幻想に負けない
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ベッドの向かいにあった鏡を割ると、どうやらそれが相手の結界だったらしくフッと部屋の空気が変わったのを肌で感じた。
別の、また同じ雰囲気を纏った部屋の鏡を割れば、『さっきのシャドウがいた場所に、新たなシャドウの反応を発見しました!』と山岸さんの声が聞こえてくる。
「……行こう」
そう言ったのはユキだ。すると桐条先輩が「お前、怪我は……」と口ごもりながら彼を止めようとする。
そりゃあ、実際怪我ではないにしろ歩けていない人間がいるのだ。ここは一旦引くのが筋だろう。
しかし彼は平然と「俺の心配はいらない」と答える。
「確かにまだ歩けはしないが、そんなこと今まで何回経験したと思ってる?
アンタ等は自分のことだけ考えていろ」
「……わかった。失言だったな」
桐条先輩はそれっきり黙って、僕のすぐ後ろをついてくる。
他の二人も先輩と同じことを考えていたようだったが、特に気にはせずシャドウのいる部屋へと急いだ。
結果だけ言えば、それはやはり杞憂と言うべき話だった。
足の使えない彼はあろうことかペルソナに『乗り』(そういえば、彼は最初助けてくれた時もクロッカーに乗っていた)、そのまま突進してナイフを突きたてあっという間に倒したのだ。
「まあ、乗らなくてもナイフを投げるとか、普通にクロッカーに攻撃させるとか、色々あるけどね」と何の気なしに言ってのける彼は暫く経って足の調子も元に戻ったのか、さっさと帰ってしまった。
今日はバイトとは行っていなかったけれど、また何かしらの用事が入っているのだろう。
(そういえば……そろそろ僕もバイト始めないとな……)
今のところ、装備を揃えるのにタルタロスなどで得る金額でなんとか賄えてはいるものの、どんどん強い敵と戦う事を考えると少し心許ない。
(……ユキにバイト教えてもらおう……)
何でもかんでも彼に頼る事は、あまりしたくないけれど。
でも彼が自分の知っている中で一番、頼りやすく頼もしいと思える人物となっていることは確かだった。
別の、また同じ雰囲気を纏った部屋の鏡を割れば、『さっきのシャドウがいた場所に、新たなシャドウの反応を発見しました!』と山岸さんの声が聞こえてくる。
「……行こう」
そう言ったのはユキだ。すると桐条先輩が「お前、怪我は……」と口ごもりながら彼を止めようとする。
そりゃあ、実際怪我ではないにしろ歩けていない人間がいるのだ。ここは一旦引くのが筋だろう。
しかし彼は平然と「俺の心配はいらない」と答える。
「確かにまだ歩けはしないが、そんなこと今まで何回経験したと思ってる?
アンタ等は自分のことだけ考えていろ」
「……わかった。失言だったな」
桐条先輩はそれっきり黙って、僕のすぐ後ろをついてくる。
他の二人も先輩と同じことを考えていたようだったが、特に気にはせずシャドウのいる部屋へと急いだ。
結果だけ言えば、それはやはり杞憂と言うべき話だった。
足の使えない彼はあろうことかペルソナに『乗り』(そういえば、彼は最初助けてくれた時もクロッカーに乗っていた)、そのまま突進してナイフを突きたてあっという間に倒したのだ。
「まあ、乗らなくてもナイフを投げるとか、普通にクロッカーに攻撃させるとか、色々あるけどね」と何の気なしに言ってのける彼は暫く経って足の調子も元に戻ったのか、さっさと帰ってしまった。
今日はバイトとは行っていなかったけれど、また何かしらの用事が入っているのだろう。
(そういえば……そろそろ僕もバイト始めないとな……)
今のところ、装備を揃えるのにタルタロスなどで得る金額でなんとか賄えてはいるものの、どんどん強い敵と戦う事を考えると少し心許ない。
(……ユキにバイト教えてもらおう……)
何でもかんでも彼に頼る事は、あまりしたくないけれど。
でも彼が自分の知っている中で一番、頼りやすく頼もしいと思える人物となっていることは確かだった。