夏休み
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「夏期講習ね……俺、鳥海先生に手伝い頼まれてるから」
そう言って講習が始まる前に鞄を担ぎ教室出ていこうとするユキに、順平は目を丸くした。
「え、じゃあお前も夏期講習取ってない感じ?」
「……学校の統計資料とか作りたいなら、替わるけど?」
「いや、遠慮しときます!」
淡々とした言葉に首を振り、「あ、でも冷房効いてんだよな……いやいや!データとか無理!」とまた一人芝居をした頃には、もう彼はいなくなっていた。
「あれ、順平?いつの間に桜木君と喋るようになったの?」
ゆかりが下敷きで顔を仰ぎながら尋ねる。
「んー……ちょっと色々あったんだよ」
「何ソレ。内緒ってこと?」
「もっちろん!」
「うわウザッ」
顔を顰めた彼女に対し得意げに笑い、遅れて来た湊に「はよー」と声をかけた。
「……おはよう。順平は朝から元気だね」
「いやー、夏期講習は勘弁なんだけどさ、こー、テンション高くして乗り切るぜー!的な?」
「暑苦しい」
「ヒドッ!!?」
湊は手でパタパタと仰ぎながら席につき、「なんか涼しくなるような事言ってよ」と注文してくる。
「あ、じゃあとっておきの伊織順平アワーを……」
「やめて」
「ゆかりっちひどくね?え、何この暗に喋るなって言われてるような雰囲気。俺っち何かした?」
順平が落ち込んでいる様子をチラリと見ながら、講習を受ける用意をする。
ただでさえ暑いのだ、これ以上暑くなりたくない。
(今年は、例年より暑いらしいけど……)
そこまで考えて、コロ丸と天田は大丈夫かなと考える。
天田は小等部の夏休みの間、寮の部屋を貸すことにしたらしい。
コロ丸はついこの間来たばかりの、新しい仲間(犬)だ。
(……そういえば、ユキに新しい仲間ができたって伝えないと……)
パカッと携帯を開き、その旨をメールすれば、すぐ返信がくる。
『了解。夏祭りの準備とバイトが立て込んでてしばらく行けないから、夏祭りの翌日に行く。』
(……だよなあ……)
夏祭り、一緒に遊びに行かない?とか、誘ってみたかったんだけど。
湊はため息をつき、首を振る。
(忙しいんだから、しょうがない)
そうして携帯を仕舞おうとすると、もう一件、メールが来ていたのに気づいて画面を開く。
『夏祭り、もしかしたら後半時間貰えるかもしれないけど、そっち時間ある?
無かったら別の仕事入れるから、気にしなくていい。』
(……エスパー?)
頭を抱えたくなる衝動を抑え、『大丈夫』とメールを打つ。
すると『分かった』とシンプルな答えが返ってきて。
(少し嬉しそうだな、とか思うのは、僕の勘違いかな?)
―いよいよ、自分の頭は夏の暑さでおかしくなったのかもしれない。
湊は深く息を吐いて、少し早くなった鼓動を押さえつけた。
そう言って講習が始まる前に鞄を担ぎ教室出ていこうとするユキに、順平は目を丸くした。
「え、じゃあお前も夏期講習取ってない感じ?」
「……学校の統計資料とか作りたいなら、替わるけど?」
「いや、遠慮しときます!」
淡々とした言葉に首を振り、「あ、でも冷房効いてんだよな……いやいや!データとか無理!」とまた一人芝居をした頃には、もう彼はいなくなっていた。
「あれ、順平?いつの間に桜木君と喋るようになったの?」
ゆかりが下敷きで顔を仰ぎながら尋ねる。
「んー……ちょっと色々あったんだよ」
「何ソレ。内緒ってこと?」
「もっちろん!」
「うわウザッ」
顔を顰めた彼女に対し得意げに笑い、遅れて来た湊に「はよー」と声をかけた。
「……おはよう。順平は朝から元気だね」
「いやー、夏期講習は勘弁なんだけどさ、こー、テンション高くして乗り切るぜー!的な?」
「暑苦しい」
「ヒドッ!!?」
湊は手でパタパタと仰ぎながら席につき、「なんか涼しくなるような事言ってよ」と注文してくる。
「あ、じゃあとっておきの伊織順平アワーを……」
「やめて」
「ゆかりっちひどくね?え、何この暗に喋るなって言われてるような雰囲気。俺っち何かした?」
順平が落ち込んでいる様子をチラリと見ながら、講習を受ける用意をする。
ただでさえ暑いのだ、これ以上暑くなりたくない。
(今年は、例年より暑いらしいけど……)
そこまで考えて、コロ丸と天田は大丈夫かなと考える。
天田は小等部の夏休みの間、寮の部屋を貸すことにしたらしい。
コロ丸はついこの間来たばかりの、新しい仲間(犬)だ。
(……そういえば、ユキに新しい仲間ができたって伝えないと……)
パカッと携帯を開き、その旨をメールすれば、すぐ返信がくる。
『了解。夏祭りの準備とバイトが立て込んでてしばらく行けないから、夏祭りの翌日に行く。』
(……だよなあ……)
夏祭り、一緒に遊びに行かない?とか、誘ってみたかったんだけど。
湊はため息をつき、首を振る。
(忙しいんだから、しょうがない)
そうして携帯を仕舞おうとすると、もう一件、メールが来ていたのに気づいて画面を開く。
『夏祭り、もしかしたら後半時間貰えるかもしれないけど、そっち時間ある?
無かったら別の仕事入れるから、気にしなくていい。』
(……エスパー?)
頭を抱えたくなる衝動を抑え、『大丈夫』とメールを打つ。
すると『分かった』とシンプルな答えが返ってきて。
(少し嬉しそうだな、とか思うのは、僕の勘違いかな?)
―いよいよ、自分の頭は夏の暑さでおかしくなったのかもしれない。
湊は深く息を吐いて、少し早くなった鼓動を押さえつけた。