―あの時、ウサギさんが言っていた言葉。

私たちは、ただ呆然とストレガの言葉を聞き入れるしか出来なかった。
―「自分は正義として戦ってない」とか。
―「約束を果たすために、戦ってる」とか。
なんて真っ直ぐで、躊躇いのない言葉だったのだろう。
（……それに比べて、私は）
あの時、躊躇ってしまった。
”偽善”と言われて、”生きがい”と言われて。
引き金を引くことを、恐れた。
（……きっとウサギさんは、この戦いの終わりを知っているんだ）
それが”約束”だから。
そうじゃなかったら戦って死ぬなんてこと、簡単に言える訳が無い。
迷いない動機。躊躇のない戦い方。
……羨ましいと思えるほどに経験を積んだ、圧倒的な強さ。
（私は……まだまだだ）
ちゃんとした、明確な”戦う意志”がない。
このままでは、ペルソナを呼ぶことは出来ないだろう。
（ちゃんと見つけなくちゃ……”戦う理由”を）