夏休み
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「あー助かるわー!ほんとありがとね、桜木君!」
鳥海先生から言われたその言葉に「……いえ」と小さく返し、パソコンのデータをまとめていく。
手元には鳥海先生に頼まれたUSBメモリ、と、他の先生が素知らぬ顔して置いていった付箋書き付きのメモリが散乱していて、それを空いているパソコンで開いてはまとめ、データを上書き保存し渡すという作業を繰り返していた。
江戸川先生のも混じっていて、思わず目を閉じたくなる。
(そういえば、去年もあったなこれ……)
人数分の名簿と、数字の羅列。一つ一つを照合して、演算するだけの簡単な作業。
相変わらず空気は重いし、危険人物として見られる視線は痛い。
「……というか、俺が見ていいんですか、このデータ」
「え?いやまあ、本当ならダメなんだけどね」
―こら、教師。
「でも桜木君なら口堅そうだし、こういうデータ悪用しようとか考えないでしょ?」
「……まあ、正直こんなことやってる位ならバイト行きたいです」
ボソリと言いながら、まとめ終わったデータを保存し他の先生に渡す。
そしてまた席に戻ると、何故かメモリカードが増えていた。
「………」
「いやー、教師にも夏休みってあっていいと思わない?」
(……危険人物だけど、利用できるものは利用したい、ってところかな)
ハアとため息をつき、パソコンに向かう。
こういう中途半端な人間関係は好きじゃない。どうせこれが終わった後でも、俺に対する態度も何も変わることがないから。
「……13時にはバイト入ってるんで、残った分は明日に回しますから」
そう念押しして、キーボードに指を叩きつけた。
鳥海先生から言われたその言葉に「……いえ」と小さく返し、パソコンのデータをまとめていく。
手元には鳥海先生に頼まれたUSBメモリ、と、他の先生が素知らぬ顔して置いていった付箋書き付きのメモリが散乱していて、それを空いているパソコンで開いてはまとめ、データを上書き保存し渡すという作業を繰り返していた。
江戸川先生のも混じっていて、思わず目を閉じたくなる。
(そういえば、去年もあったなこれ……)
人数分の名簿と、数字の羅列。一つ一つを照合して、演算するだけの簡単な作業。
相変わらず空気は重いし、危険人物として見られる視線は痛い。
「……というか、俺が見ていいんですか、このデータ」
「え?いやまあ、本当ならダメなんだけどね」
―こら、教師。
「でも桜木君なら口堅そうだし、こういうデータ悪用しようとか考えないでしょ?」
「……まあ、正直こんなことやってる位ならバイト行きたいです」
ボソリと言いながら、まとめ終わったデータを保存し他の先生に渡す。
そしてまた席に戻ると、何故かメモリカードが増えていた。
「………」
「いやー、教師にも夏休みってあっていいと思わない?」
(……危険人物だけど、利用できるものは利用したい、ってところかな)
ハアとため息をつき、パソコンに向かう。
こういう中途半端な人間関係は好きじゃない。どうせこれが終わった後でも、俺に対する態度も何も変わることがないから。
「……13時にはバイト入ってるんで、残った分は明日に回しますから」
そう念押しして、キーボードに指を叩きつけた。