失踪と噂
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体育館倉庫。
夜にもなると流石に暗くて、多少道具の形が感じ取れるだけで何も見えない。
(……薬飲んだから、多分大丈夫だと思うけど)
先程から、手足が少し震えている。けれど他のメンバーがいるから、迂闊に行動するわけにはいかないだろう。
(……残り、一分)
早く、月灯りを浴びたい。
彼らから少し離れた位置で蹲り、時計の針の音をただ聞いていた。
カチッ…カチッ…カチッ…
ボーン…ボーン…ボーン……
鐘の音。地面が揺れる感覚に目眩がする。
ドサリと落とされ辺りを見回すと、タルタロスの構造へと変わっていた。
(……成功、か)
周りにいた筈の彼等がいないが、多分別れたのだろう。そのうち見つかるかと立ち上がり周囲を確認すると、なにやら人の気配がして首を傾げる。
(この気配……この前の……?)
シャドウに警戒しながら気配のする方に進むと、一人の少女が小さな部屋に踞っていた。
「大丈夫?えっと……山岸風花さん?」
声をかけると、水色の髪がバッと顔を上げる。どうやら当たっていたようだ。
彼女はこちらを見て怯えたように身体を震わせながら、小さく頷いた。
「は、はい……あの、あなたは……?」
「ウサギ」
彼女の目が丸くなる。俺が手を引っ張ると、いとも簡単に立ち上がった。
「え、あ、あの……」
「おいで」
手を掴んだまま、部屋を出る。
一先ず、湊達と合流しないと。
階段で移動はせず、取り敢えずこの部屋を散策するように歩く。
「あの……」
「なに?」
「何処に、行くんですか?」
「外」
答えながら、出てきたシャドウを蹴り上げた。
「きゃっ!」と後ろから声が聞こえたが、ただ驚いただけのようだ。敵は彼女の方には向かず、自分のみ狙ってくる。
(好都合。守りきる自信なんてないし)
先制を打たれ怯んだシャドウに、ナイフを思い切り振りかぶって突き刺した。
夜にもなると流石に暗くて、多少道具の形が感じ取れるだけで何も見えない。
(……薬飲んだから、多分大丈夫だと思うけど)
先程から、手足が少し震えている。けれど他のメンバーがいるから、迂闊に行動するわけにはいかないだろう。
(……残り、一分)
早く、月灯りを浴びたい。
彼らから少し離れた位置で蹲り、時計の針の音をただ聞いていた。
カチッ…カチッ…カチッ…
ボーン…ボーン…ボーン……
鐘の音。地面が揺れる感覚に目眩がする。
ドサリと落とされ辺りを見回すと、タルタロスの構造へと変わっていた。
(……成功、か)
周りにいた筈の彼等がいないが、多分別れたのだろう。そのうち見つかるかと立ち上がり周囲を確認すると、なにやら人の気配がして首を傾げる。
(この気配……この前の……?)
シャドウに警戒しながら気配のする方に進むと、一人の少女が小さな部屋に踞っていた。
「大丈夫?えっと……山岸風花さん?」
声をかけると、水色の髪がバッと顔を上げる。どうやら当たっていたようだ。
彼女はこちらを見て怯えたように身体を震わせながら、小さく頷いた。
「は、はい……あの、あなたは……?」
「ウサギ」
彼女の目が丸くなる。俺が手を引っ張ると、いとも簡単に立ち上がった。
「え、あ、あの……」
「おいで」
手を掴んだまま、部屋を出る。
一先ず、湊達と合流しないと。
階段で移動はせず、取り敢えずこの部屋を散策するように歩く。
「あの……」
「なに?」
「何処に、行くんですか?」
「外」
答えながら、出てきたシャドウを蹴り上げた。
「きゃっ!」と後ろから声が聞こえたが、ただ驚いただけのようだ。敵は彼女の方には向かず、自分のみ狙ってくる。
(好都合。守りきる自信なんてないし)
先制を打たれ怯んだシャドウに、ナイフを思い切り振りかぶって突き刺した。