幻想に負けない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―頭が、ぼんやりする。
シャワーを浴びてタオルで水滴を拭くと、バスタオルを腰に巻いて部屋に戻った。
部屋の中には、天蓋のついた大きな回転ベッドが鎮座していて、そこにユキがちょこんと腰掛けている。
「……ユキ……」
名前を呼ぶと彼は顔を上げて、首を傾げる。僅かに開けられたシャツの隙間から覗く白い肌が艶かしく、思わずゴクリと喉を鳴らした。
「もう大丈夫か?いきなり倒れて、心配した。他の人たちも分断されちゃったし……」
―倒れた?分断?
―何も、思い出せない。
「風花さんと連絡がつかないんだ。恐らくシャドウの仕業だろう。……にしても今シャワーを浴びるなんて、結構マイペースなんだな?」
そういえばなんでシャワー出てるんだろう……今、影時間だよな……?と呟く彼の肩を少し押せば、案外呆気なく彼の体はベッドに埋もれた。
綺麗な柘榴の瞳をパチクリと瞬かせ、「湊?」と薄い桜色の唇が名を呼ぶ。
―ああ、我慢できない。
顔を近づけると、彼の熱い息が頬にかかって心地良かった。
ドサッ。
ベッドに押し倒され、俺は目を丸くして湊を見る。
「……湊?」
「……」
おかしい。目が虚ろだ。肩を何度か叩くも反応は無く、体勢を立て直そうともがいていると唇に何か当たった。
「んむっ……ぅ、あ……ん……」
(……これ、湊の唇……だよな?)
何故、唇を合わせられているのだろう。この行為に意味があるのか自体わからない。
今度時間があったら図書館で調べておこうかな。
にゅるり。恐らく彼の舌であろうものが開いた口の中に入り込み、また軽く思考が停止する。
「んぁ、ん、あぅ、ふ……ぁ、」
舌は上顎、歯茎を蹂躙し、そして俺の舌に絡みついてくる。
至近距離。彼の長い前髪の隙間から青の目が滲んだ視界に入って、ハッと意識を覚醒させた。
(……もしかして、シャドウの仕業、とか……?さっきから虚ろだし、てか、呼吸つら……)
「ッ……んんっ……うぁ、ふ……湊、目、覚ませ……」
「……」
「は、……ひゃあっ!?」
舌が離れホッとしたのも束の間、今度は首元に顔を埋められ、髪の毛のくすぐったさに身を捩らせる。
口からは普段考えられないほどの高い声が漏れ、無意識のままガクガクと腰が揺れた。
「有里……ひぁ、あ……んン……っ……湊、湊ってば……」
ガシっと彼の頭を掴みなんとか顔を離させると、その頬を平手でペチペチと叩く。
すると暫くして我を取り戻したのか、虚ろな目が丸くなって服に掛かっていた手が離れた。
「……ごめん」
自分が何をしていたのか分かったのか、少しだけ顔を赤らめさせてそっぽを向く。
俺は「大丈夫」と答え、シャツの襟を整えた。
「敵のバステが原因かな、多分。俺は慣れてるからもうほぼ効かないし」
「そうなんだ……じゃあ、さっきの敵がブツブツ言ってたのも……」
「バステだな。まあ、俺も慣れるのに5年かかったから、装備とかで調整したほうがいいんだろうけど」
「今度、聞いてみるよ。……あとその、……ほんとに、ごめん」
湊は気まずそうに頭をさげ、俺は首を振る。
「気にするな。敵のせいだ、湊は悪くないだろ?」
「……そうだね」
「取り敢えず他の奴らを探そう。んで、シャドウに一発喰らわす」
そう言ってゴーグルをつけながら立ち上がって、すとんとしゃがみこむ。
「っ……あれ……?」
立とうとするも、足に力が入らない。下半身が重りのついたように、まるで言う事を聞かなかった。
「……足腰に、力入んない……のかも……」
困ったように眉を寄せ、息を吐く。
―理由はわからないが、最悪だ。
シャワーを浴びてタオルで水滴を拭くと、バスタオルを腰に巻いて部屋に戻った。
部屋の中には、天蓋のついた大きな回転ベッドが鎮座していて、そこにユキがちょこんと腰掛けている。
「……ユキ……」
名前を呼ぶと彼は顔を上げて、首を傾げる。僅かに開けられたシャツの隙間から覗く白い肌が艶かしく、思わずゴクリと喉を鳴らした。
「もう大丈夫か?いきなり倒れて、心配した。他の人たちも分断されちゃったし……」
―倒れた?分断?
―何も、思い出せない。
「風花さんと連絡がつかないんだ。恐らくシャドウの仕業だろう。……にしても今シャワーを浴びるなんて、結構マイペースなんだな?」
そういえばなんでシャワー出てるんだろう……今、影時間だよな……?と呟く彼の肩を少し押せば、案外呆気なく彼の体はベッドに埋もれた。
綺麗な柘榴の瞳をパチクリと瞬かせ、「湊?」と薄い桜色の唇が名を呼ぶ。
―ああ、我慢できない。
顔を近づけると、彼の熱い息が頬にかかって心地良かった。
ドサッ。
ベッドに押し倒され、俺は目を丸くして湊を見る。
「……湊?」
「……」
おかしい。目が虚ろだ。肩を何度か叩くも反応は無く、体勢を立て直そうともがいていると唇に何か当たった。
「んむっ……ぅ、あ……ん……」
(……これ、湊の唇……だよな?)
何故、唇を合わせられているのだろう。この行為に意味があるのか自体わからない。
今度時間があったら図書館で調べておこうかな。
にゅるり。恐らく彼の舌であろうものが開いた口の中に入り込み、また軽く思考が停止する。
「んぁ、ん、あぅ、ふ……ぁ、」
舌は上顎、歯茎を蹂躙し、そして俺の舌に絡みついてくる。
至近距離。彼の長い前髪の隙間から青の目が滲んだ視界に入って、ハッと意識を覚醒させた。
(……もしかして、シャドウの仕業、とか……?さっきから虚ろだし、てか、呼吸つら……)
「ッ……んんっ……うぁ、ふ……湊、目、覚ませ……」
「……」
「は、……ひゃあっ!?」
舌が離れホッとしたのも束の間、今度は首元に顔を埋められ、髪の毛のくすぐったさに身を捩らせる。
口からは普段考えられないほどの高い声が漏れ、無意識のままガクガクと腰が揺れた。
「有里……ひぁ、あ……んン……っ……湊、湊ってば……」
ガシっと彼の頭を掴みなんとか顔を離させると、その頬を平手でペチペチと叩く。
すると暫くして我を取り戻したのか、虚ろな目が丸くなって服に掛かっていた手が離れた。
「……ごめん」
自分が何をしていたのか分かったのか、少しだけ顔を赤らめさせてそっぽを向く。
俺は「大丈夫」と答え、シャツの襟を整えた。
「敵のバステが原因かな、多分。俺は慣れてるからもうほぼ効かないし」
「そうなんだ……じゃあ、さっきの敵がブツブツ言ってたのも……」
「バステだな。まあ、俺も慣れるのに5年かかったから、装備とかで調整したほうがいいんだろうけど」
「今度、聞いてみるよ。……あとその、……ほんとに、ごめん」
湊は気まずそうに頭をさげ、俺は首を振る。
「気にするな。敵のせいだ、湊は悪くないだろ?」
「……そうだね」
「取り敢えず他の奴らを探そう。んで、シャドウに一発喰らわす」
そう言ってゴーグルをつけながら立ち上がって、すとんとしゃがみこむ。
「っ……あれ……?」
立とうとするも、足に力が入らない。下半身が重りのついたように、まるで言う事を聞かなかった。
「……足腰に、力入んない……のかも……」
困ったように眉を寄せ、息を吐く。
―理由はわからないが、最悪だ。