失踪と噂
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「森山……さん……?」
立ちすくんで動かない彼女にそう口を開くと、彼女はゆっくりと此方を見て「ふ、うか……」と名前を呼んだ。
ウサギさんがいち早く事態を察知したのか、彼女に近づいてシャドウから離れた場所に私ごと連れて行く。
「死にたくないなら、来て」
「えっちょっと、あの、」
「早く」
「は、ひゃい!」
森山さんはひどく怯えた様子で、私と柱の影に移動させられた。
真田先輩が私に「お守りだ」と弾の入ってない銃を渡し、そしてウサギさんと共に巨大な何かに向かって行くのを見て森山さんに向き直る。
「ごめん、ゴメンね風花……私まさか、あんなことになるなんて……」
「森山さん……」
彼女はガタガタと震えて、俯き服の裾を小さく掴む。
私は「ううん、大丈夫だよ」と言って、チラリとウサギさん達の様子を確認した。
―彼等は、戦っていた。
「明彦さんと順平君は、美鶴さんとゆかりさんを安全な場所に。俺と湊でなんとかするぞ」
ウサギ―ユキはそう言うと、掌にカードを出しそれに口付けした。
「クロッカー」
カードが淡い光を放ち、大きな時計兎が姿を現す。
僕も召喚器を頭に当て、引き金を引いた。
「……オルフェウス!」
琴を持ったペルソナが、光を集め形づくる。
「『ブフ』」
「オルフェウス、『突撃』!」
それぞれのペルソナが狙いを定め、2体のシャドウに攻撃を仕掛けた。
しかし、片方はブフが届かず、片方は突撃が届かない。
「無効か……」
「面倒だな」
「全くだ」
息を吐いて、肩を揺らす。
どちらにどの攻撃が通るか、検討もつかないからだ。
「『明けの明星』とかやったら多分一発だろうけど……周りの被害が怖い」
「万能攻撃は周囲へも被害がいくからね……」
取り敢えずと防御しながら敵の様子を確認すると、どうやら一定ターンで自身の弱点を変えているようだった。
それでは、ターン以内に弱点を探し、倒さなければならない。
「せめて、桐条先輩が無事だったら……」
「いや、あの人のアナライズは完璧じゃない。それに、それを考えても仕方ない」
攻撃をナイフで躱し、ユキはそう答える。
そして何に気づいたのか、ある一点向けて一直線に駆け出した。
「……ウサギ?」
丁度そこは、山岸さん達が隠れていたところの前で。
彼が構えた後ろでは山岸さんが立ち、召喚器を頭に向けていた。
(……そういえば、彼女は一応適正者だったっけ……)
力になるのなら、ありがたいけど。
「……来て、ルキア!」
光を散らし、浮かび上がったのは彼女を覆うペルソナの姿。
彼女を攻撃から守るようにして浮かび上がったそれに、僕たちは目を見開く。
彼女はペルソナに覆われた状態で、こちらに対して叫んだ。
「あのシャドウの弱点、何となくですけど……わかります!」
「……もしかして、支援型?」
「えっと……じゃあ、お願いする」
ユキはナイフを構え直し、改めてシャドウに向き直った。
山岸さんが「はい!」と返事したのを確認し、僕も戦闘に戻る。
「順平、真田先輩、参戦できますか?」
「おう!」
「ああ、バッチシだ」
真田先輩と順平が頷き、それぞれの武器を構える。
すると解析が終わったのか、山岸さんが「弱点わかりました!」と大声で言った。
「それぞれ、貫通、疾風です!」
「湊、貫通任せた。『ガルーラ』」
「了解……ネコショウグン、『二連牙』!」
タイミングを合わせ、一気に仕掛ける。
ぐらりと足元が崩れ、シャドウ達は後ろへバタンと倒れた。
「今だ!!やっちまおうぜ!!」
「……総攻撃、開始」
順平とユキの声に、四人でシャドウに突っ込む。
けれど、一番早くシャドウの下に着いたのはユキだ。地を蹴り上げ、左右の手に持ったナイフを交差させてシャドウの胴を切り裂く。そうして一体を軽々と倒したかと思えば、此方側に倒れていたシャドウにナイフを投げて止めを刺した。
「早くバイト行きたいんだ。もう黙って死んで?」
―そんな理由で殺されるシャドウって。
そうは思ったが、シャドウが完全に消滅したのを確認すると山岸さんがふらりと倒れてしまって慌てて全員が彼女に近づく。
真田先輩が彼女を支えていると、視界の隅から女子生徒がよた、よたとふらつきながら近づいてきた。
「風花!」
そう大きな声を出すと走って近寄り、彼女を抱えボロボロと涙を零す。
「ごめん……ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……っ」
立ちすくんで動かない彼女にそう口を開くと、彼女はゆっくりと此方を見て「ふ、うか……」と名前を呼んだ。
ウサギさんがいち早く事態を察知したのか、彼女に近づいてシャドウから離れた場所に私ごと連れて行く。
「死にたくないなら、来て」
「えっちょっと、あの、」
「早く」
「は、ひゃい!」
森山さんはひどく怯えた様子で、私と柱の影に移動させられた。
真田先輩が私に「お守りだ」と弾の入ってない銃を渡し、そしてウサギさんと共に巨大な何かに向かって行くのを見て森山さんに向き直る。
「ごめん、ゴメンね風花……私まさか、あんなことになるなんて……」
「森山さん……」
彼女はガタガタと震えて、俯き服の裾を小さく掴む。
私は「ううん、大丈夫だよ」と言って、チラリとウサギさん達の様子を確認した。
―彼等は、戦っていた。
「明彦さんと順平君は、美鶴さんとゆかりさんを安全な場所に。俺と湊でなんとかするぞ」
ウサギ―ユキはそう言うと、掌にカードを出しそれに口付けした。
「クロッカー」
カードが淡い光を放ち、大きな時計兎が姿を現す。
僕も召喚器を頭に当て、引き金を引いた。
「……オルフェウス!」
琴を持ったペルソナが、光を集め形づくる。
「『ブフ』」
「オルフェウス、『突撃』!」
それぞれのペルソナが狙いを定め、2体のシャドウに攻撃を仕掛けた。
しかし、片方はブフが届かず、片方は突撃が届かない。
「無効か……」
「面倒だな」
「全くだ」
息を吐いて、肩を揺らす。
どちらにどの攻撃が通るか、検討もつかないからだ。
「『明けの明星』とかやったら多分一発だろうけど……周りの被害が怖い」
「万能攻撃は周囲へも被害がいくからね……」
取り敢えずと防御しながら敵の様子を確認すると、どうやら一定ターンで自身の弱点を変えているようだった。
それでは、ターン以内に弱点を探し、倒さなければならない。
「せめて、桐条先輩が無事だったら……」
「いや、あの人のアナライズは完璧じゃない。それに、それを考えても仕方ない」
攻撃をナイフで躱し、ユキはそう答える。
そして何に気づいたのか、ある一点向けて一直線に駆け出した。
「……ウサギ?」
丁度そこは、山岸さん達が隠れていたところの前で。
彼が構えた後ろでは山岸さんが立ち、召喚器を頭に向けていた。
(……そういえば、彼女は一応適正者だったっけ……)
力になるのなら、ありがたいけど。
「……来て、ルキア!」
光を散らし、浮かび上がったのは彼女を覆うペルソナの姿。
彼女を攻撃から守るようにして浮かび上がったそれに、僕たちは目を見開く。
彼女はペルソナに覆われた状態で、こちらに対して叫んだ。
「あのシャドウの弱点、何となくですけど……わかります!」
「……もしかして、支援型?」
「えっと……じゃあ、お願いする」
ユキはナイフを構え直し、改めてシャドウに向き直った。
山岸さんが「はい!」と返事したのを確認し、僕も戦闘に戻る。
「順平、真田先輩、参戦できますか?」
「おう!」
「ああ、バッチシだ」
真田先輩と順平が頷き、それぞれの武器を構える。
すると解析が終わったのか、山岸さんが「弱点わかりました!」と大声で言った。
「それぞれ、貫通、疾風です!」
「湊、貫通任せた。『ガルーラ』」
「了解……ネコショウグン、『二連牙』!」
タイミングを合わせ、一気に仕掛ける。
ぐらりと足元が崩れ、シャドウ達は後ろへバタンと倒れた。
「今だ!!やっちまおうぜ!!」
「……総攻撃、開始」
順平とユキの声に、四人でシャドウに突っ込む。
けれど、一番早くシャドウの下に着いたのはユキだ。地を蹴り上げ、左右の手に持ったナイフを交差させてシャドウの胴を切り裂く。そうして一体を軽々と倒したかと思えば、此方側に倒れていたシャドウにナイフを投げて止めを刺した。
「早くバイト行きたいんだ。もう黙って死んで?」
―そんな理由で殺されるシャドウって。
そうは思ったが、シャドウが完全に消滅したのを確認すると山岸さんがふらりと倒れてしまって慌てて全員が彼女に近づく。
真田先輩が彼女を支えていると、視界の隅から女子生徒がよた、よたとふらつきながら近づいてきた。
「風花!」
そう大きな声を出すと走って近寄り、彼女を抱えボロボロと涙を零す。
「ごめん……ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……っ」