失踪と噂
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敵をいとも簡単に倒していくウサギを見て、風花は眉をひそめる。
(何、この人……?確かに強いけど、生のエネルギーだけじゃない……この黒いものに似た、負のエネルギーも混じってるような……)
真っ白のようなのに、その底に深い黒が侵食しているような。そんな感じがして思わず息を飲んだ。
ギャアアアアアア……
目の前の黒いものが、そんな悲鳴を上げて消滅する。
倒し終わると、また手を掴まれて引っ張られた。
男の人の、細長くて冷たい白い指。握るその力は風花でもすぐ解けてしまいそうなのに、何故か解いたらダメな気がしてギュッと握り返した。すると彼は此方をチラリと振り返るも、それも一瞬のことでまた前を向く。
ゴーグルに隠されたその目は、見ることは叶わないけれど。
フードからチラリと見える髪は真っ白で、少しだけ怖いと思ったけれど。
握る手は冷たくて、でも確かな優しさに包まれていて。
(この人は、怖くない……きっと、優しい人だ……)
そう言い聞かせて、彼に導かれるままに駆け出した。
明彦さん達と合流すると、風花は安心からかヘタリと地面に座り込んでしまった。
仕方ないと背と膝裏に腕を回して担ぎ上げ、転送装置を探す。
ボッと音を立てて顔が真っ赤になったけど、風邪ではなさそうだ。
「ごめん。ちょっとだけ、我慢してて」
「ひゃ!?は、はい!」
「ワーオ……これが伝説のお姫様抱っこか……」
「……なんでもないようにやっちゃうあたり、流石というべきかな」
順平や湊がそうブツブツと感想を漏らしているのを無視して足を進めていると、ふと通路に入った月灯りに目を細める。
(……満月?)
外には、大きな丸い異様な月。
そういえば湊がシャドウに襲われてた時も、モノレールの時も満月だったな。
考えながら視線を戻すと、風花が顔を青白くしてガタガタと震えているのに気づいた。
赤くなったり青くなったり、忙しそうだ。
「……風花さん?どうしたの?」
「嘘……なんで……こんな……
今まで感じたことないくらい、大きな負のエネルギーが……!!」
それを聞いて、俺たちは顔を強ばらせる。
「どこからその気配がするか、分かるか?」
落ち着かせるように聞くと、「し、下の方、です」と震えた声が返ってきた。
「どうする、湊?」
「……早く転送装置を見つけて下に戻ろう。桐条先輩達が危ないかもしれない」
「了解。……風花さん、少し走るから気をつけてね」
「は、はい……っ」
少しだけ力を強めにして、今まで行っていない場所を駆け巡る。
両手が塞がっていて攻撃出来ないので、三人に前衛に出てもらって装置を探した。
「脱出ポイントを見つけたぞ!」
真田の声のした方に走り、転送装置から戻る。
すると其処には、モノレールにいたような巨大な2体のシャドウと。
負傷しているゆかりと美鶴、立ちすくんでいる女子生徒の姿があった。
(何、この人……?確かに強いけど、生のエネルギーだけじゃない……この黒いものに似た、負のエネルギーも混じってるような……)
真っ白のようなのに、その底に深い黒が侵食しているような。そんな感じがして思わず息を飲んだ。
ギャアアアアアア……
目の前の黒いものが、そんな悲鳴を上げて消滅する。
倒し終わると、また手を掴まれて引っ張られた。
男の人の、細長くて冷たい白い指。握るその力は風花でもすぐ解けてしまいそうなのに、何故か解いたらダメな気がしてギュッと握り返した。すると彼は此方をチラリと振り返るも、それも一瞬のことでまた前を向く。
ゴーグルに隠されたその目は、見ることは叶わないけれど。
フードからチラリと見える髪は真っ白で、少しだけ怖いと思ったけれど。
握る手は冷たくて、でも確かな優しさに包まれていて。
(この人は、怖くない……きっと、優しい人だ……)
そう言い聞かせて、彼に導かれるままに駆け出した。
明彦さん達と合流すると、風花は安心からかヘタリと地面に座り込んでしまった。
仕方ないと背と膝裏に腕を回して担ぎ上げ、転送装置を探す。
ボッと音を立てて顔が真っ赤になったけど、風邪ではなさそうだ。
「ごめん。ちょっとだけ、我慢してて」
「ひゃ!?は、はい!」
「ワーオ……これが伝説のお姫様抱っこか……」
「……なんでもないようにやっちゃうあたり、流石というべきかな」
順平や湊がそうブツブツと感想を漏らしているのを無視して足を進めていると、ふと通路に入った月灯りに目を細める。
(……満月?)
外には、大きな丸い異様な月。
そういえば湊がシャドウに襲われてた時も、モノレールの時も満月だったな。
考えながら視線を戻すと、風花が顔を青白くしてガタガタと震えているのに気づいた。
赤くなったり青くなったり、忙しそうだ。
「……風花さん?どうしたの?」
「嘘……なんで……こんな……
今まで感じたことないくらい、大きな負のエネルギーが……!!」
それを聞いて、俺たちは顔を強ばらせる。
「どこからその気配がするか、分かるか?」
落ち着かせるように聞くと、「し、下の方、です」と震えた声が返ってきた。
「どうする、湊?」
「……早く転送装置を見つけて下に戻ろう。桐条先輩達が危ないかもしれない」
「了解。……風花さん、少し走るから気をつけてね」
「は、はい……っ」
少しだけ力を強めにして、今まで行っていない場所を駆け巡る。
両手が塞がっていて攻撃出来ないので、三人に前衛に出てもらって装置を探した。
「脱出ポイントを見つけたぞ!」
真田の声のした方に走り、転送装置から戻る。
すると其処には、モノレールにいたような巨大な2体のシャドウと。
負傷しているゆかりと美鶴、立ちすくんでいる女子生徒の姿があった。