失踪と噂
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夜、月光館学園前。
濃い青のタンクトップにカーキのズボン。ゴーグルを首にさげその上に黒く大きなフードマントを被れば、自分の白い髪は完全に覆われた。
ゴーグルをすれば、闇夜に浮かんでいた赤の光も消えて黒のみになる。
腕時計を見れば、湊の言っていた時間の30分前。
(早く来すぎたな……でも、課題とかバイトとか粗方終わっちゃったし……)
先に校舎に入ろうかと思ったところで、何処からか白い犬が現れた。
柴犬か。目が真っ赤で、背中には可愛らしい羽がついているそれは、俺を見て途端に警戒心を顕にする。
「グルル……」
「いいよ、噛んでも」
俺は犬に向かってそう言い、しゃがんで腕をまくって見せる。
腕一本くらいなら、痛くはない。
犬は少し困惑したように眉を寄せたが、その代わりこちらに近づいてきた。
「ワフ」
「え」
目の前で止まり、出した腕をべロリと舐められた。ぞわりとした感触が広がるも、噛まれるよりはマシかと思い直す。
「……もう夜遅いよ。早く帰ったら?」
舐められていない方の手で犬を軽く撫で言うと、犬は名残惜しそうに舌を離しゆっくりと元きた道を去っていった。
「……なんだったんだ」
腕を軽く拭い、ぼそりと呟く。
答えてくれる人はいない。ただ、闇だけが深まっていく。
濃い青のタンクトップにカーキのズボン。ゴーグルを首にさげその上に黒く大きなフードマントを被れば、自分の白い髪は完全に覆われた。
ゴーグルをすれば、闇夜に浮かんでいた赤の光も消えて黒のみになる。
腕時計を見れば、湊の言っていた時間の30分前。
(早く来すぎたな……でも、課題とかバイトとか粗方終わっちゃったし……)
先に校舎に入ろうかと思ったところで、何処からか白い犬が現れた。
柴犬か。目が真っ赤で、背中には可愛らしい羽がついているそれは、俺を見て途端に警戒心を顕にする。
「グルル……」
「いいよ、噛んでも」
俺は犬に向かってそう言い、しゃがんで腕をまくって見せる。
腕一本くらいなら、痛くはない。
犬は少し困惑したように眉を寄せたが、その代わりこちらに近づいてきた。
「ワフ」
「え」
目の前で止まり、出した腕をべロリと舐められた。ぞわりとした感触が広がるも、噛まれるよりはマシかと思い直す。
「……もう夜遅いよ。早く帰ったら?」
舐められていない方の手で犬を軽く撫で言うと、犬は名残惜しそうに舌を離しゆっくりと元きた道を去っていった。
「……なんだったんだ」
腕を軽く拭い、ぼそりと呟く。
答えてくれる人はいない。ただ、闇だけが深まっていく。