べるの忘れてた」
なんの気なしに呟かれた言葉は、静かな部屋に溶けていった。