幻想に負けない
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―法王、ハイエロファント。
超然と”生足”の椅子に腰を下ろしているシャドウは、こちらの動きをジッと見ているようだった。
『どうやら、電撃が無効になるみたいです。気をつけて!』
山岸の声に、全員が頷く。そして攻撃を始めると、不意に「全員、耳を塞げ!」と鋭い声が聞こえた。
咄嗟に両手で耳を塞ぎ敵を見ると、敵はブツブツと何かを呟いていて、塞いだ手のわずかな隙間から耳へと、冷たい空気が流れ込んでくる。
(!?……これ、は……)
がくりと膝をつき、震える体を押さえ込む。
―敵が、怖い。
こんな事態は初めてで、ハアハアと荒れ出す息を必死に整えようとすれば、風花の声が聞こえてきた。
『!順平君、桐条先輩、真田先輩、リーダーが怯えています!これは……』
「やっぱり……慣れてないと、こうなるか」
ユキはため息をついて、腰につけたポーチからオレンジ色のジェムを取り出し僕に手渡す。
「それ、自分が回復したら他の人にも回して。全員分は回復できる筈だから」
「……あ、りがとう……」
礼を言うと彼は小さくうなずいて、単身ハイエロファントに突っ込んでいった。
早く戦線に復活しなければとジェムを順平達に渡し、攻撃の構えを取る。
しかし彼が椅子に座る巨体の腹部に容赦なくナイフを突き立て、グッと柄をひねれば、あっという間にシャドウは消滅してしまった。
「……すまない、助かった」
「……別に。それより、もう一体のシャドウって――」
ユキが全て言い終わる前に、立ち上がったばかりの順平がフラリと倒れる。
真田先輩や桐条先輩もそれに続くように倒れ、そして自分の視界もぼんやりとし始めた。
「もしかして……っ、湊、起きて、湊……」
―少しだけ焦ったような、彼の顔。
それを瞳に焼き付けて、僕の意識は途絶えた。
超然と”生足”の椅子に腰を下ろしているシャドウは、こちらの動きをジッと見ているようだった。
『どうやら、電撃が無効になるみたいです。気をつけて!』
山岸の声に、全員が頷く。そして攻撃を始めると、不意に「全員、耳を塞げ!」と鋭い声が聞こえた。
咄嗟に両手で耳を塞ぎ敵を見ると、敵はブツブツと何かを呟いていて、塞いだ手のわずかな隙間から耳へと、冷たい空気が流れ込んでくる。
(!?……これ、は……)
がくりと膝をつき、震える体を押さえ込む。
―敵が、怖い。
こんな事態は初めてで、ハアハアと荒れ出す息を必死に整えようとすれば、風花の声が聞こえてきた。
『!順平君、桐条先輩、真田先輩、リーダーが怯えています!これは……』
「やっぱり……慣れてないと、こうなるか」
ユキはため息をついて、腰につけたポーチからオレンジ色のジェムを取り出し僕に手渡す。
「それ、自分が回復したら他の人にも回して。全員分は回復できる筈だから」
「……あ、りがとう……」
礼を言うと彼は小さくうなずいて、単身ハイエロファントに突っ込んでいった。
早く戦線に復活しなければとジェムを順平達に渡し、攻撃の構えを取る。
しかし彼が椅子に座る巨体の腹部に容赦なくナイフを突き立て、グッと柄をひねれば、あっという間にシャドウは消滅してしまった。
「……すまない、助かった」
「……別に。それより、もう一体のシャドウって――」
ユキが全て言い終わる前に、立ち上がったばかりの順平がフラリと倒れる。
真田先輩や桐条先輩もそれに続くように倒れ、そして自分の視界もぼんやりとし始めた。
「もしかして……っ、湊、起きて、湊……」
―少しだけ焦ったような、彼の顔。
それを瞳に焼き付けて、僕の意識は途絶えた。