始まり
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「……有里、湊……」
桜木は先ほどの青年の名前を口に出して、「聞いたことはないな」と呟いた。
「まあ、この時間に平然としていられるんだから、彼も”俺らと同じ”なんだろうけど」
その声は数多の棺にも扉の向こうに消えていった有里にも届くことなく、消えていく。
「彼処の寮……確か美鶴さんとか明彦さんとか、ゆかりさんがいるんだっけ。真次郎さんは戻っていないし、そんなもんだったかな」
指折りで数えて、彼は変わることが一切なくなった表情で空を仰いだ。
月の色が薄くなっている。そろそろこの時間も終わるだろう。
「早く、バイトに戻ろ……」
フードを少し被り直して、彼はゆっくり駅へ戻っていった。
桜木は先ほどの青年の名前を口に出して、「聞いたことはないな」と呟いた。
「まあ、この時間に平然としていられるんだから、彼も”俺らと同じ”なんだろうけど」
その声は数多の棺にも扉の向こうに消えていった有里にも届くことなく、消えていく。
「彼処の寮……確か美鶴さんとか明彦さんとか、ゆかりさんがいるんだっけ。真次郎さんは戻っていないし、そんなもんだったかな」
指折りで数えて、彼は変わることが一切なくなった表情で空を仰いだ。
月の色が薄くなっている。そろそろこの時間も終わるだろう。
「早く、バイトに戻ろ……」
フードを少し被り直して、彼はゆっくり駅へ戻っていった。